美味しいコーヒーと、洒落た店内とで我が道を行く、喫茶業界に新しい風を吹かせたスタバですけれども。
店舗によっては、クラブ並みのリップサービスで、キモイとまで言われた過去もあったりで。
そのイマイチ、世間と噛み合っていけない、宿命のようなものを内に抱いたスタバですけれども。
そこはやはり、まだ健在のようだなぁ。いや、そういうところがあるから、スタバなんだろうとも思いますが。
例えば、メニューの、容器のサイズですけれども。ショート>トール>グランデ>ベンティなわけですけれども。
メニューはなぜか、まずトールが、大きく書いてある。それからショート、グランデ、ベンティと書いてある。初見殺しのメニューですな。
もちろん、そういう文化のなかで育った人たちには、当然のことですけれども。
容器の実物の展示もなくて。まだそこまで追い付いてない世間と、やはりどうしても、噛み合うことのできないスタバなわけです。
そのように、慣れない利用者を置いてけ堀にし続けるスタバは、やはりというか、現在、カルトのような雰囲気をまとってますよねぇ……。
行きずりに、飲み物や食べ物だけ利用する以上の深みには、踏み入らない。
店の上っ面を撫でていくだけなら、容器の大きさと、受け取りの方法と、あと、せいぜい、トッピングの注文の仕方。2つ3つ覚えればいいんで。
飲み物や食べ物の美味しさは、実績も、定評もありますから。
見ていると、でもなかなか、店の敷居をまたいでまで、中で飲もう、食べようというひとは、いないようで。
結婚式や、お葬式の時だけ、宗教に触れるみたいな。
そういうのが、スタバらしさの元になっているようですけれども。ドトールに比べりゃ、ずいぶん利用しやすい雰囲気ですけれどもね。ミスドよりも入りやすいしなぁ。主には、年齢層的の問題です。
オトナなスタバ。それでいて、インフォーマルな、フランクなスタバ。そんなふうに、横文字がズラズラと並んでくる。上っ面の印象は、そんな感じかな。その先には、まだ奥深いところに、本来のスタバの姿がある。そこに惹かれる人もいれば、そうでない人もいるしで。
あー、なんか、同じような雰囲気に触れたことがあるなと、思えば、上位クレカのコンシェルジュだわ。その辺の客層を、考えていたんだろうな。似合う言葉で言えば、「~してくれたまえ」。
だけど、その辺のをターゲットにした産業は、車にしろホテルにしろ服飾にしろワインにしろ、あんまり、当たったって話を聞かないなぁ。ネズミランドとかもう斜陽だしさ。そもそも、今の“金持ち”と、上品という言葉とは、同義ではないから。
けれども、ゆとり教育が教えた、なんちゃってな、上っ面だけの上品さとは、いい相性だと思う。実際、客を見てるとな。
その世代、1代限りを相手にしようというスタバです。
とは言え、ドトールやミスドに、スタバくらいアッサリと入れるかと聞かれれば、困っちゃう。
まあ……、UCCや、宮越屋があるから、そこまでは困らんけど。でもテイクアウトの気軽さだったら、今のところ、代替がきかない存在ではあり。
なんか、こう、もうちょっと世間寄りなのが登場してこないかなぁと思う、今日このごろのお話でした。