総合診療医からの健康アドバイス

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アイネットラジオ5 軽症の方には自宅療養よりも、宿泊療養を。 検査で早期発見。患者さんを保護し、補償もしっかりしてほしい

2021-05-17 10:33:17 | ラジオ放送の中身

 皆様、こんにちは。総合診療医からの健康アドバイスの時間です。

 今日の沖縄は晴れ時々曇り。予想最高気温は29度です。土曜日の新型コロナ陽性確認が160人超えでしたね。今週はどうなるか心配です。それでは、前回からの続きです。日本が抱えるコロナ対策の問題点です。

 

アーサー 入院病床の確保というものが非常に重要ですが、それをサポートする意味でも、次の項目、軽症者向けの宿泊療養施設の整備、確保というのもひとつ、ポイントになってくるかと思っています。

 沖縄に関して言うと、自宅内感染の割合が少なからずあるということがあるのですが、4月15日現在、那覇市内に約260室、北部は30、宮古地域で73、八重山地域で50室を確保と。

 やはりこういった療養施設を活用するうえでも、今度は実質的に宿泊療養施設を担当するマンパワーが必要というところにつながってきます。

 

徳田 そうですね。

 軽症の人たちはできるだけ、宿泊療養がいいんですね。

 家庭療養、自宅療養ではなく。

 家庭療養、自宅療養だとどうしても家庭内感染のリスクが高い。

 一方で、酸素も必要ない軽症の方々、基礎疾患もない、比較的若い方を全員入院させると、すぐに病院がいっぱいになる。

 医療者への負担もかかる。

 

 とするとどこに隔離すればよいのかとなると、やっぱりシェルター病院になるんですね。

 中国が短期間で作りましたが、イギリスのNHSもナイチンゲール病院を作りました。

 巨大パビリオンにベッドを入れてそこに隔離のスペースをそれぞれ分けて、テレビもWi-Fiもあって、過ごしやすいように、メンタルのサポートもしながら、と。

 沖縄でしたらコンベンションセンターがあるじゃないですか。

 そこでも受け入れられるような、そういう災害医療的な発想で臨んでやっていく必要があります。

 今、ホテルがふたつくらい、そういう特別なホテルにしてやっていますけれど、それはそれでいいんですよ。

 医療者がホテルよりモニタリングしやすいのは、シェルター病院なんです。

 動きやすいんです。

 例えば今、バスケットボールの会場を作ったじゃないですか。

 

アーサー あ、アリーナですね。

 

徳田 そう、あのアリーナなんか、私は見た瞬間、これはコロナ専用のシェルターにした方がいいなと思ったんです。

 ホテルは、どうしても部屋までのアクセスが遠い。

 急変が起こったときの対応がしにくい。

 それで、急変があって間に合わないというのが、本土ではありました。

 医療者が管理、モニタリングしにくい、対応が遅くなる。

 治療介入するスペースが狭すぎる。

 

アーサー なるほど。

 

徳田 ですから、ある意味ダイヤモンドプリンセスみたいなものです、ホテルというのは。

 ダイヤモンドプリンセスで、大変な感染まん延が起きました。

 あそこの中に、災害医療で入ったドクターの話を聞きますと、「とにかく動けない」と。

 部屋に分かれていて、廊下も狭い。

 そうしたいろいろな問題があったことがわかりました。

 だからあのときも早く病院に移動すればよかったんですね。

 全員が。

 それできちんと隔離すればよかった。

 要は感染者と非感染者を最初から分ければよかった。

 ところがずっとあそこで停泊させて、感染者とそうでない人を船の中にいさせて、しかも、グリーンゾーン、レッドゾーンと分けたつもりがきちんと分けられていなかった。

 そういう反省もきちんとやっていないから、結局、シェルター病院さえ作っていない。

 

 例えば東京なんか、あれだけオリンピックの準備をしているわけですから、シェルター病院になるような施設、スタジアム、いくらでもあるんじゃないでしょうか。

 ところが一回も使っていない。

 沖縄でしたら、先のバスケット会場、あそこはちょうどいいと思います。

 もちろん、今はまだ必要ないですよ。

 沖縄の場合は重症者の病床占有率がそれほど高くないですから。

 一般病棟の占拠率もまだ100パーセントを超えていない。

 だけれども、100パーセントを超えて、自宅療養者が増えるような状況になれば、自宅療養者が増えるということは家庭内感染が増えるということになりますから、そうすると、家庭内に一緒にいらっしゃるお父さんお母さん、おじいさんおばあさんが感染リスクを負うということになります。

 そしてこの方々が感染してしまうと、重症化のリスクが高い。

 ですから分けるということが大事なんです。

 

アーサー かつ、作業動線もさることながら、きちんとモニタリング、チェックをするというのが重要ということですね。

 

徳田 ええ。

 

アーサー そういった意味では、次の項目になりますが、自宅療養者に対するフォローアップという考え方です。

 もともと沖縄県ではコロナの対策本部内に、自宅療養健康管理センターというものを設置して、看護師等による健康観察ですとか、配食支援などを従来行っていたのですが、残念ながら県の4月13日の発表でしたか、自宅療養中の感染者1名に対し、健康観察ができずに期間が終了してしまったという事例が発生してしまいました。

 こういったところ、もちろん、マンパワー的な不足、連携の問題もあるとは思うんですが、徳田さん、こういった部分も今後予測をしなければいけませんか。

 

徳田 これは、自宅療養を行う人が増えたからそういう事例が出てくるわけですね。

 だからさっきの話に戻るんですよ。

 自宅療養は原則なしにする。

 自宅療養者が多すぎる。

 だからそういうミスが起きてしまう。

 自宅療養は原則なし。

 そうでないと、自宅療養は家庭内感染のリスクがありますし、一人暮らしであっても、外に出ていろいろやる可能性があります。

 買い物に行かないと食事をどうするんですかというように、外に出ざるを得ない。

 急変というのも怖い。

 低酸素血症になったときの症状が出にくいというのがコロナの特徴ですから。

 そういうことも、一人でいては、なかなか厳重なモニタリングは難しいですよ。

 さっき言ったような、沖縄市に建設したアリーナのような建物があるわけですから、それを使うとか、もっと世界中の事例を見て、モデルとして積極的に取り入れるべきじゃないでしょうか。

 それができないなら、ホテルでもいいでしょう。

 もっとホテルを積極的に活用する。

 GoToトラベルでホテルはとられたかもしれないけれども、今だったらもっとホテルを確保できると思います。

 実際、ホテルのお客さんが少ないからというので、ビジネスホテルからアパートに転換したところも出ています。

 そういうところと提携するとか、そういう積極的な対策をやっていく。

 

 コロナ対策ではやっぱり早期に発見して早期に隔離する、そして、厳格にモニタリングして保護することが必要です。

 しかも十分な補償をお渡しする。

 そうじゃないと、みんな検査を受けたくないですよ。

 例えば那覇市松山でモニタリング検査をしますから、1日100人検査できますよと言っても、みんなやっぱり行きたくないです。

 なぜかといえば陽性になったら隔離ということになる。

 そうしたらきょうから仕事もできませんということになる。

 収入が絶たれる。

 ですから、去年新宿区で行われたように、3万円お渡しすると。

 まず手渡しで3万円お渡しするところからスタート。

 それで、その後でもいいですから日当もお渡しする。

 3万円プラス日当、そして食事代はもちろん無料。

 そこまでやらないと、みんな日々の生活がたいへんですから。

 

アーサー おっしゃるとおりです。

 

徳田 検査を受けてくださいと言ったらみんないやがりますよ。

 しかも、陽性と言ったら、自分の会社とかお店とか、みんな、検査に入る可能性がある。

 そうすると会社の人、店の人に迷惑かけたくないとなる。

 自業自得的なカルチャーになってしまったから。

 それに対して、そうではないんですよということを行政が言わなければならない。

 行政が「検査はどんな検査でもとても役に立ちます」「みなさん検査を」くらいのアピールを、県知事や市長さんたちがやるべきなんです。そうでなくて、なにか、「検査は精度がよくない」とか、逆のことを今までやっていた。

 厚労省を始め、政府もそうです。

 だからこの1年間で、検査は受けない方がいいという。

 未だにNHKでさえ、「PCR検査に問題があります」、などと言っている。

 そういうことで感染者をきちんと発見して隔離することができなくて、感染が拡大して、変異に置き換わって、変異株になって、どんどん感染が広まることになってしまったと。

 プラス、ワクチンの接種もなかなか進んでいない。

 先進国最低のスピードと。

 ほんとうにオリンピックをやる気があるのかと。

 こういうことになっているわけです。

 

 

 

 沖縄では観光客は普通に来ています。「今、海外に行けないので、せめて沖縄に」って、マスクもしないで。

 

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