3日目
黒部五郎小舎から三俣蓮華岳経由の双六岳経由の双六小屋、からの鏡平山荘
地図のコースタイムは双六小屋まで4時間10分だったけど6時間かかった
全体では9時間
いずれも2800メートルの北アルプスの山だと認識を新たにした
登りはじめてすぐ
晴れてるので黒部五郎岳から小舎までの全貌が見える
結構あるなあ
逆に登り返すことを想像すると心が折れそうだ
しかしこれから登る三俣蓮華岳も同じくらい高いのだ
分岐から見えるやけにごついあれが三俣蓮華岳なのか?
三俣山荘からの三俣蓮華岳はすごくちょろいイメージなんだけど
今日の三俣蓮華岳は貫禄があった
加えて吹き付ける風の強く冷たいこと
一昨年の水晶岳撤退の時の寒風を思い出した
風のないところは汗だくになるほどなのに
風のあるところは低体温症になるかというくらい寒い
今回はそれも予測して防寒着を多くしたけど
これがあるから秋の山は怖い
これで雨降ってたら死んでたかも
吹き付ける風のなか一歩踏み外せば崖の山道を行く
太郎平小屋から一緒だったあの青年が途中で追い抜いていった
今日から天気がいいんですよね、槍までいこうか双六までにしようか迷ってます
とのことだった
振り返って黒部五郎岳を見るとまだ山頂の下100メートルくらいの高さ
三俣蓮華岳も同じくらいの標高だから山頂まではまだ同じくらい登らないといけない
途中、双六岳方面からの登山者と何度かすれ違う
中には半袖の人もいて大丈夫かなと思う
逆に言えばここからはそんなに風も強くないのだろう
三俣蓮華岳の山頂前で双六岳に向かう分岐
ちょっと方向を勘違いしてた
山頂で小休止して双六岳に向かう
稜線コースを行く
登っては下るのでなかなかたどり着かない
沸き上がる雲が風で押し返されている
なんとか視界良好なうちに双六岳山頂にたどり着いた
ひさしぶりだ
振り返ると三俣蓮華岳が遠い
それに結構な高低差だ
そろそろトイレにもいきたいので
双六小屋に向けて下り始める
この日はお弁当を頼まず昼食を双六小屋で食べる予定だった
双六小屋に着くと外のテーブルは半分ほど誰かしらが座っていた
小屋の前には入館制限の立て看板が出されていた
ビデオカメラをもった人達とリポーター?タレント? みたいな中年くらいの小柄な男性が小屋に入っていくのを見た
誰だろう
カレーライスとラーメンとコーヒー、カルピスを頼む
日差しが強くて相方は日焼け止めを塗っていたけど
耳が真っ赤に日焼けしていた
一休みしてそこから鏡平へ
雲がかかって槍ヶ岳は見えなくなる
木々のなかにたたずむ山荘の姿を見たかったけど
今回は見えず
紅葉の中の小屋は童話めいていてとても素敵なのだけど
予想外の時間がかかってやっとこさたどり着く
やはり足も万全ではないからか
鏡平に泊まるのは初めてだ
鏡平山荘は建て増しの工事中で
たくさんの作業員がいた
新築の個室に泊まったのだが
カーテンがついていなかった
窓の外ではまだ人が作業している
座っていれば覗かれることはないが
着替えるのに少し困った
寒かったので布団のなかに寝袋を敷いた
乾燥室に濡れた衣類を干して
それから鏡池を見に行った
この時間帯の池を見るのは初めてだった
槍ヶ岳のこちら側の斜面に午後の日が当たって白っぽく輝いていた
紅葉にはまだ早かったが鏡池は美しかった
寒かったので夕食には熱燗を飲んだ
2交代制で宿泊客のあとで作業員たちの食事のようだった
ちなみに鏡平山荘はトイレは男女共用
宿泊者は水は無料
水筒にお湯を入れてくれるのも無料だった
個室にはコンセントがあって発電機が回っている間は充電ができた
夕食のあとみんなが外で集まっているので見ると
槍ヶ岳が夕日に赤く染まっていた
モルゲンロート、は朝焼けなので
夕日に染まるのはアーベントロートと言うのだった
そう言えば部屋のなかにカマドウマが1匹いて
寒かったからか跳ばずに歩いていたけど
寝てるときにはい回られると嫌なので
ガラッとドアを開けてパコーンと廊下に叩き出した
後で廊下を見たらいなくなっていた
夜はなかなか寝付かれなかったけど
竹橋のコンビニで買ってずっと担いできた
パックの赤ワインを飲んで眠った
山小屋に来ると鼻がつまって口呼吸になって
喉が乾いて眠れなくなることが多い
なんでだろうね
(続く???)