Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

ウツギ

2023-05-21 23:36:40 | 農村環境

 

 茨城県にある国立研究開発法人農業環境技術研究所のページに「畑地域に残る境木の多様性と地域性」というものがあり、そこに「茨城県全域でこの境木を調べたところ、ウツギが最多でその他にカマツカ、マサキ、チャノキなど50種の木本が見つかり、使用樹種に地域的な違いがあることが分かりました」とある。境に植えられる境界木としてウツギが圧倒的に多いことがわかるとともに、ウツギは境の木としてよく知られているものだということも教えられる。『ウィキペディア(Wikipedia)』にも「田畑の畔に植えられて、土地の境界の目印にされたりもする」とある。

 「ウッドチッパーを借りた」でも記した通り、ことしの水田準備が遅れている。荒らしている水田も、目立つところにあるから草刈をしなくてはならない。今年初めて草刈をした水田の畦畔は、かなり厄介な草が伸びていて、「もう少し早く刈っていれば」と後悔させるほど、刈り倒すのに手間がかかる。何度となく記している通り、我が家はそれでいて畦畔が大きいし、「長い」。周囲を見渡しても「なぜうちだけ」と思うほど草を刈らなくてはならない範囲は広く、今の世なら当たり前に草など刈らずに放置していても、致し方ないと思われるようなものなのだが、周囲といろいろある我が家は、放っておくわけにはいかない。

 その畦畔の草を刈っていて、ちょうどウツギの花が咲き始めていることに気づく。そのウツギが畦畔に点々とある。それほど「木」といえるほど成長していないが、花が咲いていればすぐにそれとわかる。裏を返せば花の時期でなければ、草とともに刈ってしまうところ。実はこのウツギの咲いている場所は、隣との境界である。ちょっと境界としては妙な場所になるのだが、昔から我が家で上畔を刈っていた境界位置にあるから、「妙」ではあるが、やはりこれが従来からの境界なのだと諭される。自然に境界にウツギが自生するねことはないだろう、とくに水田協会ともなれば。おそらく意図的に植えたものだと思う。

 なお、2008年に「サカイウツギ」について書いている。


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