uparupapapa 日記

今の日本の政治が嫌いです。
だからblogで訴えます。


こりゃ!退助!!~自由死すとも退助死せず~(36)

2021-03-15 03:52:12 | 日記












このイラストは私のblogの読者様であり、
イラストレーターでもあられる
snowdrop様に描いていただいた作品です。


#13イラストのリクエスト〜『板垣退助』 - snow drop~ 喜怒哀楽 そこから見えてくるもの…
 (snowdrop様のblogリンク先)

Snowdrop様
素晴らしいイラストをありがとうございました。
心から感謝いたします。










 第36話  愛国社


 退助が征韓論で敗れ下野した時、
実は彼に対する批判が多くあった。

 曰く、
「板垣が民撰議院の設立に対し、
本気で取り組むつもりなら、何故参議の職を辞した?
政府部内に残り、いわば強引にでも
改革の旗振りをすべきではなかったか?」

 

 大阪会議を受け、
退助は旧愛国公党設立時の同志たちを再結集させた。

民撰議院設立建白書を退出するために設立した
愛国公党は政府による拒絶により
一時、自然消滅したが、
その機運までもが消滅した訳ではなかった。
 
 退助は性懲りもなく
愛国公党に代わり「愛国社」を設立する。

 
   <おさらい> 退助が下野してから
いくつもの政治結社を結成している。

 
 東京に愛国公党、(1874年)
 土佐に立志社、(1874年)
大阪に愛国社。(1875年)

(日本史上、退助が結成した愛国社は、
後述するが、その直後また自然消滅。
その後退助と、その意を継いだ
立志社により1878年(明治11)4月、
愛国社は再結成される。(そのくだりは別の回で) それとは別に同名の愛国社
(1928年右翼団体が結成)も存在したが
それは全くの別物である。

 実にややこしく、面倒くさいが、
後の自由党結成までの紆余曲折が
退助の自由に対する情熱と、
決意の本気度を示しているのではないだろうか?


 愛国社に参加した者たちは主に士族であった。
その運営は退助が顔となり、土佐の立志社が中心となる。 本社は東京。
愛国社に加盟するそれぞれの地方政社からは、
委員を本社に送り、情報収集などの
「報・連・相」に当たることになっていた。
 今までになく、本格的大規模な組織である。


 しかしこの愛国社も(愛国公党同様)
長くは続かない。

 退助が参議に復職すると
次第に求心力が失われた。

 更に1877年(明治10)、
鹿児島で西南戦争が勃発すると、
立志社内部の武闘派が、
内戦に乗じて挙兵する動きを見せる。
(実際、西南戦争に参戦する者も多数出ている。)
その結果、幹部が逮捕される事件があった。
(立志社の獄)
 
 これらの事由、及び資金難に陥るなどにより、
退助が造った結社『愛国社』は自然消滅した。

 先に参議復帰により、東京に戻った退助は、
自由民権派から背信行為であると糾弾され、
愛国社創立運動の失敗の釈明に追われる。


 下野したら批判され、
復帰したら批判される。

 退助は嘆く。
「どないしたらええねん!!」

 帰宅した退助は吐き捨てるように呟く。
 自分がしてきたことは、決して無駄ではない。
大阪会議の合意に基づき、4月14日に
「漸次立憲政体樹立の勅書」が発せられる。
これにより元老院・大審院・地方官会議を設置、
段階的、立憲政体樹立を宣言した。

 民撰議院設立の下準備が決まり
公布されたのだ。

 立派に目的は果たしたではないか!
 なのに、この批判。
ああ、理不尽じゃ!
 ふてくされる退助であった。
 (それにしても
ふてくされた退助の顔って、なんて不細工!)

 それでも父が帰り、喜ぶ鉾太郎。
退助の周囲をトコトコ駆け回る。

 妻の鈴が、
「あなた、最近関西弁が多くありません?」
「あぁ?そうじゃったか?
自分じゃ、よう分からん。」
「全くあなた様には呆れます。
偉いお役人になったり、すぐ失業したかと思うと、
良く分からない人たちを集めて騒いだり。
そうかと思うと、また直ぐ帰ってくるし。
 一体何をしたいのか、私のような者には
全然分かりませぬ。
 挙句の果てにその関西弁。
大阪にまた女子(おなご)でもできましたか?」
「そんな訳なかろう!!
ワシが鈴一筋なのはしっておろうが!」
「あら、土佐の展子様にも同じ事言えますか?」
「だから!展子の事は口にするでない。」
「ほら、やっぱり!
旦那様はそれだから信用できません。」

「信用?」
ようやく言葉を喋ることができるようになった鉾太郎。
「信用ってなに?」
父に聞く。
(ワシに聞くな!)と思い乍ら、
「信用ってな、この家では母の次に大事なものじゃ。
よお覚えておけ。」
「母の次?じゃぁ、父上は?」
「母の次が鉾太郎じゃろ、その次が犬のクロ、
その次が猫のミケ。その次がこのワシじゃ。
どうじゃ?可哀そうな父上じゃろ?」
「あなた!鉾太郎にいい加減に教えないでくだされ!」
「だからワシは自由と平等と民権を
説いて回っておるんじゃ。
我が家にも自由と平等を!」
「何を言いたいのか良く分かりませぬ。
あなた様の口は
いつもろくな事に使われていませんね。
 女子を口説いたり、屁理屈を吐いたり。
 あの世に行ったら、
閻魔様に舌をちょん切られましょうぞ。」
「いいや、そんなことはないぞ!
ワシの口は
いつもそなたのためだけに存在するんじゃ。
 知っておるくせに。」

 またいつものように厭らしい目で
口を窄める。
 
 「バカ」と鈴。
 「バカ」と鉾太郎。



    つづく


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5 コメント

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Unknown (snowdrop)
2021-03-15 15:50:13
こんにちは😃


退助たちが築いた愛国公党
その後、立志社
さらに愛国社

政府により拒絶やら反対があっても
自由に対する情熱が、あったから
大きな組織として発展していったんだね😲


でも結局、政治の外側から
同士を募って頑張ったけれども
西南戦争により
幹部が逮捕される事件が起きたり
資金難にも陥って😣
『愛国社』が自然消滅。
となってしまったんだね😞


退助は参議に復帰したものの
背信行為と糾弾され
愛国社創立運動の失敗の釈明に
追われて…

>退助は嘆く。
「どないしたらええねん!!」
 
と、なりますよね😱


でも、退助たちの努力は無駄とはならず
段階的、立憲政体樹立を宣言したことで
民撰議院設立の下準備が決まり
公布された
にも関わらず
また批判されるとは…😓


ふてくされた退助も
家に帰れば父親🎵
鈴と息子の鉾太郎と3人の会話😆🌸

鉾太郎くんが喋れるようになって
「信用」という言葉を聞いてくる🎵

興味深いのは順位で
父親が一番、最後🎵
また、それも和みますね😆🎵🌸✨

息子の鉾太郎は
母親に似そうですね😆



次は、どんな展開になるだろう?
楽しみです😆🌸🎵🌷
返信する
Unknown (uparupapapa)
2021-03-15 21:42:14
snowdrop 様
こんばんは。
いつもコメントありがとうございます😊
いつもの事ながら、お返事が遅くてすみません。
勤務の日は、どうしても返信にタイムラグが生じます。

この物語の史実の部分は、出来るだけ忠実に描くようにしています。
なので史実部分と、退助の(創作した)会話部分の乖離部分に結構気を使います。
想像力の限界から、ワンパターンの展開や、会話に終始している現状を
(この物語の)ひとつの売りとして捉え、繰り返すギャグとすべきか、
正直、悩んでいます。
今回のUPも、送信ボタンを押すと同時に、不安と後悔に襲われました。
だからsnowdrop 様のコメントは、
私にとってsnowdrop 様が考えている以上に貴重で有難いのです。
今後の展開の行方は、私自身全く白紙状態ですが、
励みになっているのは間違いありません。

残り完結まで、持てる能力を全部出し切ってでも
喜んでいただけるような作品に仕上げたいと思っています。

今後とも宜しくお願い致します😊
返信する
Unknown (snowdrop)
2021-03-16 16:54:10
こんにちは😆

お返事、遅くなっても
大丈夫ですよ🎵お気になさらず😆👍

どうしても長く続けていると
ワンパターンの展開など
必ず、ぶち当たる壁ですね😣

それはuparupapapaさんに限らずです😣
私でも誰でも、ぶち当たります😱

同じパターンが、立て続けに続くと
慣れちゃったり ってこともあるので
時には
違う取り上げ方をしてみるとか
会議での討論とか
いつもと違う人物を登場させて
少し展開してみるとか
など😄🌸


ある意味、料理に似ているかなー
って思いました😄
私もワンパターン
レパートリーが少なくてね😅
そう言っても増やせないですけどね😅
私は面倒くさがりなので(笑)😄

話を戻してと(^^ゞ


史実の部分と
uparupapapaさんの
板垣退助への思い
考え、伝えたいこと
板垣退助が、どんな人物だったか
周りを取り巻く人たち との関わり
引き続き、楽しみにしてますね😆🌸✨🎵


私で、お役に立てることなら喜んで😆🎵

僭越なこと言ってたら、すみません🙇💦
返信する
Unknown (uparupapapa)
2021-03-16 17:37:47
snowdrop 様

こんにちは😃

私の描く退助がワンパターンと悩む理由。
どうしても女性問題を弄ってしまう事。

他に話題は無いのか?

実はいくつかのパターンを考えてはいました。
でも、これから登場させようと思っている史実。
それはまさに、女性問題にあります。
退助の偉業を考えると、これほどの人物が、
大河ドラマや時代劇の主人公になれなかった訳がそこにあります。
これから新たな妻をふたりと、沢山の子供たちをサラリと
登場させます。(あまり深くは描きません。)
その前段に退助の女性癖を(人間性の一部として)
紹介しておく必要があり、妻たちの警戒もその一点にあるとの
伏線が大切なのです。
本当なら、幼少期のドジさ加減や、
友達関係をもっと掘り下げ発展させたいところなのですが・・・。
そうした理由から、ワンパターンのエピソードに偏重しがちで
物語が薄っぺらく思えるのです。
また、連載方式だと、どうしても毎回の読者の皆様がどう思われるか
そこに意識が向いてしまい、冒険が難しくなります。
もっと大胆に描きたい。
残り少ない今後の課題です。

そういった事情からも(何度も言わせてもらいますが)
snowdrop 様の励ましのコメントは、とても貴重で
支えになっています。

私も今後のsnowdrop様にとって、
そうした立場の応援者になりたいと
心から思っています。

料理のレパートリーを増やす如く、
会話やギャグやエピソードの引き出しを増やして
自在に披露できる人を目指してお互い頑張りましょう♪

いつもありがとうございます😊
返信する
Unknown (snowdrop)
2021-03-16 21:58:15
こんばんは😆

uparupapapaさん
ありがとうございます🎵🌸✨🌷
応援、励まし嬉しく思います(*´ω`*)


板垣退助の話、なるほどね〜🎵
引き続き楽しみにしてますね😆👍🌸✨🎵


このコメには返信不要です😉🌸
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