断捨離熱に感染した母は、ものすごい勢いで断捨離に没頭している。
私は週に1回手伝いに行き、母が出したゴミの処分をするのだが、毎回、その量が半端じゃない。
燃やさないゴミ&粗大ゴミを埋立場に運んだ翌週は、燃やすゴミ。
燃やすゴミとは、衣類、紙類、生ゴミ等、一辺が70センチ以下のサイズで、燃やしてもダイオキシンなどが発生しないゴミ全般、つまり普通ゴミの日に出してもいい種類のゴミだ。
…それなら、市指定のゴミ袋に入れて、収集日に出せばいいようなものだが、大量に出す場合は、集積場までの往復も大変だし、山積みにすると町会や回収作業員に迷惑をかけるし、重い紙類や本を入れるとビニール袋はすぐ破れる。
そこでクリーンセンターに自己搬入することにした
一応有料だが、20キロ以下168円、20キロ超分10キロあたり84円と格安だ。
水と安全とゴミ処理はタダじゃない。
環境にも負担を強いるのだから、お金を払って当然だと思う。
車の後部座席に山のようなゴミ袋と段ボールを載せて、生まれて初めてクリーンセンターに行った。
生ごみを処理する施設なので、かなり臭うのかと思いきや、まったくの無臭だった。
緑に囲まれた、とってもクリーンなゴミ処理場
騒音もなく、鳥のさえずりが心地よい。
焼却で発生する熱を、隣接する市民プールの温水化に利用しているという。
ちょっとエコかも(^^ゞ
前日に予約を入れてある。
事務所で申込用紙に必要事項を記入、順路に従って、搬入口から車ごとバックで建物内に入る。
目の前に横3メートル、縦5メートルほどの、一段低い囲いがある。
深さは50センチほど。
そこにゴミを入れるように指示された。
ひとつずつ丁寧に置こうとしたら、「いいから、どんどん投げちゃって!」と言われた。
埋立場の時もそうだったが、ゴミとはいえ、乱暴に投げ入れることに、いささか抵抗を覚える
だって一度は、自分のそばにあって役立ってくれたモノ達だから。
捨てることに変わりはないけれど、最後にこんな扱いでは、…申し訳ないというか、可哀そうな感じがする。
オレンジ色の囲いは、なんと底面自体が大きな秤になっていた。
重さを量ると、後方のシャッターがするすると開いた。
シャッターの向こうは…
巨大な屋内ゴミ溜め場!
秤がダンプカーの荷台のように傾いて、ゴミを巨大プールに落とす仕組みだ。
シャッターの隙間からしか見えないので、全体の大きさは分からない。
でも遥か彼方の向こう側では、市のゴミ収集車が5台同時に、回収してきたゴミを空けている。
ジンベイザメが泳いでいる水槽、…いや、サッカー場より大きいかも。
かなり深そうだが、半分くらいまでゴミで埋まっている。
いったんここにプールして、2トンずつ焼却するのだとか。
人口40万の市で、1日にこれだけのゴミが出る。
大都市や首都圏だったら…、想像を超える量だろう。
これを全て焼却するのか…
貴重なエネルギーを使い、熱と灰と二酸化炭素を放出しながら。
ゴミを減らすためにも、入口の“断”が大切だと心底思った。
この日、母が出した燃やすゴミは、全部で130キロ、しめて1050円也。