メンバー I堀・A坂・ゲストO島
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【Day1 10/3】
行動時間 8:30登山口 - 10:00入渓 - 11:40最後の二俣 - 11:453m滝 - 12:15ゴルジュ出口の10m滝 - 13:50テンバ
移動距離 7.8km 標高差 +840m -420m
10月に入り秋晴れが続いていたが、なぜか土日の天気は思わしくない。
雨の沢登りはゴメンだったため、天気のよさそうな谷川の湯檜曾本谷はどうかと提案するとA坂くんから「遠い。」とのワガママが!
直前まで迷いに迷ったが、天気が崩れるのは日曜日の午後からという予報になったため決行した。
初日、米沢でゲストのO島さんと合流しさらに寒河江SAでA坂くんと合流する。
両名とも合流ポイントには1時間かからないとのことだが、いわきからだと遠くてしんどい。
月山湖から朝日鉱泉へ向かうが、2車線の快適な道路が続き小1時間ほどで朝日鉱泉に到着することができた。
岩魚止沢は2年前に会長のN田さんと遡行しているが、ほとんどお客さん状態だった。
今回自分の力でどれだけできるか緊張と楽しみでドキドキしながら装備を整え出発する。
旅の始まり
入渓地点までは沢沿いの登山道を歩く。4キロほどだがアップダウンがあるため1時間ちょっとかかってしまった。
行きはまだいいが緊張がゆるむ帰りがキツイ道である。
入渓地点は出合いとなっており、左俣の本流を遡行する。いきなりゴルジュ地形となるが側壁は低く簡単にまく。
そこから上は二俣までほぼ河原歩き。1か所巻きが必要だが簡単。最後の二俣までは2時間かからず到着することができた。
最初の出合いの滝、簡単にまける
初日はここからが本番である。二俣から10分ほどで5mのハング滝が現れる。左の岩壁を登るがホールドが乏しく脆い。
慎重にスタンスを決めてクリアーしたが、A坂くんは水流左をスルスルっと登ってしまった。登攀ラインを見極める目はさすがである。
滝上はゴーロ状になってきて、10分ほど遡行すると10mのトイ状滝が現れる。ここは2年前にギブアップしてN田さんに先行してもらった滝だ。
直登は無理なので左の泥壁を登るが、傾斜があり嫌らしい。しかし、草が抜けないか慎重に行くと、なぜか苦戦することなく登れてしまった。
少しは成長しているのかと実感。
滝の始まり。水流左が簡単 トイ状滝。左の泥壁を登る
この上はゴルジュになり出口は90°右へ曲がってツルツルの滝がかかっている。
頑張れば滝の右脇を行けそうだが、支点が取れそうもないので安全策でまく。なぜかA坂くんがロープを出し、I堀が登ることになる。
凹状の泥壁だったが灌木が近くになり恐怖感はなかった。傾斜が緩んでトラバースができそうな高さまで登り、ビレイして2人に登ってきてもらう。
が、どうもA坂くんの考えていたルートではなかったようで、「懸垂でいったん戻ろう。」とか言ってくる。
当然のように却下し、トラバース&懸垂下降で沢に戻った。懸垂は30mロープでちょうど。
懸垂ポイントを見つけたO島さんの観察眼の鋭さが光った懸垂だった。
ゴルジュ出口のツルツル滝 なぜかA坂がビレイ 懸垂で沢に戻る
懸垂先にはまたまた滝が。幅広ハング滝でこれも直登は無理。
ラバーソールのフリクションに任せて左壁を登るが傾斜がありフェルトでは厳しそう。最後は草付き&灌木で巻き上がった。
懸垂直後の滝 下部の左壁を登るが傾斜に注意
さらに10分ほど遡行するとこの日最後の滝が現れる。滝に取りつくにはどうしても濡れなければならず、この時期に濡れるのはカンベン。
ということで左岸に伸びるリッジから快適にまいた。
初日の最後の滝
この最後の滝を越えて少し行くと沢が開けて広河原になる。その先には古典的な滝と表現される滝が落ちている。
ロケーション抜群の今日のテンバだ。左岸を大工事して寝床を作り、焚火を盛大に起こす。一息ついたのは午後3時ごろ、ここからが泊りの醍醐味だ。
焚火での豪快な焼肉&酒、酒は日本酒・ビール・ウイスキーにサワーとなんでもござれ。〆にはうどんをいただき消費エネルギー以上に食べてしまった。
心配した天気も夜には晴れ間が見えるほどで、快適で楽しい一夜をすごせたのであった。
テンバに到着 テンバ適地は少ない 焚火で焼肉
【Day2 10/4】
行動時間 7:00テンバ出発 - 8:00岩魚止沢出合 - 10:40大朝日岳山頂 - 13:00入渓地点 - 14:20登山口
2日目は暗いうちから起床し焚火をおこす。曇り空のおかげか冷え込まずにはすんだが、焚火があるとやはり暖かい。
今日の行程は長いので早出したいのだが、2人は焚火が安定してから起きてきた。なんというあざとさ!
朝から高巻き
今日はいきなり滝のまきから始まる。古典的な滝と表現されるいかにも滝!という感じの滝だ。
見ると小さく巻けそうだが、上部の草付きがいやらしい感じだったので大き目に巻く。すぐ上にもトイ状滝があったので一緒に巻いた。
滝上はナメの小滝やゴーロになり10分ほど歩くと20m滝が行く手をはばむ。しかし、右壁が階段状になっておりフリーで登る。
落ち口あたりがのっぺりしており嫌らしい。この滝の上から側壁が切り立って深い谷状になる。
雪渓が残っていれば相当厄介な遡行になるだろうが、そんな心配のない今時期は快適そのもの。
滝上のナメ 20m滝の登攀 20m滝の落ち口から 20m滝の上の様子
10mの滝を左壁から簡単に越えると、深い谷の中のゴーロを岩魚止沢までひたすら歩く。
気が付けばまっすぐ伸びる沢の先に稜線の鞍部が見えるようになっていた。稜線は見事に紅葉している。曇り空なのが残念だ。
ゴルジュの中のゴーロ
遡行開始から1時間ほどで深い谷に絶望的なCS6m滝が現れる。両岸はかなり立っており巻くのはかなり厳しい。
が、実はこの滝のすぐ手前の左岸から合流している沢が岩魚止沢でありこのCS滝は登らなくて大丈夫。これを登るのはかなり技術が要求されそうだ。
CS滝手前の岩魚止沢 グズグズなのでお助けロープ
出合いは滝となっており、この岩が脆い。岩が動かないか慎重に確認しながら越えると50mという大滝が姿を現す。
水量が少ないため威圧感はないが、開けた沢にドーンと構える大滝は迫力十分だ。
大滝は傾斜のゆるい左壁からフリーで取りつく。
取りつきから半分ぐらいまではザレザレで落石・滑落注意だが、後半半分は岩がしっかりしておりラバーのフリクションで快適に登っていける。
下をのぞくとすごい高度感だ。
50m大滝 大滝上部を登る
大滝を登ると両岸の高さも落ち着き、小滝が連続して高度を稼ぐ。ここからヌメリが出るようになりスリップに注意しなければいけない。
1か所だけ直登できないCS滝があるが簡単に巻ける。
小滝が連続する 悪く見えるが簡単 どんどん登る
ヌメル滝に気を付けながら高度を上げると、やがて沢は涸れ灌木もなくなり草付きのガレ場を紅葉した稜線を目指して登ることになる。
ふくらはぎが攣りそうなころに出てくる腰くらいのヤブを漕げば山頂から30mほど下の中ツル尾根の登山道に飛び出して遡行終了だ。
沢が涸れる 草付きになれば山頂は近い
山頂はガスがかかっていて展望なし。2年前と同じでガックリ。風も強かったため写真を撮ってササっと退散。
山頂以外は視界があり中ツル尾根はきれいに紅葉していた。大休止して地獄の下りに備える。
山頂にて 帰りの中ツル尾根は紅葉
帰路の中ツル尾根はなかなかの急登。特に入渓地点までのラスト高低差200mは三岩岳なみの急登でヒザにきた。さらにここから4キロの水平移動が待っている。
気合で頑張ったが、途中の「朝日鉱泉まで2キロ」という標識で心が折れて小休止、ヘロヘロになって登山口へと戻った。
岩魚止沢は遡行距離の短さや困難さが少ない滝、明るく開放的な様相と朝日入門の沢といってふさわしい沢だった。
2年前と違い自分の力で登ることができ、ほんの少し自信にもなった。来年はさらにステップアップできるよう精進していきたい。
A坂くん、O島さんこれからもよろしく!
アルバム:大朝日岳・岩魚止沢
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