少し前に「『はだしのゲン』が広島市の小学校の教材からなくなる」というニュースを耳にしました。そういえばわが家の子どもたちが小学生の頃に、学校の図書館から「はだしのゲン」を借りてきて一生懸命に読んでいたよなぁ…と思い出しました。子どもたちが借りてきた本を、親のボクも一緒に読ませてもらった記憶も蘇りました。
戦争から70年以上経って、当時「戦争を知らない子供たち」と呼ばれていた世代も60〜70代になりました。ボクら高齢者とて、「戦争体験を学ばなければならない世代」です。少し思うところがあって、図書館から戦争をテーマに描かれたマンガを3冊借りてきて読了しました。今日はその3冊を紹介しますね。
まずは、おなじみ漫画界の巨匠・手塚治虫の「ぼくの描いた戦争」(KKベストセラーズ)です。第二次大戦真っ只中に青少年期を過ごした手塚治虫が描き残した、戦争の悲惨さを題材とした作品集。「カノン」「ジョーを訪ねた男」「紙の砦」「ゼフィルス」など11編が掲載されています。
戦争をテーマに手塚治虫が描いた作品群は、どれも考えさせられるものばかりでした。巻末に「わが思い出の記」というエッセーが収録されているのですが、「世の中で、なにがいちばんみじめかといって、戦争ほどみじめなものはない」「戦争をする人しない人、しかけた国しかけられた国にかかわらす、だれでも死んでしまうのですよ。あやまったってにげたって、かくれたって、だめなのだ」という手塚治虫氏の言葉がありました。身をもって戦争を体験した人の言葉の重さを感じました。
2冊目は、ビッグコミックオリジナル特別編集の「戦争✕漫画1970〜2020」(小学館)です。漫画家の感性が「未来の戦争」の予感を、戦時への想像力で捉えた作品を集め話題を呼んだ「ビッグコミックオリジナル戦後70周年増刊号」を底本に再編集し、追加原稿も多数収録した増補愛蔵版アンソロジー…というのがamazonの紹介文でした。水木しげる、山上たつひこらの異才・鬼才・天才……。日本を代表する漫画界の傑物たちの描く「戦争」をテーマにした作品群。小説家等の寄稿も多数収録されています。
そう言えば昨年の9月に、この本に収録されている「人間玉」という作品を描いた”水木しげる”についてのテレビ番組を見ました。このブログの記事にもしていましたね。
水木しげるの作品というと、「妖怪やおばけ」がすぐに頭に浮かびますが、自身の体験をベースにした「戦争もの」も多いですよね。今度、水木しげるの戦争漫画作品集も読んでみようと思いました。
3冊目は、またまた手塚治虫の「手塚マンガで憲法第九条を読む」(子どもの未来社)です。1冊目の「ぼくの描いた戦争」と被っている作品もありましたが、手塚治虫が戦争や平和をテーマに描いた7作品が収録されていました。
憲法第九条は、もちろん「戦争の放棄」です。この本では、手塚治虫の描いた作品1つずつに対して、小森陽一氏(東京大学名誉教授)が憲法第九条と関連付けて解説をしているのが特長です。この解説もなかなか勉強になりました。
戦争は決して過去のものではなく、世界ではロシアのウクライナ侵攻等が未だ続いています。日本国民を含める地球上で暮らすすべての年代のすべての人類が、戦争や平和について考え続けていかなければならないと思います。日本の「漫画」という文化が、それを推し進める1つの手段になるのではないかと、ボクは可能性を感じています。
水木しげるさんの作品で印象に残っているのは「劇画 ヒットラー」ですかね。自身の体験をベースにした「戦争もの」読み応えありまね。
手塚治虫先生は実際に大阪大空襲を受けていますからね~。「手塚マンガで憲法第九条を読む」じっくり読んでみたいと思います。
個人的に一番印象に残っている戦争漫画は小林源文氏の「黒騎士物語」です。(小林源文さんなんて超マニアックで、一般的には無名なんでしょうけど…)
これからもよろしくお願いします。
手塚治虫の「アドルフに告ぐ」を、20代の頃に夢中になって読んだ記憶が蘇りました。もう一度読んでみたい名作です。
時間たっぷりあるので、私もじっくりと読み直したいですね。これからもよろしくお願いします。