月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

お膝のはなし

2018年04月11日 20時10分50秒 | ふうわりふわり(坊守日記)


96歳のYさんの出棺のご縁にて‥

ごきょうだい、子供さん、お孫さん、曽孫ちゃんまで、大勢揃われてのお別れのご縁でした。

小さな女の子が、お棺に抱きつくようにして
「ひいじいちゃん、ひいじいちゃん」とそのお顔を覗き込んでいました。

危ないのでふっと抱き上げて私のお膝の上に抱っこすると、嫌がりもせず、ストンと小さな背中をもたせかけできたので、そのまま読経をすることに。

おりん棒を渡すと、上手におりんも鳴らしてくれました。

ご縁の後、その女の子のおじいちゃんが

「孫を抱っこしてくださる姿を見て思い出しました。今の住職さんが小さい頃にお父さんに連れられてうちにお参りしてくれたことがあってね、その時に親父が、今日のあなたと同じように、膝の上に幼いご院さんを抱っこして、偉いのぅ〜と言っていたのを思い出したんです。」

と話してくださいました。

きっと、幼いご院さんにとっても、居心地のいいお膝だったのでしょうね。

大勢の弟さんや妹さん、子どもさん、お孫ちゃん、曾孫ちゃん‥‥

みんな、Yさんのお膝にすとんと抱っこされた経験があるのでしょう。

泣いたり笑ったり、とてもとても和やかなお見送りでした。


広い海に包まれるような‥

深い山に抱かれるような‥