月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

『かぜのでんわ』のはなし

2014年06月22日 21時18分40秒 | ふうわりふわり(坊守日記)


午前中に見かけたのに…

お夕飯も美味しくいただいたのに…

テレビを見て笑ってたのに…

ついさっきまで元気だったのに…


あまりにも突然のお別れでした

皆が驚きました

お花いっぱいに荘られた最後のお姿に、ご家族は声をあげて泣いておられました


笑って話したいことも

そっと打ち明けたいことも

真面目な相談も

謝りたいことも

そして

何よりもこの悲しみを


目の前に横たわる愛しい人に

伝えたかったでしょうに…


今は何も言えないかもしれません

だけど、少し時が経って、少し落ち着いたなら

『かぜのでんわ』をかけるように

愛しい人に話してください


仏さまとなられたその方は

ちゃんと聞いていてくださいます


声にならない声も…

今ちゃんと聞いていてくださいます


なんまんだぶつ…とこたえてくださいます

なんまんだぶつ…なんまんだぶつ

『かぜのでんわ』
いもとようこ作絵
金の星社

この絵本は「風の電話」をもとに作られたそうです
「風の電話」は岩手県大槌町のガーデンデザイナーの佐々木格さんのお庭にあります
電話線は繋がっていません

「あまりにも突然、多くの命が奪われた。せめてひとこと、最後に話したかった人がたくさんいるはず。そして今回の震災だけでなく、会えなくなった人に伝えたい想いを持っている人は多いと思います。どなたでもいらしてください。」