表と影
風と木の葉
リズムと陰影
光は音
眩さと暗部
黒と白
きのうと 今
音の誘い
光の戸惑い
ルフラン・・・・
光の希望
音の躊躇
ルフラン・・・・
桜は散る
雪のように儚く舞う
思い出はめくられる
昔の日の情景
こんなこともあった
夕陽は綺麗だった
風はどこまでも吹いてた
花びらは乱舞した
私は見ていた
ずっと見ていた
あきるを知らなかった
ひらひらと ひらひら
またも ひらひら ひらひら
いちめん雪世界
理恵子は何を思っているのだろう
心の中を旅したい
もしかしたら、こんなことを
私は小躍りする
理恵子には幸せを
溢れんばかりの幸せをあげたい
笑ってる顔を見ていたい
見ていたい
私は音になってもいい
まわりを包んでいたい
為の旋律
そうだ 絵にもなろう
私も見つめる
彼女も見つめる
夢のなかで彼と出会った
彼もこっちを見ていた
何かを表そうとして、手が動いた
よせ、と言っているみたいだった
時間は二人を縮めた
共に向かって歩いた
すれ違う刹那だった
言葉を聞いた
それから先は知らない
初めからなかったのかもしれない
・・・・でも
酔うしかなかった人
さみしい名を私は呼ぶ
ヴァレリーヌ・・・・
夜
乙女は死のうとして、死ねないでいる
死は緩やかに近づく
諦め顔をしながら
音
音は母のように包み込む
夢見るは許された
まぶたを閉じようと
風
吹かれて進む御魂
浄福
光
彼女は光
光に
夜想曲の流れるなかを
一人、回想への旅に出る
いろんな寸劇が現れる
観客のいないというに
夢幻への道なき道
対立を失った対蹠物
疲れたという表象
本当の世界
ああ、その時知る
そうなるのは、わかっていたと
永遠の反復
光を知らない世界から
誰かが、こつこつと歩いて来る
もう一人の自分が
どこまで続くやの、コヒマへの道
知る人は知る、亡霊達の道
暗闇には点々と物光る
鬼火がそこかしこと、人照らす
多くの人が辿った道
夢を見ようとした人、風に追われた人
みんな運命ゆえ、流された
語られざる言葉のみ増えた
見ゆるような気がする
心を郷里に置いてきた、いくさびと
もぬけを引きずって
呆けた風は、慰めとなる
忘却が救いになる
あとは、何もない
予言の鳥は、何を言わんとするのだろう
飛翔しやまない心を持って
私と私をつなぐもの
見えない何かに、語りかけるもの
そう、ア・プリオリの世界から来て
それを知らせるかのように羽ばたく
追う先には空漠
だけど、続けと言っている
さあ、時が来た
ためらう事はない
その為の一歩は、用意していた
宙を横切る線
天空の守護
火の鳥になる
私のなかの旅人はゆく
リーベからオーデンセへとゆく
ようこそ この国へ
花売り娘は言う
誘われるままに ここまで来て
小さな門と向こう側
いつか見た光景
幼い頃に帰る
大地いっぱいの野花
みじかい夏
命はこの時に
優しい光
小鳥のさえずり
人魚もねむる
・・・・そう 綺麗になるの
もっともっと綺麗になるの
若い血がいるの
赤い赤い血が欲しいの
・・・・彼は私を裏切った
すべての近付く女を裏切った
ほっとけばいいの
悪魔の餌食になるまでは
・・・・風は運ぶのよ
私にみやげを持って来るの
よごれない笑顔が待っているの
・・・・私は幸せ
だって歳を取らないもの
時間の方が逃げてくの
少年モーツァルトは見ていた
目の前の光
まばゆいばかりの乙女
そう、マリーアントワネットを
彼は彼女に恋をした
よせる想いの純真さ
ともに笑った
彼女もうなずいた
何かを語りあったのだろう
二人しか知らない
二人の秘密
あるいは、こんなことを
・・・・僕のお嫁さんにするよ
頬は染まった
音が私を誘う
歩いて来いよと言っている
私は上を向く
かすかな希望を胸にする
ヴァイオリンから、音は生まれる
五線を飛びはねて踊る
自由の素晴らしさ
それらは天使だった
こぼれるばかりの笑顔
すべては、ここにある
人に慰めと勇気を
彼方から彼方へ
続く、果てなき彼方へと
ともに旅を
私は思っていた
理恵子は永遠だと思っていた
だけど、そうではなかった
あまりにも辛い
夢を見ていた
幻をさ迷っていた
理恵子だけが真実に思えた
心はそうだった
声のしない理恵子に
振り向かない理恵子に
ありがとうとしか、言えないのか
私の中の理恵子は
もう、笑わなくなった
とうとう、きえた