八咫烏神社 ときどき社務の備忘録

旧大和國宇陀郡伊那佐村鎮座・八咫烏神社から発信。
のんびり更新です。最新情報はSNSをご覧ください。

平成24年3月11日

2012年03月11日 | 雑感
今日、奈良県宇陀市は
午前中は申し分ない晴天に恵まれ
空気こそ冷たいけれど日なたは春のような陽気でした。

そんな中で、
午前11時から初宮詣の御祈祷を斎行できました。
ご家族に新しい仲間が増えたことを神さまに報告し
健やかな成長を祈願いたしました。
第三者であるこちらまで嬉しくなるような
そんな出来事でした。

さて、初宮詣の皆さんが帰られてから
続いて「東日本大震災復興祈願祭」を斎行しました。
事前に広報していませんでしたし
年間行事にはないまつりでしたので
ひとりで奉仕するつもりでしたが
ちょうどそのときヨメさんと息子(2歳)がやってきたので
「ちょっとお参りしてく?」
と誘ってまつりを斎行するつもりでしたが…。
修祓(しゅばつ:祭の始めにするお祓いの儀式)あたりで
息子がとことことこちらへきて
覚えたてのボキャブラリーで いろいろと話しかけてくるので
笑ってしまって どうにもこうにもならなくなってしまったので
誘ったのは僕でしたが、おふたりにはご退席を願って
再度、仕切りなおして御祈祷を斎行しました。

今日の祝詞は「東日本大震災復興祈願詞」で
神社本庁が推奨する例文から文を起こしたものでしたが
祝詞を読み上げながらも、
これは今の自分の気持ちにどこか馴染めないなと感じていました。

復興を祈願するということ。
これには寸分の迷いもありませんでしたが、一方で

つい先ほど行った初宮詣のこと
我が息子に笑わされたこと
そんな小さい命さえもたくさん奪われてしまった未曾有の災害…

むしろ自分がしたかったまつりは鎮魂と慰霊ではなかったか。
そんなふうに思いつつ、粛々と復興祈願祭は斎行しました。

しかし、まつりの最後に
つい先ほど行った初宮詣で使用した祓鈴を
万感の想いをこめて鳴らし、これを以て鎮魂と慰霊の儀としました。

祓鈴は、むしろ魂振りの道具ですが今回はあえてそうしました。
この場合、そうすることで、
このまつりの場を仕切る者が誠の想いを神さまに申し上げるという
仲執持ちとしての仕事を全うできたと心から思えました。


ここにあらためまして
被災地域で被害に遭われ亡くなられました御霊に
鎮魂と慰霊の誠を捧げますとい共に
被災地の復旧・復興はもとより
一日も早く本当の心の安寧が訪れますことを
お祈り申し上げます。





いよいよ、春。

2012年03月08日 | つれづれ

わがお宮の境内では、
ようやく紅梅がちらほら見えてきました。

早朝は靄のかかる日が多くなってきましたし、
数日前から鶯の鳴き声も聞こえて来ました。
(ちなみに今年の鶯は、ていねいに鳴いているようです)

そういえば、
この間は橿原市内でヒバリの声も聞きました。

だんだんと春になっていくのだなあ。

境内の玉砂利のすき間から
緑色の憎いやつもちらほら…。

毎年のことながら、
いよいよ、春ですなあ。