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これが、家に残っている最後の写真
ろ~るは7月の後半から、また食べなくなった
お腹のしこりが原因なのか
糸が残っているのか、わからなかった
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真夏、エアコンの効いた部屋で、小僧のぬくもりを
求めて寝ている ろ~る
父ちゃんも、母ちゃんも 時間が許す限り 膝に乗せた
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病院には連れていかない
と決めていたのに
私の心がぐらついた
「まだなにかできるかもしれない」
私は病院に連れて行ってしまった
これが、弱っていた ろ~るに止めを刺してしまった
8月20日 朝、早い時間に、病院から電話がきた
「すぐに迎えに来てください」
ろ~る は昏睡していた
驚いた私は叫んだ
「昨日まで歩いていたのに!」
獣医はまた、バリウム検査をしていた
この検査に耐える力はもう、残っていなかった
レントゲンの画像に糸が映っていたが、腸はしっかり
開いていた
乳がんは、数箇所あったが、転移はしていなかった
でも、もうどうすることもできない
「点滴だけで生きています」
獣医は言った
私は、ろ~るを連れて帰った
大好きなベットに入れ、膝に乗せた
30分後、数回 ろ~るは 咳をした
そして、大きく、ゆっくり、のんびりと 伸びをした
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動物を飼う場合、最初に考えなくてはならないことは
終末期の動物の治療をどこまでするのかということだ
自然死させるのか
安楽死にするのか
高度治療を受けさせるのか
私は、私の気持ちの ぐらつきで、ろ~るに
余計な、恐怖、痛み、苦しみ、悲しみを 与えてしまった
病院で昏睡した ろ~る は 怖い思いの中で昏睡した
家に帰れたことが、わかったのか、私にはわからない
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4年半
ろ~るは 私たち親子、家族を見守り
今も 庭の片隅で
見守ってくれている