ニュースで知ったが、スキーのジャンプ団体混合で高梨沙羅が1本目を失格した。テレビじゃ彼女の2本目の頑張りに賞賛が集まっているが、私はこの「計測自体」が大いに問題あると思っている。これについて色々考えてみたが、まず失格となった問題点を挙げてみよう(この情報は、あくまで「ひるおび」の放送内容によって考えたものです)。
① ジャンプスーツをやめる
ジャンプスーツはダボダボにすると、「ムササビ効果」で飛距離が半端なく伸びるらしい。「ひるおび」に出演してたオリンピック・メダリスト竹内拓選手の話では、計測の際に「肩を上げる」などして股下の余り部分を規格内の数値に収めるなど、あの手この手で何とかして飛距離を伸ばしたいと考えても不思議はないそうである。それにしても高梨沙羅選手の場合は20着用意していて、コーチが「これを着て」というものを信頼して「黙って着て」飛ぶらしいから、尚更失格という判定は想定外では無いだろうか。
そこで私は、まず問題となっている「スーツの形状」を変更してはどうだろう、と考えてみた。一番のチェック箇所は「股下のムササビ効果」をどうやって測るか、である。飛んでいる時に浮力がついて飛距離が伸びるわけだから、選手は飛行姿勢を取って「その時の股下の余り」を測るのが正しいと思う。ところが、上下がつながっているジャンプスーツの場合、肩を上げるなり何なりして「股下部分を上げ下げ」できるという。これを防止するため「上下のつなぎ目にゴム」を使用し、肩を上げても「ズボンが上がらない」ような形状にするのはどうだろう。
究極はロボコップのように「関節と腹部を、全て伸縮自在のゴム」で覆ったスーツを作るのだ。つまり、股下部分はビキニのパンツ部分のような「何処からも影響受けない形状」にするのがベストである(ちょっとカッコ悪いけど)。これなら計測時と競技時の違いも「最小限」に抑えられる筈だ。そしてこれが一番肝心な事だが、選手が安心して「計測に臨める」ことが大事だろう。計測で失格なんて、何のために今まで4年間努力したのか分からないではないか。
② 全員平等に検査する
スーツの規格チェックが全員ではなく、「ランダムな抜き取り」検査で行われるというのがまず理解できない。どんなに時間がかかろうが、ましてやコストがかかるなどの理由で全員検査しないとしたら「言語道断」である。そもそも競技スポーツの世界で「抜き取り検査」などという、「機械で作っている食品」の検査のような感覚で検査をしているのなら、もう検査などやめた方がいい位だ。この考えは出場する選手を馬鹿にしている。
なぜなら検査の対象にならなかった選手は、違反をしていても「失格にならない」から、その時点で競技は「不平等」になってしまうではないか。不平等な試合で勝ち取った金メダルなど、競技としては「全くの無価値」としか言えない。これは絶対「全員」検査に切り替えるべきである。
③ 検査を「飛ぶ前」に行う
陸上競技や自転車競技など、一般にドーピング検査などは「本来は競技する前」に行うべきものである。だが、これは純粋に医学的な検査だから「多少、時間がかかる」と言われると、しょうがないかなとも思う。それにドーピングの検査だから「競技中に違反薬物が体内にない」ことを証明するのは難しいけど、競技終了後に「体内に残っている」薬物を検出するのは簡単・確実だ、というのは何と無く納得する。しかし、筋肉増強剤などは競技前でも発見できるのだから、前もって検査するというのも「有り得ない話」では無いと思う。
それでもこれは、純粋に医学的な、人的要素を排除した検査の話である。高梨沙羅選手の場合は「太もものサイズ」が、2センチから4センチの間という規格に対して「6センチ」あったというので失格になった。そんな簡単なことなのか?、と私は思ったのだが事実らしい。コメンテイターによればスキースーツの計測などは測る人や測り方によって、ある意味「如何ようにでも」結果が出る、というから大問題なのだ。これはジャンプスーツの形状を変えるしか無いだろうと思う(①を参照)。
それでも、もし計測が「飛ぶ前」に行われていたら、彼女は間違いなく「別のスーツに着替えて」もう一度計測し直してあっさりパスし、悠々飛んで「金メダルを取っていた」であろう。服が違反だというなら、着替えれば済む話である。それをわざわざ「飛んだ後」に測ってもう「どうにもならない時」に失格にするというのは、そもそも運営側のミスであり「とんでもない大失態」、あるいは「意図的に競技を台無しにした」としか考えられない(と私には思えた)。
以上。
競技である以上、時には「失格」も有り得るというのは理解できる。しかし普通に考えれば失格の判定は「競技中の行動」で決まる筈。例えばゴルフでは、使用するクラブは14本と決まっていて、これが1本でも多ければ失格である。まあゴルフは紳士のスポーツと言って、何でも自己申告するのがいいとされているから、実際の試合ではどうなっているかは知らない。が、高梨沙羅の場合は競技そのものでは無く「着ているスーツが規格オーバー」だったということなので、そもそも「競技する資格」がない、という判定のわけだ。何故、ルール上競技資格の無い者を試合に参加させ、ジャンプさせたのか?。私はルールオフィシャルの「試合というもの」に対する考え方に問題がある、と思っている。
どんな競技であれ選手は競技資格のチェックを通過して、初めて参加することが出来るのが常識だ。少なくとも、試合のスタートラインに立った段階で、出場資格チェックは「終わっていなくてはならない」のである。計測をパスした「から」スタートラインに立っているわけだ。それを見て観客は、選手たちを応援する。もし競技が終了してから計測して「着ているスーツが違反だから失格」だなんてことになったら、これが金の絡んだ「競馬や競艇」だった場合「大暴動」が起こって収拾がつかないレベルの「深刻な問題」になっていただろう。競馬の場合は「ノーコンテスト」で払い戻しになると思う。勿論主催者は一切の金が入らないから「大損」である。そもそもやるだけやってから「はい失格」というのでは、競技自体が「成立しない」ではないか。
もしも失格理由が「滑走開始場所を間違えた」のなら理解できる。ゴルフでも「スコア誤記」で失格というのは、ままあることなのだ。しかし「幅や長さが規定以上のスキー板」とか、競技に持ち込む道具の計測は、当然「全員がパスしてる」ものと思って観客は試合を見ているのである。今回のような判定に納得するファンは(全員に聞いてわけではないが)一人もいないだろうと思う。
私の結論は今回の試合をサスペンデッドにし、もう一度日程を調整して「再試合すべき」だと思う。
選手のコメントやネットの意見も、心の中では皆そう思っている筈である。まあ金メダルを取った選手にはちょっと可哀想だと思うが、これは仕方ないだろう。正々堂々ともう一度戦って、もう一度、今度は正真正銘の金メダルを取れば良い。それがスポーツの原点であり、「強いものが勝つ」のだと思う。IOC と FIS が今回の件で「英断して」くれるのを期待したい。
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