ご招待を受けて狂言(念仏狂言)を初めて鑑賞した。
それはテレビでよく見かけるお寺の舞台ではなく、京都府八幡市の生涯学習センターホールで行われた千本閻魔堂引接寺(いんじょうじ)のゑんま堂狂言保存会の方々による狂言。
お囃子は、鉦(かね)と太鼓で「カン デン・デン」が演技に合わせて繰り返される心地よいリズム、これに笛の範奏がカバー。
この念仏狂言は、面を被って演じられるため、表情、感情が分かりにくい分、それぞれの演者(?)が台詞とともにオーバーアクションで演じられるので初心者の私でも非常に判りやすくものになっており、当日の演目の一つは喜劇風の内容であった(鬼の念仏」であり、もう一つの演目は「土蜘蛛」)
いずれのストーリーからも、中世から庶民への布教に大きな役割を持っていたであろうと感じたが、招待して頂いた方も、他の観客も私と同感ではなかったのではなかろうか。
いろんな、また、それぞれ有名な流派がある能狂言にスポットが当たりがちの昨今ではあるが、念仏狂言がその能狂言に与えてきた影響も大きいものがあったのではないか。
京都のお寺で行われる念仏狂言は今回鑑賞した、ゑんま堂狂言の他、壬生狂言、神泉苑狂言、嵯峨狂言の四つの狂言があるとのことであるが、台詞があるのはこのゑんま堂狂言のみとのことである。
次回はいずれかのお寺で演じられる念仏狂言を拝観したいものである。