LPGAが今年ダイキンオーキッドで開幕戦を迎えた時、これ程ドラマに満ちた面白いツアー最終戦を見せてくれるとは誰が想像できたであろうか・・・なんて、時代がかった言葉を書かなきゃならない位、内容の詰まった濃い試合だった。鈴木愛と申ジエ、それに渋野日向子とペ・ソンウの4人は、ともに来季、更に激しい戦いを繰り広げるのは間違いない(怪我しなければ、だが)。今の所何処も悪くないように見えるのは渋野だけである。来年は東京オリンピック、河本結のアメリカ・ツアー参戦、黄金世代にプラチナ世代の登場、更に厳しさを増すシード争いとQTと、話題は尽きない。来季は史上稀に見る物凄い戦いが女子ツアーで繰り広げられることになる。ゴルフは今、衰退産業だと言う。だが女性で何千万円、いや一億円以上稼げる職業って、プロスポーツで何か他に或るだろうか?(意外とあるかもしれないが、私は知らない)。勿論、実際の収入は、その3倍つまり今年の賞金女王なら1億6千万の3倍の「約5億円」はあるというのが「巷の噂」というか、定説だ。人数は少ないかもしれないが、まさに日本プロスポーツの頂点である。この戦いを見ないで他に何を見ろというのか、と私は思っちゃうのだ(納得!)。ゴルフは決してオワコンではない。
さて、ゴルフを愛する気持ちはちょっと横に置いといて、リコーカップの激闘を振り返ってみよう。最終日、鈴木愛は苦しい状況に立たされていた。渋野もズッとパーが続いて不完全燃焼である。そして申ジエは初バーディーの直後のホールで、まさかの「樹上ロスト」という、信じられない不運に泣いたのである。一方の鈴木愛も苦難の道をひたすら戦っていた。この二人の女王への飽くなき執念を言葉で表すのは難しい。8番ホールまで一進一退だった鈴木が9番から怒涛の3連続バーディを決めて一気に急浮上すると、13、17でもバーディを取り、3位まで駆け上がって渋野にプレッシャーをかける。申ジエもボギー2つの後、9、11とバーディで息を吹き返し、最後は意地の3連続バーディを決め、ようやく憂いを晴らしたのは見事の一言だ。
私はテレビの実況を見ていて、樹上ロストのホールでは、誰か木に登ってボールを探すぐらいはやっても良かったような気もした。規定の3分間は無情にも過ぎて、誰しもここで申ジエの賞金女王への夢が断たれたと感じたに違いない。それほど神様も、冷たく見放したのである。しかも「しょんぼりと歩いて」二打目地点に戻った申ジエの打った4打目は、敢え無くグリーン奥にこぼれて「深いティフトン芝のラフ」の中に沈み込んでしまう。ああ、万事休す!。
しかし、ここからが申ジエの真骨頂である。アメリカで培ったアプローチ技術で何と、チップイン・バーディならぬチップイン・ボギーで上がるという、まさに神技でピンチを切り抜けたのだ!。多分彼女の心のなかに「このチップインを決めたこと」で、無茶苦茶に闘争心が湧き上がってきたのだろうと思う。「誰が何と言おうと、とことんやってやるぜ!」、そう自分に言い聞かせたに違いない(彼女は女だから「やってやるわ」かも・・・)。結局最後は4アンダーで7位タイに終わったが、私は彼女の「言葉だけではない本物の不屈の精神」を間近に見て、決して諦めないというだけでなく、7位に終わった後でも笑顔を絶やさない「人間性」に拍手を贈りたいと思う。申ジエ、これこそスポーツの「負けても清々しく」という心を我々に見せてくれた申ジエ、心から有り難う!
これぞ武士道、これこそが日本人の精神だと舞い上がっていたが(彼女は韓国人だが、まあ良いでしょう)、フィールドではドロドロとした賞金女王への執念が激しく渦巻いていた。というのも鈴木愛が5位に終わったため自力での女王獲得が出来ず、渋野の結果次第でどっちにも転ぶ危うい展開になっていたのだ。スリル満点である。こういう時に「場の空気を読めない」韓国人のペ・ソンウが「スルスルっと」バーディを重ねて5アンダーを積み上げ、合計11アンダーで優勝してしまった。優勝しか無かった渋野は無念の2位タイで終わり、鈴木愛の賞金女王が転がり込んだのである。鈴木は試合後のインタビューでちょっと不満そうな表情を一瞬見せたがすぐに笑顔になり、「嬉しいです」と答えていた。きっと来年こそは、と思っていたのであろう。来年こそ優勝で決めてやる!・・・。恐ろしく負けん気の強い女性である。ちなみに鈴木愛はB型、渋野日向子はAB型、申ジエとぺ・ソンウはA型だそうだ。イ・ボミとキム・ハヌル・と畑岡奈紗もA型らしい。アン・ソンジュと菊池絵理香といった個性派がB型に名を連ねる。ちょっとO型が少ないみたいだがどうなのか、詳しくは次回のこのブログで・・・。
渋野はこの日、今ひとつスコアを伸ばせなかったが、その調子はショットが散ってパットが決まらない「不満タラタラ」のゲームだった。それでも最後の18番でバーディを決めて、本人はやっと納得の表情をした。渋野も鈴木も申ジエも皆んな、本当はもっとやれたのに・・・、と感じていたのでは無いだろうか。もっとできる筈なのにという思いが、多くの選手を人知れず涙させて来た。偶然トントン拍子に勝ってしまうことなぞ「そうそう無い」のがゴルフである。それでも渋野の一年は、素晴らしい一年だった。私は最近雑誌を買って渋野の練習方法など、コーチの青木氏の実話を読んだ。渋野の一年は、地道で過酷な基礎練習をひたすら積み上げるだけの「努力一筋の日々」だったという。一流プレイヤーは一日で成らず、の通りである。右手打ち・左手打ち・頭固定打ち・ウェッジ打ち、すべてインパクトで伸び上がるクセを克服するために何百球も打ち続けるという、青木コーチが渋野に課した地獄の練習である。それが花開いて今季4勝、全英1勝。練習はウソつかない、というのは渋野や鈴木といった「練習の鬼」にこそ言える言葉である。なるほど!。それで私も基礎練習を地道に行うことにした(何を老い先短いボケ老人が、今更練習何かしてどうする!)。
というわけで、来季の女子ゴルフは鈴木・渋野に悲願の申ジエが加わっての賞金女王争いの三つ巴と、それに復活イ・ボミに永久シード目前のアン・ソンジュが本来の力を発揮すれば、史上空前のハイレベルな戦いが待っているはずである。そして黄金世代とプラチナ世代の潰し合いに、ベテラン選手の生き残りをかけた究極のサバイバルな戦いと、見どころは満載だ。しばらくは女子ゴルフ人気が続くと思っていいだろう。ステップアップ・ツアーも楽しそうである。
そういう私も、5月のワールドレディス・サロンパスカップ観戦に向けて調子を整えておくことにしよう。まずは練習、練習あるのみである。
さて、ゴルフを愛する気持ちはちょっと横に置いといて、リコーカップの激闘を振り返ってみよう。最終日、鈴木愛は苦しい状況に立たされていた。渋野もズッとパーが続いて不完全燃焼である。そして申ジエは初バーディーの直後のホールで、まさかの「樹上ロスト」という、信じられない不運に泣いたのである。一方の鈴木愛も苦難の道をひたすら戦っていた。この二人の女王への飽くなき執念を言葉で表すのは難しい。8番ホールまで一進一退だった鈴木が9番から怒涛の3連続バーディを決めて一気に急浮上すると、13、17でもバーディを取り、3位まで駆け上がって渋野にプレッシャーをかける。申ジエもボギー2つの後、9、11とバーディで息を吹き返し、最後は意地の3連続バーディを決め、ようやく憂いを晴らしたのは見事の一言だ。
私はテレビの実況を見ていて、樹上ロストのホールでは、誰か木に登ってボールを探すぐらいはやっても良かったような気もした。規定の3分間は無情にも過ぎて、誰しもここで申ジエの賞金女王への夢が断たれたと感じたに違いない。それほど神様も、冷たく見放したのである。しかも「しょんぼりと歩いて」二打目地点に戻った申ジエの打った4打目は、敢え無くグリーン奥にこぼれて「深いティフトン芝のラフ」の中に沈み込んでしまう。ああ、万事休す!。
しかし、ここからが申ジエの真骨頂である。アメリカで培ったアプローチ技術で何と、チップイン・バーディならぬチップイン・ボギーで上がるという、まさに神技でピンチを切り抜けたのだ!。多分彼女の心のなかに「このチップインを決めたこと」で、無茶苦茶に闘争心が湧き上がってきたのだろうと思う。「誰が何と言おうと、とことんやってやるぜ!」、そう自分に言い聞かせたに違いない(彼女は女だから「やってやるわ」かも・・・)。結局最後は4アンダーで7位タイに終わったが、私は彼女の「言葉だけではない本物の不屈の精神」を間近に見て、決して諦めないというだけでなく、7位に終わった後でも笑顔を絶やさない「人間性」に拍手を贈りたいと思う。申ジエ、これこそスポーツの「負けても清々しく」という心を我々に見せてくれた申ジエ、心から有り難う!
これぞ武士道、これこそが日本人の精神だと舞い上がっていたが(彼女は韓国人だが、まあ良いでしょう)、フィールドではドロドロとした賞金女王への執念が激しく渦巻いていた。というのも鈴木愛が5位に終わったため自力での女王獲得が出来ず、渋野の結果次第でどっちにも転ぶ危うい展開になっていたのだ。スリル満点である。こういう時に「場の空気を読めない」韓国人のペ・ソンウが「スルスルっと」バーディを重ねて5アンダーを積み上げ、合計11アンダーで優勝してしまった。優勝しか無かった渋野は無念の2位タイで終わり、鈴木愛の賞金女王が転がり込んだのである。鈴木は試合後のインタビューでちょっと不満そうな表情を一瞬見せたがすぐに笑顔になり、「嬉しいです」と答えていた。きっと来年こそは、と思っていたのであろう。来年こそ優勝で決めてやる!・・・。恐ろしく負けん気の強い女性である。ちなみに鈴木愛はB型、渋野日向子はAB型、申ジエとぺ・ソンウはA型だそうだ。イ・ボミとキム・ハヌル・と畑岡奈紗もA型らしい。アン・ソンジュと菊池絵理香といった個性派がB型に名を連ねる。ちょっとO型が少ないみたいだがどうなのか、詳しくは次回のこのブログで・・・。
渋野はこの日、今ひとつスコアを伸ばせなかったが、その調子はショットが散ってパットが決まらない「不満タラタラ」のゲームだった。それでも最後の18番でバーディを決めて、本人はやっと納得の表情をした。渋野も鈴木も申ジエも皆んな、本当はもっとやれたのに・・・、と感じていたのでは無いだろうか。もっとできる筈なのにという思いが、多くの選手を人知れず涙させて来た。偶然トントン拍子に勝ってしまうことなぞ「そうそう無い」のがゴルフである。それでも渋野の一年は、素晴らしい一年だった。私は最近雑誌を買って渋野の練習方法など、コーチの青木氏の実話を読んだ。渋野の一年は、地道で過酷な基礎練習をひたすら積み上げるだけの「努力一筋の日々」だったという。一流プレイヤーは一日で成らず、の通りである。右手打ち・左手打ち・頭固定打ち・ウェッジ打ち、すべてインパクトで伸び上がるクセを克服するために何百球も打ち続けるという、青木コーチが渋野に課した地獄の練習である。それが花開いて今季4勝、全英1勝。練習はウソつかない、というのは渋野や鈴木といった「練習の鬼」にこそ言える言葉である。なるほど!。それで私も基礎練習を地道に行うことにした(何を老い先短いボケ老人が、今更練習何かしてどうする!)。
というわけで、来季の女子ゴルフは鈴木・渋野に悲願の申ジエが加わっての賞金女王争いの三つ巴と、それに復活イ・ボミに永久シード目前のアン・ソンジュが本来の力を発揮すれば、史上空前のハイレベルな戦いが待っているはずである。そして黄金世代とプラチナ世代の潰し合いに、ベテラン選手の生き残りをかけた究極のサバイバルな戦いと、見どころは満載だ。しばらくは女子ゴルフ人気が続くと思っていいだろう。ステップアップ・ツアーも楽しそうである。
そういう私も、5月のワールドレディス・サロンパスカップ観戦に向けて調子を整えておくことにしよう。まずは練習、練習あるのみである。
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