巨大ヒロイン・コミック計画

3DCGを使ってデジタルコミックの電子書籍化をめざすブログ

制作準備がようやく再開できた実感が出てきました

2015年11月14日 21時30分48秒 | シナリオ


 デジタルコミック制作準備のレポートです。


 マンガ版『ウルティマ・ゴッテス~巨人娘~』第1話のシナリオを直しました。

 当初、小説版にほぼ沿うような形で書いていたのですが、今回ブランクがあったおかげで、いろいろひらめいてきたのです。

 そのうちのひとつに、小説での表現と、漫画での表現……それぞれの違いに気づかされました。
 小説は体験型と言いますか、読者が主人公と一体化し、何だかわからない壮大な出来事に巻き込まれたとしても、主人公の不安感や心の細かい変化(つまり内面)を描くのに適しています。
 でも、コミック版でそれと同じことをやっていたら、「まどろっこしい展開」になるということに気づきました。

 コミック版には、漫画としての独自のセオリーやテンポがあるんじゃないかと考えまして、シナリオを見直すことにしたのです。
 主に、設定をバラす順番を大きく変更しました。
 小説版ではシリーズが進んだ先で明らかにする予定だった謎を、もう冒頭から明らかにしたほうが漫画ではツカミが良くなるのではないかと考えてのことです。

 それは、主人公たちである双子の正体についてでした。

 彼らとその周辺の人物たちが、何者なのか、セリフの中であっさり言ってしまったほうが、漫画の展開においては世界観にすんなり入れるのではないかと思ったのです。
 なので、思わせぶりなセリフの中で、各キャラの正体、人物関係、立ち位置が何となくわかるように変更していきました。おかげで私もスッキリしました。作者としても謎を引っぱるより、最初に伏線の意味も含めて出してしまったほうがやりやすくなりそうだからです。


  
 続いては、ウルトラメガミの年齢設定です。
 小説版では幼少期から始まり、中学生になってからウルトラメガミに変身するのですが……これが、なかなか変身しないストーリー展開なのです(笑)。



 いわゆる、フタを開けてみたら、メチャクチャ強くて才能あった子だったというドンデン返しのような解放感を出すために、変身まで溜めて溜めて……やっと変身できるという展開にしたのですが、これをコミック版では大胆に第1話で変身できるように変更しました。
 幼女のままスーパーヒロインになって活躍するというストーリー展開を、主軸にしようと決めたのです。
 中学生編を主軸にしようと考えていた私にとっては、大いに悩んだことなのですが、やはり第1話から勢いをつけたいですし、変身ヒロインもので「変身をもったいぶる」のも、小説版ではアリなのかもしれませんが、実際にビジュアルを主体としたマンガ版においては違うのではないかと考えました。

 これにより、直したシナリオではハルナの性格が急にアクティブになり、漫画のキャラらしく(つまりヒーローらしく?)なりました。
 もしかすると、この状態が定番となって、中学生編がやれなくなる状態に陥ってしまうかもしれませんが、そうなったらそうなったときだと、ここは開き直りも大切かなと思うことにしました。

 それだけ、ハルナのキャラが面白くなったのです。
 5歳の幼さで、ヒーロー感やら地球の平和などを語るギャップが、「この子、アニメの見過ぎだわ」とツッコミ入れたくなるくらいの熱血幼女ぶりなのです(笑)。
 劇中で大人たちに対しても、堂々とヒーローらしいセリフを叫んだりもします。
 そういう、笑えるほどに幼女が熱血しだしたので、これはこれでアリかなぁ~と、シナリオを直しながら楽しんでしまいました。

 でも一番の不安は、双子のセリフを全部「ひらがな」にしていることです。
 フキダシのセリフで漢字が使えないルールにすると、表現が苦しくなるんですよね。
 かと言って、漢字を入れたりすると幼さが薄まってしまいますし……。
 ここが決めかねていた悩みどころでした。

 幼いと、知っている言葉も多くないため、セリフの表現の幅が狭くなることを懸念していたのですが……そこはまた、別の演出方法を考えていくしかないかなと覚悟もしつつあります。
 いずれ何か、ひらめくかもしれませんし……。
 今はたとえ思いつかなくても、末来に解決方法の発見を託してみるのも良いかもしれない。それに、このくらいなら制作の障害にはならないと決断できるようにも至りました。

 というわけで、マンガ用の第1話シナリオを修正し、近く絵コンテもそれに合わせて修正しなくてはなりません。
 しかしこれは、また後日にチャレンジすることにして、本日はウルトラメガミの仮面デザインのほうに取りかかることにしました。



 私は3D用の下絵を描くとき、アニメーターさんが使うトレース台を使っています。
 ラフに描いた線をトレース台で透かしてなぞることで、絵が下手な私でも、マシな絵になっていくからです。
 紙についても動画用紙ではなく、中心線などが引かれてあるレイアウト用紙のほうを使います。顔の正面などを半分だけ描いて、あとでミラーコピーすれば左右対称の絵にしやすいからです。




 ◆このように、最初は顔の半分だけを描きます。





 ◆スキャナーで取り込んだあと、フォトショップでミラーコピーします。




 ◆頭の上に乗せたリボンを若干変えたバージョンも作りました。




 ◆リボンの形は、いくつかのパターンを描きました。このラフが一番気に入ったので、ラフの絵をそのまま切り貼りすることにしました。




 ◆パーツごとにレイヤー化して、それぞれの位置をズラしたりして調整した結果がこれです。




 ◆横から見たバージョンです。トレース台だと、目や口の位置を正面と横でも合わせられやすいのが利点です。




 ◆現在、カラーリングを試し塗りで検討中です。ここは悩むところなので、まだ完成していません。




 ◆第1話に登場する怪獣の3D用下絵も作成しました。こちらは、私の絵の下手さ加減が目立ってしまっていますね(苦笑)。




 ◆横から見たバージョンです。ドラゴンと大怪獣ガッパを足したようなイメージで描きました。



 以上、ようやく下準備が再開できて嬉しく思います。
 このままジャマが入らず(笑)、うまく進められたらなぁと願うばかりです。

 ではではまた! ^▽^/