八咫烏神社 ときどき社務の備忘録

旧大和國宇陀郡伊那佐村鎮座・八咫烏神社から発信。
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トウヤの祠は語る。

2022年09月08日 | ブログ

僕は八咫烏神社以外に旧・伊那佐村地域の氏神様の神社の御奉仕もさせていただいているのですが、興味深い話があったので、そのことについて書きます。

神社には「トウヤ」といって、年番(あるいはクジ引き)で1年間、神社のお世話役にあたる人たちがいます。

多くの場合、正と副のトウヤが選出され、「本トウヤ」と「副トウヤ」あるいは「雄トウヤ(オトヤ)」と「雌トウヤ(メトヤ)」とか呼ばれています。

先日、とあるお宮の役員さんから相談がありました。内容は「トウヤ」の制度をやめることについて、でした(ちなみに、このムラでは「オトウ」「メトウ」と呼んでいます)。

さて、「トウヤ」制度の撤廃については、少子高齢化のなかにあって、高齢の一人暮らし世帯が増える昨今、致し方ないことだと思います。氏神様のおまつりを継続していくためにはどうしたらいいのか、という命題を真剣に考え話し合った結果なので、ムラの決定に対して余所者の僕が意見できる立場ではありません。

しかし、よくよく聞いてみたら、トウヤの宮座は残るとのこと。じつは「相談」というのはそこではなくて、「オトウ」「メトウ」の方々が持ち回ってお世話してきた小さな祠についてでした。

「トウヤ」は自宅に氏神様の御分霊の祠を持ち帰り、1年間お世話をします。

この祠の持ち回りをやめるということなので、祠の神様は本殿に遷御いただくことになりました。

そこで先ずは祠の中身を確認を役員さんにお願いしたところ、ある日、写真が送ってくださいました。






片方には大神宮の御神札。もう片方には何やらギザギザの紙と木の棒。

ギザギザの紙の木の棒は、おそらく御幣なのでしょう。御神札や御幣を以て依代(御神体のようなもの)とすることは、よくあることです。

興味深かったのは大神宮の御神札に「御師」の文字を認めたことです。

大神宮と御師といえば、伊勢御師に違いありません。御神札には「千賀八左衛門」の文字が。早速ネットでググるとヒットしました。

【「御師」大研究中間報告  大研究中間報告 】

http://nfc.no.coocan.jp/ise-onsi-study.pdf

この御神札は古いものとはいえ江戸末期から明治初めの可能性が高いと思われます。

が、この地域にも伊勢御師が活躍していたことの証なので、歴史的に意義があると思い、大切にお取り扱いいただくことを進言させていただきました。

いやー面白い。興味深い。

昔と同じように神様を祀ることは出来ないかもしれない。でも真剣に語り合い導き出した過程で、ご先祖様たちの想いに触れ合えたような気持ちになることがあります。

そんな時、いささか興奮するし嬉しいし、少し淋しくもあり、また申し訳ない気持ちにもなります。

この心の機微を何らかのかたちで後世に伝えないと、と思いまとまらないながらも当ブログにアップさせていただきました。

ブログ掲載にご許可いただきました神社役員様、この度は誠に有難うございました。







八月朔日(或いは「八朔」ともいう)の月次祭、斎行いたしました。

2022年08月01日 | ブログ

6月最後の日曜日、夏越の大祓を斎行いたしました。
当社の氏子様以外の崇敬者様からお預かりした人形(ヒトガタ)11組も当日、恙なくお祓い致しましたことを報告申し上げます(後日お下がりを郵送しました)。
さて、大祓には旧暦と新暦というふたつの捉え方がありまして、当社は新暦を採用していたわけです。
決定的な資料があるわけではないのですが、当社周辺地域(伊那佐地区)には『夏越の大祓』という風習は元々なかったのではないかと感じます。
半面、「夏祭り」という行事は其々のムラ単位で残されていて、当社でも夏祭りだったのが夏越の大祓と習合したのではないかと考えています。
行事の式次第が通常の祭典と同様で、玉串奉奠を伴うことを理由に、あくまでも個人に感想のひとつとして書かせていただいております(汗)。
お預かりした人形(ヒトガタ)は旧暦の夏越の大祓である7月晦日にお焚き上げいたしました。

そして今日。
8月朔日の月次祭を斎行いたしました。
恒例により今月も、大祓詞、月次祭祝詞、武漢肺炎終息祈願祭祝詞、六根清浄太祓を奏上しました。
月次祭斎了後は普段できない社務や雑用、そしてこのブログの下書きをしていました(笑)。

さて、毎日早朝に執り行っている日供祭では携帯性の良さから白紙経本に書き写した祝詞を奏上しています。
このコロナ禍となってから、世の中に事あるごとに、また思いが湧き立つごとに「辞別き」の詞を書き換えてきました。
その度に祝詞の頁はツギハギになります。
今日も「辞別き」の詞を書き換えました。
ともすれば心をふさぎがちになるような世の中の情勢ですが、それに吞まれては禍罪穢れの思うつぼです。
元気出していきましょう。

そういえば今日は「八朔」の日でした。
「八朔」とは「八月朔日」のことで旧暦八月一日あたりは早稲の実がなることから、古くは農家の間でお世話になった人に、その早稲の実を送る習慣があったそうです。
転じて、いつもお世話になっている人に贈り物をする日として地域の風習として残っていったとこのこと。
八朔みかんを頬張って自然の恵みをお裾分けいただくような、そんな月にしたいものです。

元気出していきましょう!

先日、可愛らしいヤタガラスの折り紙のご奉納がありました。

たくさんの方にご覧いただきたいので、拝殿の賽銭箱のうえに展示しています。

よろしければご覧にお参りくださいませ。

 

 

 

 

 

 

 

 


夏越の大祓申込書と撤饌の御塩。

2022年06月12日 | ブログ

612日。特に何か所縁ある日というわけではないのですが、夏越の大祓が近いので本日夕刻から撤饌の御塩をお分かちしています。

拝殿の賽銭箱に設置しました。

賽銭箱のまわりにモノを置くのは、あまり良いことではないよなあとは思うのですが、なるべく多くの人に行き渡れば幸いです。






春の出来事ダイジェスト。

2022年04月19日 | つれづれ

とある場所で「ブログ、ぜんぜん更新していませんね」とご指摘を受けました。
まったく、おっしゃる通りです。
昨今、SNSがたいへん便利で、ブログのほうはとんとご無沙汰しておりました。
というわけで、今年3月1日から現在の出来事をダイジェストでお伝えさせていただきます。

3月6日、紅梅のつぼみに開花の兆しを発見。

3月11日、東日本大震災の追悼を出先の綱越神社(桜井市)にて行いました。

3月27日、紅梅は終わりかけ。かわりに桜の開花。
季節の彩のリレーを目撃しました。

4月1日、朝、月次祭を斎行しました。
境内の桜も見頃に。

4月某日、朝の散歩の道中、芳野川沿いの桜の花見に野ガラスも来ていました。
ちなみにTwitterの文章はアニメ『魔女の宅急便』からウルスラ姉さんの台詞を引用。

4月1日~6日ごろ、挿し木したオオデマリやアジサイにつぼみしていたことに感動。
猛烈に感動。

4月10日、当社の真東にある伊那佐山の山頂に鎮座する都賀那岐神社の例祭。
今年は晴れてよかったです(暑いくらいでした)。
下駄に背負子、金剛杖で氏子さんと共に山頂の神様に遭いに行きました。

4月14日、境内のシャクナゲにつぼみが。
今年は少し小ぶりのようですが、境内の彩のリレーはたいへん有難いことです。

4月17日、境内の草引き中につい懐かしのメロディーを口ずさんでしまったために中途半端な仕事になるの巻。
出典は『宇宙刑事ギャバン』の主題歌から引用。
https://youtu.be/ER6CVQq41jM

さて、ここで大事なお知らせです。
長年にわたり『八咫烏神社 週刊ねぎ生活』として、このブログを綴って参りましたが、なかなか更新が滞りがちですので、ここで心機一転、タイトルを変更しました。
というか既に変えています。

『八咫烏神社 ときどき社務の備忘録』

今後とも「細く長くのお付き合い」をどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

 


3月の月次祭を斎行しました。

2022年03月01日 | ブログ

本日早朝、月次祭を斎行いたしました。

まだまだ寒い3月です。それでも日増しに境内は鳥たちの声が聞こえてくるようになりました。本日も大祓詞、月次祭祝詞に併せコロナ禍終息祈願、六根清浄太祓に加えて世界平安祈願を奏上いたしました。我が国の弥栄と世界の平安、皆様の心身の安寧を祈念申し上げます。

さて、SNSで玉串奉奠の希望者を募集したところ2組様がご参加くださいました。今後も当社の御祭神のご神徳に心を寄せていただく機会を増やして参りたいと考えております。

ぜひ引き続きご参加お待ちいたしております。

元気があれば何でもできる!

「元気」とは「元(はじめ)の気」。人が本来持っている生きるための力です。折々の心掛けや努力によって、それらは蘇ります。

元気出していきましょう!!!