「支持政党なし」「支持なし」。
どの政党も支持できない、という意味で広く使われている言葉だ。
しかし、ご存じだろうか。
7月10日投開票の参院選で、投票用紙にそう書くと、
ある政治団体に投票してしまうことを。
その政治団体の名は、「支持政党なし」(略称:支持なし)。
今回の参院選では、比例区(全国)と、
5選挙区(北海道・東京・神奈川・大阪・熊本)に候補者を出している。
ネットなどでは「勘違いする」と物議をかもしており、
「間違って投票しないように」注意を呼びかける声が出ている。
【BuzzFeed Japan / 渡辺一樹】
そもそも、どんな団体?
総務省の資料によると、団体の本部は東京都大田区にあり、
佐野秀光という人物が代表をつとめている。
代表の佐野氏は、2009年の衆院選・比例代表北海道ブロックに
「新党本質」という団体で立候補し、7399票に終わった。
2010年の参院選・東京選挙区では、3662票。
2012年の衆院選東京4区では、2603票だった。
当選には程遠い票数だ。
.
「支持なし」で大躍進、当選の可能性も
ところが、「支持政党なし」として出た、
2014年の衆院選・比例代表北海道ブロックでは、
10万票を獲得した。
これは、公明党のおよそ3分の1、社民党の倍という数だ。
得票率は4.19%。定数8の北海道ブロックでは議席を確保できなかったが、
全国区でこの得票率を再現できれば、話は変わってくる。
今回の参院選に、「支持政党なし」は比例代表で2人、
選挙区(北海道、東京、神奈川、大阪、熊本)で8人の立候補者を出している。
参院選の比例区は全国区で、定数が48もある。
仮に得票率が2%を超えた場合、議席を確保できる可能性が出てくる。
2010年の参院選比例区、社民党は3.84%の得票率で、2議席を得た。
.
【参院選】「支持政党なし」は政党名です←こんな名前ってあり?
政治団体「支持政党なし」の公式サイトに掲載されている説明
「支持政党なし」の政策とは
「支持政党なし」は公式サイトで、
「現在の日本の選挙制度では、
支持する政党及び候補者がないとしても支持政党なし、
該当者なしという選択肢がない」ことから、
支持政党がない人の受け皿を目指すと主張している。
公式サイトには「政策一切なし」と書いてある。
当選した場合、法案ごとに支持者に賛否を聞き、
その結果に沿って行動するとしている。
問題はないのか?
問題は、「支持政党なし」「支持なし」と書かれた投票のうち、
どれだけが「『支持政党なし』という政党に投票したい」
という考えで投じられた票なのかわからない、という点だ。
「支持政党なし」という政党の存在を知らず、
勘違いや棄権票の意味として、投票する人も少なくないとみられる。
はたして「支持政党なし」を政党名(団体名)とするのは、適切なのか。
総務省に問い合わせたところ、
「公職選挙法上の問題はない」という回答があった。
だが、ネット上では「無党派の人が間違えて投票する可能性も」など、
注意を呼びかける声が後を絶たない。
後から「そんなつもりではなかった」という人が続出しなければいいが……。
-BuzzFeed Japan 6月29日(水)17時0分配信-
東京都に住んでいると最近
公設選挙掲示板に見慣れぬポスターが数枚連続で貼ってあるのを目にする。
それは候補者の名前も、写真も無い。
ただ大きな目立つ文字で
「選挙区『支持政党なし』公認候補者へ 検索」とあり、
続けて太字で「政策一切なし」のタイトル。
そして「政策一切なし」▷「各法案一つづつ皆様には議決に参加していただく」▷
「賛成多数なら賛成」▷「反対多数なら反対」▷
「皆様の使者として議決権を行使しに行くだけ」と続き、
ポスター下段に「この選択肢が欲しくありませんか」☞比例代表の投票用紙の図。
更に「比例代表も略称は支持なし」、
「ズバリ党名が『支持政党なし』」と記載され、
最後に「法案の採決にネット、スマホからあなたも参加できる」、
「党サイト上で賛否参加システム導入予定」、「『支持政党なし』検索⇨」、
そしてPC、スマホの図が描かれている。
-http://image.search.yahoo.co.jp/search?rkf=2&ei=UTF-8&p=%E6%94%AF%E6%8C%81%E6%94%BF%E5%85%9A%E3%81%AA%E3%81%97+%E3%83%9D%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC#mode%3Ddetail%26index%3D1%26st%3D0-
一度『支持政党なしポスター』で検索して
実物のポスター写真を確かめてみてほしい。
遠目で見たとき、一見して政党名とは受け取れない。
ただ有権者に支持政党な無いのなら、
支持政党なしと投票用紙に書いてみたら?
と呼びかけているだけに見える。
ポスターをじっくり読んでみて初めて『支持政党なし』
という届け出された政党の名なのだとおぼろげに理解できるかも?
という代物だ。
うっかりしていたら、政党名ではなく、
その意思を書いただけなのに投票即、
『支持政党なし』という党に投票したことになるのだ。
選挙ポスター掲示板に連番で貼るために狙った
巧妙な立候補届け出を仕組み、
極めて目立つデザインと配置で有権者を騙す手法がとられている。
手法そのものは、ぎりぎり詐欺とは呼べないかもしれないが、
ポスターのデザイン、配置、計算された文言を見たとき、
有権者の誤解を呼び込むことを意図し、
狙った行為と非難されても仕方ない手法を取っている。
そんな姑息な政党だが驚いたことに、今回の参議院選挙では、
実際に2人が比例代表全国区に立候補しているほか、
東京以外にも北海道、神奈川、大阪、熊本の3選挙区でも
候補者を擁立しているという。
政治的思想・立場は、電子的直接民主主義と主張し、
2013年7月1日 に成立した新しい政党である。
一切の政策を持たず、政見を持たない代議員を
国会に送り込むというのは如何なものか。
政党交付金や議員報酬と政治資金の使途などが取りざたされる今、
新たな問題児が出てきたと思わざるを得ない。
ネットによる政策決定なら、国政調査権も有権者からの陳情も必要なくなる。
もし一定の議席の獲得に成功したなら、
代表質問は?独自の法案提出はどうする?
もし政権獲得したなら、政策立案はどうする?
代議士は人であり、国民の代表であるその人が
どのように考え、行動するのかが有権者の判断基準であり
求められるすべてである。
しかも意思決定がその都度電子的な投票では、
『支持政党なし』に投票した人以外にも
その後の意思決定に投票する機会が生じ、
『支持政党なし』に投票した人が参加する党の意思決定とは呼べなくなる。
選挙戦の詐欺的手法と云い、政策意思の決定法と云い、
極めてお粗末で悪質な政党である。
ネット上で注意を呼びかける声が多いが、
新聞やテレビなど、マスコミでも大きく取り上げ、
たくさんの有権者に周知してほしいと思うオヤジが一句。
悔しいが 私も危うく 騙される
お粗末。
どの政党も支持できない、という意味で広く使われている言葉だ。
しかし、ご存じだろうか。
7月10日投開票の参院選で、投票用紙にそう書くと、
ある政治団体に投票してしまうことを。
その政治団体の名は、「支持政党なし」(略称:支持なし)。
今回の参院選では、比例区(全国)と、
5選挙区(北海道・東京・神奈川・大阪・熊本)に候補者を出している。
ネットなどでは「勘違いする」と物議をかもしており、
「間違って投票しないように」注意を呼びかける声が出ている。
【BuzzFeed Japan / 渡辺一樹】
そもそも、どんな団体?
総務省の資料によると、団体の本部は東京都大田区にあり、
佐野秀光という人物が代表をつとめている。
代表の佐野氏は、2009年の衆院選・比例代表北海道ブロックに
「新党本質」という団体で立候補し、7399票に終わった。
2010年の参院選・東京選挙区では、3662票。
2012年の衆院選東京4区では、2603票だった。
当選には程遠い票数だ。
.
「支持なし」で大躍進、当選の可能性も
ところが、「支持政党なし」として出た、
2014年の衆院選・比例代表北海道ブロックでは、
10万票を獲得した。
これは、公明党のおよそ3分の1、社民党の倍という数だ。
得票率は4.19%。定数8の北海道ブロックでは議席を確保できなかったが、
全国区でこの得票率を再現できれば、話は変わってくる。
今回の参院選に、「支持政党なし」は比例代表で2人、
選挙区(北海道、東京、神奈川、大阪、熊本)で8人の立候補者を出している。
参院選の比例区は全国区で、定数が48もある。
仮に得票率が2%を超えた場合、議席を確保できる可能性が出てくる。
2010年の参院選比例区、社民党は3.84%の得票率で、2議席を得た。
.
【参院選】「支持政党なし」は政党名です←こんな名前ってあり?
政治団体「支持政党なし」の公式サイトに掲載されている説明
「支持政党なし」の政策とは
「支持政党なし」は公式サイトで、
「現在の日本の選挙制度では、
支持する政党及び候補者がないとしても支持政党なし、
該当者なしという選択肢がない」ことから、
支持政党がない人の受け皿を目指すと主張している。
公式サイトには「政策一切なし」と書いてある。
当選した場合、法案ごとに支持者に賛否を聞き、
その結果に沿って行動するとしている。
問題はないのか?
問題は、「支持政党なし」「支持なし」と書かれた投票のうち、
どれだけが「『支持政党なし』という政党に投票したい」
という考えで投じられた票なのかわからない、という点だ。
「支持政党なし」という政党の存在を知らず、
勘違いや棄権票の意味として、投票する人も少なくないとみられる。
はたして「支持政党なし」を政党名(団体名)とするのは、適切なのか。
総務省に問い合わせたところ、
「公職選挙法上の問題はない」という回答があった。
だが、ネット上では「無党派の人が間違えて投票する可能性も」など、
注意を呼びかける声が後を絶たない。
後から「そんなつもりではなかった」という人が続出しなければいいが……。
-BuzzFeed Japan 6月29日(水)17時0分配信-
東京都に住んでいると最近
公設選挙掲示板に見慣れぬポスターが数枚連続で貼ってあるのを目にする。
それは候補者の名前も、写真も無い。
ただ大きな目立つ文字で
「選挙区『支持政党なし』公認候補者へ 検索」とあり、
続けて太字で「政策一切なし」のタイトル。
そして「政策一切なし」▷「各法案一つづつ皆様には議決に参加していただく」▷
「賛成多数なら賛成」▷「反対多数なら反対」▷
「皆様の使者として議決権を行使しに行くだけ」と続き、
ポスター下段に「この選択肢が欲しくありませんか」☞比例代表の投票用紙の図。
更に「比例代表も略称は支持なし」、
「ズバリ党名が『支持政党なし』」と記載され、
最後に「法案の採決にネット、スマホからあなたも参加できる」、
「党サイト上で賛否参加システム導入予定」、「『支持政党なし』検索⇨」、
そしてPC、スマホの図が描かれている。
-http://image.search.yahoo.co.jp/search?rkf=2&ei=UTF-8&p=%E6%94%AF%E6%8C%81%E6%94%BF%E5%85%9A%E3%81%AA%E3%81%97+%E3%83%9D%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC#mode%3Ddetail%26index%3D1%26st%3D0-
一度『支持政党なしポスター』で検索して
実物のポスター写真を確かめてみてほしい。
遠目で見たとき、一見して政党名とは受け取れない。
ただ有権者に支持政党な無いのなら、
支持政党なしと投票用紙に書いてみたら?
と呼びかけているだけに見える。
ポスターをじっくり読んでみて初めて『支持政党なし』
という届け出された政党の名なのだとおぼろげに理解できるかも?
という代物だ。
うっかりしていたら、政党名ではなく、
その意思を書いただけなのに投票即、
『支持政党なし』という党に投票したことになるのだ。
選挙ポスター掲示板に連番で貼るために狙った
巧妙な立候補届け出を仕組み、
極めて目立つデザインと配置で有権者を騙す手法がとられている。
手法そのものは、ぎりぎり詐欺とは呼べないかもしれないが、
ポスターのデザイン、配置、計算された文言を見たとき、
有権者の誤解を呼び込むことを意図し、
狙った行為と非難されても仕方ない手法を取っている。
そんな姑息な政党だが驚いたことに、今回の参議院選挙では、
実際に2人が比例代表全国区に立候補しているほか、
東京以外にも北海道、神奈川、大阪、熊本の3選挙区でも
候補者を擁立しているという。
政治的思想・立場は、電子的直接民主主義と主張し、
2013年7月1日 に成立した新しい政党である。
一切の政策を持たず、政見を持たない代議員を
国会に送り込むというのは如何なものか。
政党交付金や議員報酬と政治資金の使途などが取りざたされる今、
新たな問題児が出てきたと思わざるを得ない。
ネットによる政策決定なら、国政調査権も有権者からの陳情も必要なくなる。
もし一定の議席の獲得に成功したなら、
代表質問は?独自の法案提出はどうする?
もし政権獲得したなら、政策立案はどうする?
代議士は人であり、国民の代表であるその人が
どのように考え、行動するのかが有権者の判断基準であり
求められるすべてである。
しかも意思決定がその都度電子的な投票では、
『支持政党なし』に投票した人以外にも
その後の意思決定に投票する機会が生じ、
『支持政党なし』に投票した人が参加する党の意思決定とは呼べなくなる。
選挙戦の詐欺的手法と云い、政策意思の決定法と云い、
極めてお粗末で悪質な政党である。
ネット上で注意を呼びかける声が多いが、
新聞やテレビなど、マスコミでも大きく取り上げ、
たくさんの有権者に周知してほしいと思うオヤジが一句。
悔しいが 私も危うく 騙される
お粗末。