運命

α、β、Ω3つの存在
生まれながらに運命は出来ている
運命に抗う、従う
私は運命に抗っていく！

「おはよう」
「あぁ、おはよう」
私は薬の投与で何とか平静を保っていられている
でも、辛い時が有る・・・
「真希から今日は良い匂いがするな」
「そおか？いつもと同じだぞ真也」
アイツは鋭い
薬の量を増やすか？そろそろかな・・・
「悪い、頭痛いから保健室行ってくるわ」
「おぅ無理するなよ」

チッ、朝一から保健室に行かないといけないなんて
月に1回はやってくる症状、それを防止する為に保健室はある
Ω専用の保健室だ
俺は見られないように入っていく

「おっそろそろかい？」
「はい、お願いします」
この部屋に入ったとたん甘い匂いに頭が可笑しくなりそうだった
でも、月に1回は苦しさと悲しさとの色々な思いと戦はなくてはいけない
俺はこの感情とずっと付き合ってきた
早く番を捕まえても良かったが『俺は勉強がしたい』
そんな思いから押し隠して生きて来た
アイツは気づいているかも知れないが
俺にだって自由はある
『運命の番』を探したいんだ
俺は運命に抗う・・・