イブとヘレン （自作詩）

彷彿たる泉
清涼なる清らかさ
そこにいるはイブ
原子の女性　きらびやかに

まわりを囲むはニンフ
有形無形の天使たち
待ちゆく危険あれど
そうなるは　その為と　口結ぶ　

ああ　なれど慈愛
智慧の果実熟れるごと
ヘレンは涙を流す

教えずんば然り
けだし地上のこと
黙して黙して　せめての光

影絵 （自作詩）

悲しい顔した女がいる
うつむいては　うなだれ　躓き
遠き果てを見ては
溜息　なおもする

忘れようとした事の多さに
躓き転び
世間は嘲笑
天空は語らない

せめての救いと
残り香に縋れど
虚しさのみ増す

一人遊びに慣れたころ
追憶は真実を語った
すべて　影絵だった　と

天空のタランティズム （自作詩）

雪降る夜明け
遠き山も霞む
朝日昇れど
集うは悲しきもの

数多の日の光
プリズムの庭
粒子は踊る
彼の霊達も踊る

古今　過ぎ去れど
亡者の叫喚
行く末を知らず

妄執の渦深く
塵芥の中
叫ぶを　誰に

詩作とは （自作詩）

形容の矛盾をつけば
詩情は凍結する
論理の綾を辿れば
散文と没す

仮象は命を欲す
虚構は手綱
媒体の悲哀
故に巫女

幻　跋扈する
実在然り
すべて現象

ならば暴露
なれど憐憫
なるなら　哀訴