栃迫氏は、金融は貧しさから助けを必要としている人のためのものだと
考えている。
その原点は、12年間勤務した東京銀行中南米支店で目の当たりにした
絶対的な貧困にある。
仕事を金だけではない「世のため」であるべきという気持ちを抱き、
勤めていた銀行を辞め、米ワシントンで金融ビジネスを立ち上げた。
貧困の解消という理念の実現のため、収益計画を持ってプロスぺクタスとし、
多くの分野から出資を募った。
正しいか正しくないかの議論の前に、信条信念だけを訴えるのではなく、
それまでのプロセス、行動とが一体となっていることが重要なのである。
現実社会においては、ある程度のキャリアと指示に説得力がないと動かない。
現に栃迫氏の熱意によって多くの日本人はこの事業に参加する意思を示し、出資した。
モノだけ、コトだけの無機質なものからは感動も、こだわりも、悲しみも、
気概も生まれない。
行動の端緒は貧困という現実の関係から感じた情熱であり、使命感や
覚悟である。あるいは心の葛藤かも知れない。
関係性によって発せられる訴える何か、相手を思う気持ちなどを感じとる
ことで行動する。
正しいかどうかの知識や経験だけというより、そこから感じられるオーラや気に
よって無心になれるし、無我夢中、一生懸命になって行動する。
その無心こそがコトであり「空」であり、達成感や豊かさの原点である。
それがモノとコト、「色」と「空」の一体化である。
マネーだけにこだわる執着心ではモノとモノの関係、そこから生まれるコトの
関係性を排除してしまう。
そうなればそれは過去や他との比較であって、もっともっとの一極集中となる。
債権者側と債務者の拡大と効率が優先され、それが善となって誰にも止められない。
レバレッジのように喉が渇けば塩水でも飲んでしまうし、進化も生まれない。
そうならないために善か悪かの前に、コトとの関係性が優先される。
それがモノとコト、「色」と「空」の一体化である。
正しいか正しくないかも含めて、心が全てを創り、全てを無くす。
正当性をどんなに主張しても、「相手を思う気持ち」がなければ、社会習慣では
いずれ破綻する。
正当性をどんなに主張しても、理念だけで、「具体的な説得・実施法」がなければ、
社会習慣ではいずれ破綻する。
具体的な実施法やプロセスと無心となれる熱意・理念とが一体となっているという
関係性が正に色即是空の訴えることであり、信仰とは関係なく普遍的な実体である。
株式投資や金融資産での運用は「儲け」だけを目的とする今日、日本を覆う
「閉塞感」は、利益だけで自己実現の場が失われていることに起因するのである。
産業界、金融・証券界、そして政府の向かうべき方向は明らかであろう。
そこに日本再生の鍵が存在している。 元カナダ東京三菱銀行頭取 足立誠之
2008/2/2
2003年、栃迫篤昌氏は東京銀行ワシントン駐在員事務所長を辞し、
米国で働くラテンアメリカからの移民のための金融機関、
Micro Finance International Corporation (MFIC)を米国で設立した。
独自に開発したインターネットによる格安国際送金サービスである。
それを元に出稼ぎ労働者や貧困層向けに無担保の住宅・起業ローンを
行い、事業を支援している。デフォルトリスクは高々4%である。
同じ時期、米金融界は、サブプライム・ローン債券を大量に販売した。
MFICと同様、低所得者層向け住宅ローンであったが、当初2年間だけ金利条件、
返済条件を緩めたローンである。
債務者は不動産価格が上昇した分で追い貸しを受け、さらなる消費を行う。
グリーンスパンは「バブルははじけてみないと、バブルだとわからない」と
言ったように、サブプライムローンの善悪も破綻してしまうまでわからない。
それはやがて米国と世界に災厄をもたらすことになる。
サブプライムローン債券を生みだした米金融界の発想はMFICの理念と対極にある。
足立氏が警鐘するように、これは資本主義社会の根幹に関る問題でもある。
枋迫氏は次のように語っている。(『日本経済新聞』2009年10月30日付夕刊)
「マネーゲームに興じて大けがをした金融機関は、いまこそ原点に立ち返るべきです」
【MFIC】Microfinance International Corp.
2007年12月にオランダの政府開発機関FMO 総額4百万ドルの投融資
米政府機関OPICが4百万ドルのクレジットの提供
2008年11月03日 枋迫社長 「2008年日本イノベーター大賞」受賞
2009年04月21日 枋迫社長 ビジネスウィーク誌「米国で最も有望な社会起業家」
の一人に選ばれた。America's Most Promising Social Entrepreneurs
2010年08月20日 NHKヒューマンドキュメンタリー
「“小さな金融”が世界を変える・アメリカ発・元銀行マンの挑戦」
考えている。
その原点は、12年間勤務した東京銀行中南米支店で目の当たりにした
絶対的な貧困にある。
仕事を金だけではない「世のため」であるべきという気持ちを抱き、
勤めていた銀行を辞め、米ワシントンで金融ビジネスを立ち上げた。
貧困の解消という理念の実現のため、収益計画を持ってプロスぺクタスとし、
多くの分野から出資を募った。
正しいか正しくないかの議論の前に、信条信念だけを訴えるのではなく、
それまでのプロセス、行動とが一体となっていることが重要なのである。
現実社会においては、ある程度のキャリアと指示に説得力がないと動かない。
現に栃迫氏の熱意によって多くの日本人はこの事業に参加する意思を示し、出資した。
モノだけ、コトだけの無機質なものからは感動も、こだわりも、悲しみも、
気概も生まれない。
行動の端緒は貧困という現実の関係から感じた情熱であり、使命感や
覚悟である。あるいは心の葛藤かも知れない。
関係性によって発せられる訴える何か、相手を思う気持ちなどを感じとる
ことで行動する。
正しいかどうかの知識や経験だけというより、そこから感じられるオーラや気に
よって無心になれるし、無我夢中、一生懸命になって行動する。
その無心こそがコトであり「空」であり、達成感や豊かさの原点である。
それがモノとコト、「色」と「空」の一体化である。
マネーだけにこだわる執着心ではモノとモノの関係、そこから生まれるコトの
関係性を排除してしまう。
そうなればそれは過去や他との比較であって、もっともっとの一極集中となる。
債権者側と債務者の拡大と効率が優先され、それが善となって誰にも止められない。
レバレッジのように喉が渇けば塩水でも飲んでしまうし、進化も生まれない。
そうならないために善か悪かの前に、コトとの関係性が優先される。
それがモノとコト、「色」と「空」の一体化である。
正しいか正しくないかも含めて、心が全てを創り、全てを無くす。
正当性をどんなに主張しても、「相手を思う気持ち」がなければ、社会習慣では
いずれ破綻する。
正当性をどんなに主張しても、理念だけで、「具体的な説得・実施法」がなければ、
社会習慣ではいずれ破綻する。
具体的な実施法やプロセスと無心となれる熱意・理念とが一体となっているという
関係性が正に色即是空の訴えることであり、信仰とは関係なく普遍的な実体である。
株式投資や金融資産での運用は「儲け」だけを目的とする今日、日本を覆う
「閉塞感」は、利益だけで自己実現の場が失われていることに起因するのである。
産業界、金融・証券界、そして政府の向かうべき方向は明らかであろう。
そこに日本再生の鍵が存在している。 元カナダ東京三菱銀行頭取 足立誠之
2008/2/2
2003年、栃迫篤昌氏は東京銀行ワシントン駐在員事務所長を辞し、
米国で働くラテンアメリカからの移民のための金融機関、
Micro Finance International Corporation (MFIC)を米国で設立した。
独自に開発したインターネットによる格安国際送金サービスである。
それを元に出稼ぎ労働者や貧困層向けに無担保の住宅・起業ローンを
行い、事業を支援している。デフォルトリスクは高々4%である。
同じ時期、米金融界は、サブプライム・ローン債券を大量に販売した。
MFICと同様、低所得者層向け住宅ローンであったが、当初2年間だけ金利条件、
返済条件を緩めたローンである。
債務者は不動産価格が上昇した分で追い貸しを受け、さらなる消費を行う。
グリーンスパンは「バブルははじけてみないと、バブルだとわからない」と
言ったように、サブプライムローンの善悪も破綻してしまうまでわからない。
それはやがて米国と世界に災厄をもたらすことになる。
サブプライムローン債券を生みだした米金融界の発想はMFICの理念と対極にある。
足立氏が警鐘するように、これは資本主義社会の根幹に関る問題でもある。
枋迫氏は次のように語っている。(『日本経済新聞』2009年10月30日付夕刊)
「マネーゲームに興じて大けがをした金融機関は、いまこそ原点に立ち返るべきです」
【MFIC】Microfinance International Corp.
2007年12月にオランダの政府開発機関FMO 総額4百万ドルの投融資
米政府機関OPICが4百万ドルのクレジットの提供
2008年11月03日 枋迫社長 「2008年日本イノベーター大賞」受賞
2009年04月21日 枋迫社長 ビジネスウィーク誌「米国で最も有望な社会起業家」
の一人に選ばれた。America's Most Promising Social Entrepreneurs
2010年08月20日 NHKヒューマンドキュメンタリー
「“小さな金融”が世界を変える・アメリカ発・元銀行マンの挑戦」