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ご院さんのお衣の繕いに、くけ台が活躍します。
昔ながらのくけ台は、お嫁入り道具です。
結婚が決まって、白衣くらい縫えるようにと、近所のお針の先生にお裁縫を習ったときに買ったものです。
もうすでに母は亡くなっていたのですが、母と仲良しだったそのお針の先生が「あなたのお母さんだったらきっとくけ台をお嫁入り道具として持たせるわ」と仰ってくださったのです。
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母もよく繕い物や着物の縫い替えをしていましたが、傍らにはくけ台がありました。
なんだか、母の真似をしているみたいで、ほんのり懐かしい気持ちになりました。
小さな針山は母の着物の生地で作りました。
お母さんの歳を超えてしまったのに
いまだに恋しいです。