タケ・タケ・エヴリバディ!

当ブログは「竹林や自然と共に生きる」をメインテーマに、管理人の田舎暮らしの様子をお届けします。

「フェイク・マッスル」(日野瑛太郎)

2025年02月25日 | 読みました!見ました!

日野瑛太郎という作家が書いた小説「フェイク・マッスル(講談社)」を読了しました。ボクが日野さんの小説を読むのは初めてです。この「フェイク・マッスル」は、2024年の第70回江戸川乱歩賞を受賞したミステリーだそうです。数か月前に新潟日報の書評で紹介されていたのを見て、図書館に予約したのが順番が回ってきたというわけです。

題名の「フェイク・マッスル」を直訳すれば「偽物の筋肉」ですね。この小説は、ボディビルや筋肉増強、それに関わるドーピング問題をテーマにしたミステリーなのです。amazonに紹介されていた「あらすじ」はこんな内容です。


たった3ヵ月のトレーニング期間で、人気アイドル大峰颯太がボディービル大会の上位入賞を果たした。SNS上では「そんな短期間であの筋肉ができるわけがない、あれは偽りの筋肉だ」と、ドーピングを指摘する声が持ち上がり、炎上状態となってしまう。当の大峰は疑惑を完全否定し、騒動を嘲笑うかのように、「会いに行けるパーソナルジム」を六本木にオープンさせるのだった。

文芸編集者を志しながら、『週刊鶏鳴』に配属された新人記者・松村健太郎は、この疑惑についての潜入取材を命じられ、ジムへ入会する。馬場智則というベテラン会員の助力を得て、大峰のパーソナルトレーニングを受講できるまでに成長。ついに得た大峰との1対1のトレーニングの場で、ドーピングを認める発言を引き出そうとするが、のらりくらりと躱されてしまう。あの筋肉は本物か偽物か。松村は、ある大胆な方法で大峰をドーピング検査にかけることを考え付くのだが――?

フェイクが氾濫する時代の、「真実の物語」が始まった。


はい、こんな感じです。

読みやすい文体で、終盤のどんでん返しに興奮。いやーとても面白かったです。3か月でムキムキマッチョになりドーピング疑惑で炎上する男性アイドルを追う週刊誌記者が主人公なんですが、彼の奮闘ぶりに夢中になっちゃいました。潜入取材でいろいろむちゃなことをやるハメになるのだけど、彼がまじめに取り組んでいくのがとても面白いです。

最後の種明かしも伏線回収も、「へぇ〜?そうなの?」「そう来たか!」って感じでした。付録の選評で、東野圭吾さんや湊かなえさんたちの愛あるコメントが読めるのも魅力でした。まさに「ユーモアミステリー」という感じ。ミステリーっぽくはないのですが、謎の要素が次々に出ては解決していく印象を受けました。そしてとりあえず、本書を読んで筋トレをしたくなりましたよ(笑)。

小説の中に出てくる三島由紀夫の言葉も、ボクの心に刺さりました。「精神の存在証明のためには、行為が要り、行為のためには肉体が要る。かるがゆえに、肉体を鍛えなければならない。」う〜ん。名言だ!


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