月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

命之宣言

2010年05月21日 20時55分06秒 | 仏々相念(住職日記)
オギャ~、オギャ~・・・

「今生に命の華、開かせていただきました!!!」
亡き義父は、長男の産声を聞き、そう聞かせていただいたと歓んでくれました。

私にはそんな余裕はなく、
ただただ嬉しくて・・・
でもどこか不安もあり・・・
今まで見たことのない坊守の苦痛に歪む顔・・・
何もできない無力な自分・・・
いろんなことが入り混じりワンワン泣いたな~・・・

2人の子に親にさせていただきました。
「俺が親かよ・・・?」
信じられない思いの中に、小さき命を抱きしめさせていただきながら、
「パパだよ! 俺がお前のパパだよ!」
って、私も夢中に宣言させていただきました。

頼りない私の腕に抱かれた尊い命は、両手を握りしめ泣いていました。
俺が守ってやる!何があっても・・・
そんな気持ちいっぱいで握りしめているモミジみたいな手を私の手で包んでいました。
いや、不安だったからこそ、そう言わずにはおれなかったのかもしれません。
今もその不安が無くなった訳ではありません・・・
そんな不安を持った親子だからこそ、
肩を寄せ合い手を握り合いこの一日を過ごさせていただいていることです。

生まれてきてくれてありがとう・・・

そんなことを思いながらの一日でした。

不気味な夜のはなし

2010年05月21日 00時54分09秒 | ふうわりふわり(坊守日記)
今夜九時過ぎ、洗濯物を干しにベランダに出ると、なんとなく不気味な感じがしました。

雨上がりで辺りは濃い靄がかかり、西の空が異様なオレンジ色に染まっているのです。
一瞬「火事かな?」とも思ったのですが、それにしたら静かだし・・・
多分街の灯りが反射したのでしょか・・・
不安げな空に月が靄の中に霞んでいます。

あまりに不気味だったので、娘とご院さんを呼んでその光景を一緒に見てもらいました。
なんか、家族といると安心します。

バンコクの反政府デモ隊の一部暴徒化の問題、朝鮮半島の緊張、核拡散問題、内戦、内乱・・・
爆撃の恐怖、火災の恐怖、テロの恐怖・・・世界中に不安で眠れぬ夜を過ごさねばならぬ人々がいったいどれくらいいるのでしょう。
悲しいことです。
靄の中の月も泣いているようでした。

世界中の人々が、煌々と照る月あかりのもとで静かに眠れる日を取り戻さなければ・・・
子どもたちのためにも、地球のためにも、未来のためにも・・・