色覚対応チョークについて、改めて確認します。
色覚についての理解が進み、色覚検査で所見ありとなった児童生徒でも、大半が学校生活に支障がないという認識のもとに、2003年(平成15年)4月から学校における定期健康診断の必須項目から、色覚検査を削除しました。
このことは色覚に所見のある児童生徒に、教育上まったく配慮が必要ないということではありません。教職員は色覚について正しく理解し、学習・進路指導等において適切な指導を行う必要があります。
色覚対応チョークとは、色弱者にとっても、色の識別がしやすくなったチョークのことです。現在、日本国内では、日本理化学工業株式会社(PDF)などが製造しています。
文部科学省は、同省が策定する色覚に関する指導の資料のなかで、黒板上に赤・緑・青・茶色などの暗い色のチョークを使用するこをと避けるようにすると記載されており、白と黄色のチョークを使用することを推奨しています。
一方で、色覚対応チョークを導入・使用することで、色弱(眼科学会では色覚異常)の生徒たちに見やすい板書になることに留まらず、先生方が白と黄色以外のチョーク以外の色も気にせず使用することが可能となり、学習環境の向上が図れることになります。
▼文部科学省作成 色覚に関する指導の資料(PDF)
学習指導において、色の判別を要する表示や教材を用いる場合には、誰でも識別しやすい配色で構成し、色以外の情報も加える工夫が必要です。つぎに、学習指導の場面において留意すべき事柄について具体例を示しますが、これは、色覚異常の有無にかかわらず、指導法の原則というべきとあります。
▼板書
黒板に直射日光が当たったり、蛍光灯の光が直接反射して見えにくいことのないように工夫します。
板書を消すときはよく消し、チョークの粉で汚れたりして見えにくいことのないよ
うにします。
黒板上に赤、緑、青、茶色などの暗い色のチョークを使用すると、見えにくいため、避けるようにします。
色チョークを使用する場合は、太めの文字や線で、大きく、はっきり書き、色名を伝え、白チョークでアンダーラインや囲みをつけたり、色分けをした区域には境界線をはっきり示し、文字や記号を併記するなどの配慮をします