ブロックの駆け引き（その４）・・・・身長差と最高到達点のからくり

はじめに
昨日までの記事で、通常のブロックについてお話し、そのブロックの特徴についてお話しました。この通常ブロックは、トスが上がった位置にサッとブロッカーが移動し、ここで体勢を整え、その場からスタンディングジャンプ（その場に立った状態でジャンプ）でブロックに行くというものです。

この方法でブロックに行った場合、ブロッカーとアッカーの打点がほぼ同じくらいであれば精度の高い有効なブロックとなります。
しかし、元々の身長が２０ｃｍ前後の差があるということになると話はちょっと厄介になります。

例えば身長１ｍ７０ｃｍ台のブロッカーが身長１ｍ９０ｃｍ台のアタッカーに挑むときのハンディーは２０ｃｍであると思っていたら大間違いで、実際のプレーでは２．５倍～３倍（５０ｃｍ～６０ｃｍ）以上の差がつくということを覚悟しなければなりません。

今日から２回に分け、その話をさせていただきます。
実際の試合でブロックを有効に機能させるにはこのことを理解した上で、アタッカーとブロッカーの力関係を考慮したブロックの駆け引きをしていくことが重要だと思うのです。

身長差と最高到達点の差のイメージ
下図を見て下さい。
これは、説明用として作ったもので、当時の資料に基づくものではありませんが、１ｍ７０ｃｍの選手と１ｍ９０ｃｍの選手が身長に対する同じ割合でジャンプし腕を伸ばしたら到達点ではどのくらいの差が出るのかということをイメージできるように作成した図です。

一番左に１ｍ７０ｃｍ（オレンジシャツ）と１ｍ９０ｃｍの選手を立たせました。
身長差２０ｃｍです。
しかし、よく見て下さい。両選手とも両手を上に上げ、万歳のポーズをしていますが、手を伸ばした時の高さはオレンジシャツの選手は２ｍ１０ｃｍ、青シャツの選手は２ｍ３３ｃｍということでその差が２３ｃｍとなります。

その右側の図は、１７０ｃｍの選手がスタンディングで７０ｃｍジャンプし２ｍ８０ｃｍに手が到達したのと同じ割合で１ｍ９０ｃｍの選手がスタンディングジャンプすると７８ｃｍジャンプすることとなり、その到達点は３ｍ１１ｃｍとなるということを表示しています。
青シャツの選手の到達点は、オレンジシャツの１７０ｃｍ選手より３１ｃｍも高いということになります。

最後にアタックをするのと同じようにランニングジャンプして右手のみ振り上げますと、オレンジシャツの選手が８０ｃｍのジャンプをして最高到達３ｍ０５ｃｍになるのに対し、青シャツの選手は３ｍ４０ｃｍということになります。
その差は３５ｃｍに広がるのです。

以上です。
本日の話では、身長差２０ｃｍと言えども、ジャンプの仕方、腕の上げ方によって、最高到達点が変わるということが御理解いただけたと思います。
しかし、実際の試合ではもっと深刻な状況が生じます。
その話は、明日の記事でアップさせていただきます。

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