ひと筆めぐり 【新発見・再発見・摩訶不思議・唯一無二】への楽しみ…

地域に息づく歴史のひと幕にふれ、…遥かなる往時に思いを馳せる

龍吐水に温故知新

2020-07-24 | 神社仏閣
徳雲寺の龍吐水に温故知新

徳雲寺の寺歴によると創建より過去5度、火災の悲運に会う。什具・文書・経典類等が烏有となっている。
再々寺を訪ね探訪させていただいている。法事を終えられた住職様に挨拶をする。楼門の二階の回廊にある消防ポンプ「龍吐水(りゅうどすい)」を見せて戴けないかと無理を願う。快く案内いただいた。ラッキーである。
龍吐水は、放水する様子が、龍が水を吐くように見えたことから名付けられたと云われている。もとは享保年間(1716~36)にオランダから渡来したとも云われ諸説あり。
 呼称は万龍水・龍起水・鮮龍水・双龍水、雲龍水・龍吐水等があるようです。当寺の龍吐水は、経年劣化し銘が消えかけているが、『明治二拾六年八月新調』と読み取れる。明治17年(1884)年末頃になると、国産の腕用ポンプが改良され消防ポンプ能力が飛躍的に進むが…放水能力は20㍍程!。当時のものが徳雲寺で現存保存されている。明治初期頃の日本の消防知識を知る貴重な文化財遺産である。

<境内から楼門二階の龍吐水を…>
<住職の案内で楼門の二階部へ…>
<回廊は1㍍弱!>
<明治二拾六年八月新調>の銘が読み取れる
<楼門二階から…この場所からめったに撮れないチャンスを戴く。本堂・禅式庭園・釣鐘堂・灯籠等>

ふくろうの手水鉢

2020-07-24 | 石仏
徳雲寺の手水鉢
歴史の息吹を伝えている。見て歩いて郷土歴史の一端に触れる…至福のひとときである。
徳雲寺は徳川時代園部藩主小出伊勢守吉親(こいでいせのかみよしちか)の菩提寺である。当寺が吉親の菩提寺となった頃、園部藩主の御廟所にあった「手洗鉢」を、当寺に持ってきたと聞く…。手洗鉢の四隅にふくろうがつく珍しい什具逸品である。高さ65㎝・横幅150㎝・縦幅80㎝。花崗岩製の石で造られている。四隅のふくろうの大きさは、高さ50㎝・幅20㎝の大きさ、足の先まで丁寧に彫り込まれている。銘文はなく詳細は不明。ふくろうは護法鳥と呼ばれ、宗法を護鳥として珍重されている。漢字で書くと不苦労(くろうあらず)と読む。この手水鉢は、小出吉親が先祖の地、尾張国(愛知県)熱国でコレクションの一つとして手に入れたもの…。前任地の出石から園部へ移封(転封)した時も手放さず持ち来たものと言われている。

 
<高さ65㎝・横幅150㎝・縦幅80㎝、花崗岩製>

<ふくろうの大きさは、高さ50㎝・幅20㎝>