JA7GOG - 宇宙は生成と衝突破壊の繰り返し

仮説、通説、迷信、誤解、目指せ間違い脱皮。勿論ここにも。
縄文時代、ペルシャ人が岩手で金を製錬。痕跡を探る。

夜明けまで6時間

2008-05-02 22:15:18 | Weblog
「夜の時代に語るべきこと」
徐京植著
毎日新聞社

ふと思った。著者は何歳なのだろう。当時の怒りが記憶の中で煮えたぎっているようだ。相当の高齢者かもしれないと思っていたが、1951年生まれ。私と同じだ。私が知る戦争の痕跡は、父の頭頂部にあった陥没の跡だけである。父は何も言わなかったが、上官に木刀でたたかれてできた凹みと推理している。
ああ野麦峠。女工哀史を描いた映画である。経営者に、もうちょっとましな条件で働かすことはできなかったのかと、言いたくなるが、女工になれたことは幸せだという人がいた。女工にならなければ女郎さんに売られていたというのである。黒船が現れてから、日本は明治維新の混乱を経て、列強に支配されない強国になるために急いでいた、そん時代なのである。北海道には屯田兵が駐屯しロシアの南下に備えていた。西太后の北京は陥落し、半植民地化された中国は列強の分け前争奪戦で分割されようとしていた。日本の周辺に列強の足場が築かれることは何としても防ぐ必要があったのであり、朝鮮半島が満州へのロシア南下を防いでくれていれば、併合する必要も、女子教育のために淵沢能恵が韓国に行く必要もなかったのである。日本敗戦の後に祖国が分断されることも当然なかったのである。
高潔な人だけが事を進めたとしても、なかなか理想どおりには行かない。過去に不幸な時代があったと、夜が明けたときには、すべてのわだかまりが消えていることを願って書かれた本かなと思ったのだが、そうではないようだ。夜の時代に恨みが風化しないよう世代を越えて語り合おうということなのか。私のご先祖の誰かが娘を売りに出し、あるいは、虐殺にかかわり、私が現行法で裁かれるとしたら、過去に戻れる権利を主張しなければならない。そして長い人類の歴史を考えれば、一体この世に無罪と裁かれる人がどれほどいるかは疑問である。夜が明けた時、遺恨が消えていないとすれば、我々は何をエネルギーに隣人に接すべきか、途方に暮れるのみである。距離を置いて、理解してもらえる隣人を捜す以外に何ができるだろうか。

その後。
私がこの本を読もうと思ったのは、「徐」である。つまり、徐福の「徐」である。彼は中国系であろうと思ったのである。そう言う、私も中国系であろうと思っているのである。
それは、とても、証明できるようなものではないが、私は、徐福とともに日本に渡った一族の末裔と思っている。つまり、製鉄に関わっていたとか、司祭に関わっていたとか、まつろわぬ民というか、そういうものだろうと思っている。
南京戦を読んでいたら、彼は、「どちらの犠牲も豪かった」と言ってくれた。中国系とは和解できるか。とすると、朝鮮半島の歴史を精査する必要があるかもしれない。南北分断は歴史的必然だったのかもしれない。


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