同窓会の受付を済まし、会場に入る
結構席は埋まっていた
どこに座ろうかと、キョロキョロしていた私に、突然抱きついてきたオンナがいた
「がああこぉぉぉ よかったぁ 来てくれて。私中学の時の友達少なかったから
があこ 来ないと 誰とも話しできないと思ってた」
思い出せない・・・
でも、エキセントリックにしゃべり続けるオンナ なんか 覚えている
1回目の 「のけぞり」
「げっ イチゴだ」
イチゴとは小学6年と中1で同じクラスだった
小学校のときは、特に問題はなかった(ワタシ的に)
中学になると少し違う。思春期だし
イチゴは、いつも面白いことをしゃべり続け、笑わせるのが上手な楽しい子だった
テンションが高いときは好きだった
しかし、突然、急降下で落ち込むことがあった
さっきまで、大騒ぎしてたのに、突然の不機嫌と硬直
同じグループにいた私は、いつもハラハラドキドキしていなくてはならなかった
理由がまったくわからなかった
中2以降同じクラスにならず、正直ホッとした
高校は別々で
一度だけ、小6のクラス会があった
イチゴは 豹柄のパンツスーツで現れた
本気でプロを目指し、ガールズバンドを組んでいた
20半ば
夜、自転車で家路を急ぐ私の後ろから、私の名前を呼ぶオンナの声が聞こえた
車が横付けされ、ウインドが開くと イチゴが顔を出していた
相変わらずのハイテンションボイス
「があこ。私 今度結婚するの! この人この人」
イチゴは運転席の男性を指差した
突然の事で、動揺した私は、男性に会釈して
「おめでとう」と言った
「ありがと~」イチゴはそのまま走り去り、状況が呑み込めない私は取り残された
20代後半
イチゴから電話があった
頼まれごとだった
「今ねぇ 私、カメラマンと一緒に暮らしてるの。彼がねぇロケ場所悩んでて・・」
「あれっ。あの時の人?」
「ううん。離婚したの。今は違う人と暮らしてて、入籍はまだなの。いろいろあるからねぇ」
まだ一度も結婚していない私には、かなり 辛い 話だった
結局イチゴの頼まれごとの解決をしてやれず
そのまま 20年の月日が流れた
世の中に 自称小説家 ミュージシャン アーティストはたくさんいる
イチゴは、20代後半で、写真家を目指し、プロに弟子入りし、そのプロカメラマンと結婚していた
そして イチゴもプロカメラマンになっていた
幹事さんの計らいで 、イチゴの作品の展示ブースが作られていた
本が4冊並んでいた
それを見て
私は のけぞった (2回目)
小栗旬の写真集 2冊
こんまりさん収納本 1冊
イチゴ自著のフォトエッセイ 1冊
イチゴは 本物の いや かなり有名な 写真家になり
さらに、著述家になっていた
「私の20年は 言葉で説明しづらいからサイトを見てほしい」
帰宅後、イチゴの名前で検索した
のけぞった (3回目)
イチゴは写真家だけでなく
魔法使いになっていた
ちなみに イチゴは アーティスト名で 本名ではない
ここまで書いて、ふと立ち止まるワタシ
私は イチゴが好きなのか嫌いなのか
憧憬と嫉妬
オンナ心は 複雑です
同窓会のイチゴは静かな観察者になっていた
ワタシにメアドを教えてほしいと、手帳を渡した
私はこそこそ メアドを書き込んだ
四日たっても メールがこない
いつもこうだ
私の心に小さな小石を投げっぱなしにするオンナ(ワタシ的で、本人は気づかない)
オフシャルサイトを通してメールを送った
「聞いておいて、連絡なしはないだろう プンプン」
すぐに返事がきた
「ごめん~ 近いうちに会いたいよ」
私は イチゴと 会うことになるのかな
※ やり方がわからないので、イチゴのサイトは コピペで見てください