うえぽんの「たぬき鍋」

日々のつれづれ、野球ネタ、バカ話など、何でもありの闇鍋的世界?

ここ数日は活字中毒と言うより「カツ」中毒…?

2005-06-08 19:52:36 | 雑記
この前テレビで池波正太郎の話題をやっていて、作家の山本一力氏がその昔勤め人だった頃、帰りの電車で「食卓の情景」を読んでいたら、そこに出てくるトンカツが無性に食べたくなり、思わずその店のある目黒まで行ったが、ちょうど閉店してしまった直後ですごく悔しかった、という話をしていた。
それを見ていた母が「あの本読みたい!あれでなくてもいいから食べ物の本を…!」と言うので、いくつかの図書館をハシゴして、池波正太郎の食関連の随筆を片っ端から借りてきた。母は元々池波正太郎の作品が好きなのだが、それはなぜかというと、作中に出てくる食べ物の描写が実に上手で食欲をそそられるからだそうだ。
私はそれほど池波作品は読んだことがないのだが、これを機会にと前述の「食卓の情景」、「散歩のとき何か食べたくなって」、「むかしの味」と読み進んでいくうちに、これがもう食べたくなってたまらないのである。一度などは飯抜きで外に出た時に読んでしまったものだから、「しまった、空腹の状態で読んじゃイカン本だった!」と後悔した。なぜなら、これを読んだら余計に腹が減る上に、コンビニのおにぎりやサンドイッチでは満足できなくなるからである。あいにく夜遅い時間で、店などどこもやっていやしない。悄然として家に帰るまでの時間の長いこと長いこと。

池波氏の食べ物へのこだわりは半端ではないのだが、それを「俺はグルメだぜ」みたいな感じでひけらかさず、嫌みなく書いているのが、読んで食欲をそそる理由と言えようか。作家なんてのはみんな気難しくて我々庶民とは別世界にいる、というような錯覚が起こりがちなのであるが、このエッセイを読んでいると池波氏にはそれこそ「食いしん坊でお茶目なおやっさん」みたいな親しみが湧く。文章から人間的な暖かみが感じられて、ファンが多いのもうなずける。私もこんなふうに人の心を打つ文章を書いてみたいが、こういうものは人間的に厚みのある人じゃないと書けない。私なんぞ、体の厚みはあるが(爆)、心の厚みはまだまだ…。

話が逸れたが、冒頭で山本氏が行きそびれたトンカツ屋というのは、目黒駅のそばにある「とんき」という店だ。池波氏がひいきにしていたとは知らなかった。確かに昔から有名で、かなり広い店であるはずなのにいつも混んでいて、並ばず入れたためしがない。しかし、並ぶのが全然惜しくないぐらい、美味しいのである。並びに並んで清潔な店内に入り、揚げたてのカツが出てきた時の喜びと言ったら…衣はカラッと、中の肉はジューシー、そして付け合わせのキャベツはシャッキリ!ああ、書いていたら食べたくなってきた。そういえばついこの前「カツ丼食べたい!」って記事書いてたなオレ…無節操でスミマセンね、ホント。


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6 コメント

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蕎麦~のほうに・・ (ゆき)
2005-06-08 21:23:29
書こうと思ってきたら・・・

あらあらあらあら、池波正太郎さんで今夜はUPされてるじゃあないですか~~!



私も好きです。池波正太郎。と、いっても私はエッセイのほうはまだ手が届かず、「鬼平犯科帳」と「剣客商売」ですが、このふたつも、実におなかがすくんですよねぇ。。(笑)蕎麦屋さんでお銚子1本頼んで雪の夜に飲みたくなるの。。(やったことも、多分やる勇気もないんですけど・・)今度は梅安さんに行こうかなーと思ってたけど・・エッセイに手を出してみようか・・うーん。。だいえっとはどーした!!



とんき!とんきなんですかー。目黒のトンカツ屋さんって!おいしいですよねぇ。あそこ。確かに並ばないで入ったことがない・・・食べたい~~!!!

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こんにちは! (ひでろー)
2005-06-08 22:55:18
こちらこそありがとうございました。

安くてうまそーなトンカツ屋さんですねぇ・・・僕は神戸なので「明日行こう!」ってワケにはいかないですけど。ちなみに、神戸は”トン”より”ギュウ”といった感じです(笑)
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Unknown (うえぽん)
2005-06-09 00:17:38
ゆき様

池波エッセイはなかなかの読みごたえです。ゆきさんとは逆に、エッセイから入ったので今度は小説の方にも手を出してみようかと。



とんきもおいしいですけど、個人的には「まい泉」(http://members.aol.com/maisenpr/)のトンカツも大好きです。ここのカツサンドもまたいいんですねぇ。カツサンドと言えば、万世(http://www.niku-mansei.com/)と前に書いたヨシカミも捨てがた…(以下長くなりそうなので省略)



ひでろー様

ご来訪ありがとうございます。神戸牛、美味しいですよね~!めったに食べられませんけど。だもんで、もうちょっとお気楽に食べられる豚に落ち着くわけですね(笑)。東京にお越しの機会にはぜひとんきへ…!
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おミヤ (Unknown)
2005-06-09 01:26:34
最近、前バイトの後輩にもアネゴとかアネキとか呼ばれるおミヤです。とんきは上手いけど高いし、おじさん達が無愛想っす…。でも『鬼平が、上手いと言った江戸の味』は思わず買ってしまった私です。安くてシンプル上手そうなチョイスだったので…
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私もカツ中? (風爺ぃ)
2005-06-09 07:36:54
おはようございます。私もカツ大好きです。カツ丼が好きとは前にも書きましたが、カツそのものも好きです。

「とんき」は食べてみたいですね・・・地元には同じ名前の店がありますが、そこは定食屋だし・・・でも量があって美味いんですけど。



池波さんの作品は、父が好きなんです。まあ、時代劇が好きで、谷中出身ということも関係あるんですかね・・・別にないか(笑)。
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Unknown (うえぽん)
2005-06-09 10:06:08
おミヤ様

私もね、貧乏性ですから1000円超えるメシは一瞬たじろぐんですけどね(笑)。でも、時折無性に食べたくなるんだわこれがー!まぁ、近いから交通費が大してかからない分、値段に関しては許そうかと。でも、あそこのオジサンたちそんなに無愛想でしたっけ?調理で忙しいからかな?その分オネエサン方が甲斐甲斐しくて、これでもかってぐらいキャベツのおかわり持ってきますが(笑)。



風爺ぃ様

そちらのお店は本家の「とんき」からのれん分けされたのかも知れませんね。本家はメニューがすごく少ないんですが(ロースとひれと串カツだけ)、分家(?)は手を広げたのかしらん?



お父様は谷中出身ですか、カッコイイなぁ~。何年か前の正月に、谷中七福神巡りをした思い出があります。あの落ち着いた独特の雰囲気が好きですね。
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