料理同好会でのお話です。
毎月1回、料理講座修了生が集う同好会です。
仲間同士で料理を作り、一緒に食べる会です。
講師は管理栄養士さんです。
2月の料理メニューは「骨粗鬆症予防」料理作りです。
講師が料理メニューの解説をします。
いろいろある中の、「高野豆腐の卯の花」の作り方
➀凍り豆腐はすりおろす。
➁人参は千切り。ねぎは小口切り。干し椎茸は微温湯に戻して千切れにする。
➂だしで人参を煮て、調味料と椎茸を加えて煮る。
1~2分後に➀のすり下ろした高野豆腐を加えて水分が殆ど無くなるまで煮る。
➃最後に小口切りのねぎを加えて混ぜる。
このメンバーに男性会員が3名。各班に1名づつ配属されてます。
その中の一人からの質問が発せられました。
「私の田舎では凍み豆腐と言いますが、凍り豆腐(高野豆腐)との違いは?」
この質問に注目が集まります。
「えーと、どこから説明をしましょうかしら?」
講師が暫し、考案中です。
そして、講師の解説が始まりました。
高野豆腐と凍み豆腐の違いは、乾燥方法です。
「高野豆腐」は日陰で夜間の寒気に数日間晒し、脱水後に火力乾燥させて仕上げます。
江戸時代において高野山の土産品として珍重され、精進料理の一つとして全国に広がりました。
「凍み豆腐」は薄く切った豆腐を稲藁藁で編み軒下に吊るし、日中は直射日光を当て凍解させ
夜間は寒気に晒すことを繰り返し、自然乾燥させる仕組みです。
主に東北地方で自家製の豆腐で作られる保存食です。
「高野豆腐」も「凍み豆腐」も健康に良い食べ物であることは
昔から漠然と認識されてきました。
近年いろいろな研究により、LDL低下、HDL上昇、食後中性脂肪上昇抑制など
脂肪代謝改善効果が報告されてます。
生活習慣病、特に脳卒中や心筋梗塞などの予防に効果があるそうです。
ー 講師・管理栄養士さんの説明でした。-
私の郷里は東北、秋田です。
豪雪地帯の山村です。
「凍み豆腐」の保存食作りは、これからのはずです。
何十年前の記憶が蘇ります。
今の時代、何でもスーパーに備わってます。
恐らく、郷里でも大豆の生産も途絶えているかもしれません。
自家製の豆腐つくりも伝授する者も無く、凍み豆腐を作る人皆無かも知れません。
一つの質問から端を発し、興味深いお話を聞く機会になるととのに
郷里を懐かしく思い出す機会にもなりました。
仲間達と作った料理を、一緒に食べながら
ついつい、郷里の事話題にしてしまいました。