彫刻家の独り言

北海道出身の彫刻家 黒田栄一のブログです。Yahoo!ブログ「彫刻家 黒田栄一 山のアトリエ」も見てください。

フリーダム・ライターズ

2011年01月16日 08時21分28秒 | 日記
何となく何の覚悟もなく成り行きでブログを始めてから、もう半年余が過ぎた。

自分でも、どういう書き方をしてよいか分からずに戸惑いながら。

何とか立ち位置を決めてからようやく3ヶ月目。

果たしてこれで良いものやら 悪いものやら・・・


昨日 録りためた映画から「フリーダム・ライターズ」という映画を見ました。

全てのことが偶然ではないというが、

「この映画と出会ったことにどんな意味があるのか?」と自問させる映画でした。

全く 期待していませんでした。

TVで放送された気になる映画はなるべく録画するようにしていますが、

貯まるばかりでなかなか見きれないでいます。

最初、題名のライターズをライダーズと読み違えて、

アクション映画か何かだと思いました。

実際は学校を舞台にしたドラマで、実話に基づいていました。

私は 学校で教えた経験も多くあるので、

教師もののドラマは苦手でなるべく見ないようにしていました。

多くは 現場を知らない人間が脚本を書いたとしか思えないもので

心穏やかに見ることが出来なかったからです。

この映画は高校に赴任した新米教師が落ちこぼれ学級を再生させていくドラマで、

舞台はアメリカ。

私は、正直「又か。いやだな~」と思いました。

ところが・・・期待は良い方に裏切られました。


彼女が受け持ったのは雑多な人種の子供達が互いに反目しあっているクラスでした。

ほとんどの子供達は悲惨な現実の中で暮らしていました。

勉強の意欲もなく、嫌々通っている子がほとんどです。

最初、子供達の反応は彼女の想像していたものとは大違いでした。

全く 学ぶ意欲も気配も有りません。

「いったいどうしたらいいのか。」

「何が出来るのか。」

彼女の戸惑いが分かる気がしました。

私も現場で同じような思いを何度も感じたことがありますから。

私なら「何を、どうできるのか?」と 見ながら自分に問いかけました。

恥ずかしながら 何も思い浮かびません。

完全にお手上げです。

現場でも、そんなお手上げ経験はたくさんしました。

そこからが 私と主人公の先生との違い。

私なら 迷わず逃げ出したに違いありませんが、

彼女は自分を投げ出して 子供達のために出来ることを1つずつ実行していきます。

決して押しつけにならないように細心の注意を払って。

押しつけでは、子供達は決して心を開きませんからね。

映画を見ながら、寄り添う心が大切なのだと、しみじみ思いました。

彼女は私財を投じて「アンネの日記」等の迫害されたり、

彼等と同じような状況に置かれた人々を扱った教材本を与えていきます。

子供達は本を通して、自分とその人達とを重ね合わせながら 感じ、考えてゆきます。

更に各自に日記帳を与え、過去のこと現在のこと、将来のことなど

何でも思いつくままに書くように、又先生がその日記を読んでも良いという人は

ロッカーに入れるようにも指示します。

すると、予想に反し多くの子供達が日記をロッカーに置きました。

それを読んで、先生は子供達の悲惨な現状を知るのです。

それらが彼らを少しずつ変化させていきます。

ですが、あまり熱心にやりすぎたため、夫とは離婚し家庭は崩壊してしまいます。

それも とてもよく理解できました。

当然の結末だと思いました。

尋常ではない何か一つのことを達成しようとすると、

当然のごとくそうしたことは起こりうることですから。

バランスをうまく取ることは非常に困難です。


それにしても アメリカの恐ろしい現実、

格差社会の行き着く先を見せつけられた気がしました。

単なる 非行なんてものではない、

生存をかけた血みどろの生活の中に置かれた子供達の姿に戦慄を感じてしまいました。


綺麗事が全く通じないような過酷な生活の中で育ってきた子供達が目覚め、

行動や思いに変化が生じる様子に涙を禁じ得ませんでした。

良い映画でした。

感動しました。



 「おっとっと」 黒御影石、大理石  個人蔵

石でバランス遊びをしてみたものです。