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インマヌエル宇都宮基督教会牧師 山田 隆・勢津子
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牧師・三浦綾子読書会(要約)教会

2017年09月14日 04時49分20秒 | メッセージ
・新しい来会者のための祈り
「道ありき」(26)pp173-174
「前川正は、わたしを毎日のように見舞いに来た。見舞いに来ることのできない時は、手紙をよこした。それだけでじゅうぶんに、療友たちは彼の真実に打たれていたのだ。主婦が病気になって1年もたつと、たいていは離婚話が起き、そのことで女たちは、どんなに泣いたかわからない。たとえ離婚までの話にならなくても、夫が妻を見舞うことなど、ほとんどなくなる。恋人たちにしても同じである。その部屋には、病気になったばかりに、恋人に捨てられた女性が二人いた。だから、この真実な前川正の姿は、彼女たちにとって希望を抱かせてくれる大きな存在でもあったのである。(世には不誠実な男ばかりではない。自分もいつかあんな人が現われるかもしれない。)もうひとつ、前川正が敬愛の情を持ってみられた理由があった。それは、ある患者のところに来る恋人が、いくど病院に来てもだれにも挨拶せず二人だけで話をし、前述したように真昼から同衾する。それにひきかえ、前川正は尋ねてくると、「皆さんいかがですか。今日は寒いですね」と挨拶した。帰る時には、「皆さんお大事に。何か街から買ってくる用事があればおっしゃってください」と言葉をかける。