弁護士法人四谷麹町法律事務所のブログ

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退職勧奨したところ,解雇してくれと言い出す。

2012-12-11 | 日記
Q15 退職勧奨したところ,解雇してくれと言い出す。


(1) 対処方法
 退職勧奨した社員から解雇してくれと言われたからといって,安易に解雇すべきではありません。
 後日,解雇が無効であることを前提として,多額の賃金請求を受けるリスクがあります。
 有効な解雇をすることは,必ずしも容易ではありません。
 当該社員が退職することに同意しているのであれば,解雇するのではなく,退職届か合意退職書に署名押印してもらうべきです。

(2) 解雇予告手当の請求
 即時解雇した場合,解雇予告手当の請求を受けることがありますが,解雇予告手当は平均賃金の30日分を支払えば足りますので(労基法20条1項),その金額はたかが知れています。
 解雇予告手当の請求は,解雇の効力を争わないことを前提とした請求なので,解雇予告手当の請求を受けた場合は,むしろ運がよかったと考えられます。

(3) 解雇無効を前提とした賃金請求
 解雇の無効を前提として,解雇日以降の賃金請求がなされた場合に会社が負担する可能性がある金額は,高額になることがあります。
 単純化して説明すると,月給30万の社員を解雇したところ,解雇の効力が争われ,2年後に判決で解雇が無効と判断された場合は,既発生の未払賃金元本だけで,30万円×24か月=720万円の支払義務を負うことになります。
 解雇が無効と判断された場合,実際には全く仕事をしていない社員に対し,毎月の賃金を支払わなければならないことを理解しておく必要があります。

(4) 近年の傾向
 最近では,経営者を挑発して解雇させ,多額の金銭を獲得してから転職しようと考える社員も出てきています。
 労働者側弁護士事務所のウェブサイトの中には,解雇されるとお金をもらえるチャンスであるかのような宣伝しているものも見受けられます
 解雇問題を「ビジネス」として考えている労働者側弁護士もいることに注意しなければなりません。

(5) 無断録音
 退職勧奨,解雇のやり取りは,無断録音されていることが多く,録音記録が訴訟で証拠として提出された場合は,証拠として認められてしまいます。
 退職勧奨,解雇を行う場合は,感情的にならないよう普段以上に心掛け,無断録音されていても不都合がないようにしなければなりません。
 退職勧奨は,やり過ぎると不法行為になることがありますが,無断録音されている覚悟で行えば,不法行為が成立することは滅多にないのではないかと思います。

(6) 解雇の効力が争われた場合の対処
 解雇してくれと言われて解雇したところ,解雇の効力が争われ,解雇が無効と判断されるリスクが高いような場合は,解雇を撤回し,就労を命じる必要がある場合もあります。
 この場合,概ね,解雇日の翌日から解雇撤回後に就労を命じた初日の前日までの解雇期間に対する賃金の支払義務を負うことになります。

(7) 解雇を撤回して就労を命じた場合に実際に戻ってくる社員の割合
 解雇を撤回して就労を命じた場合,実際に戻ってくるのは3人~4人に1人程度という印象です。
 解雇期間中の賃金請求をする目的で形式的に復職を求める体裁を取り繕う労働者が多いですが,要望どおり解雇を撤回して就労命令を出してみると,いろいろ理由を付けて,実際には復職してこないことも多いというのが実情です。
 ただし,労働組合の支援がある場合は,復職してくる確率が高くなるものと思われます。

(8) ありのままの解雇理由を伝えることの重要性
 勤務態度が悪い社員,能力が著しく低い社員を退職勧奨したところ,解雇して欲しいと言われ,本当の理由を告げて解雇すると本人が傷つくからといった理由で,解雇理由を「事業の縮小その他やむを得ない事由」等による会社都合の解雇(整理解雇)とする事案が散見されます。
 このような事案で解雇の効力が争われた場合,整理解雇の有効要件を満たさない以上,会社側が負ける可能性が高くなります。
 解雇が避けられない場合,ありのままの解雇理由を伝える必要があります。
 無用の気遣いをして,ありのままの解雇理由を伝えられないと,裏目の結果となることが多くなります。

(9) 退職勧奨と失業手当
 「事業主から退職するよう勧奨を受けたこと。」(雇用保険法施行規則36条9号)は,「特定受給資格者」(雇用保険法23条1項)に該当するため(雇用保険法23条2項2号),退職勧奨による退職は会社都合の解雇等の場合と同様の扱いとなり,労働者が失業手当を受給する上で不利益を受けることにはなりません。
 つまり,失業手当の受給条件を良くするために解雇する必要はありません。
 退職届を出してしまうと,失業手当の受給条件が不利になると誤解されていることがありますので,丁寧に説明し,誤解を解く努力をするようにして下さい。
 なお,助成金との関係でも,会社都合の解雇をしたのと同様の取り扱いとなることには,注意が必要です。

(10) 解雇が無効と判断された場合に,解雇期間中の賃金として使用者が負担しなければならない金額
 解雇が無効と判断された場合に,解雇期間中の賃金として使用者が負担しなければならない金額は,当該社員が解雇されなかったならば労働契約上確実に支給されたであろう賃金の合計額です。
 解雇当時の基本給等を基礎に算定されますが,各種手当,賞与を含めるか,解雇期間中の中間収入を控除するか,所得税等を控除するか等が問題となります。

(11) 解雇期間中の通勤手当
 通勤手当が実費保障的な性質を有する場合は,通勤手当について負担する必要はありません。

(12) 解雇期間中の残業代
 残業代は,時間外・休日・深夜に勤務して初めて発生するものですから,通常は負担する必要がありませんが,一定の残業代が確実に支給されたと考えられる場合には,残業代についても支払を命じられる可能性があります。

(13) 解雇期間中の賞与
 賞与の支給金額が確定できない場合は,解雇が無効と判断されても,支払を命じられませんが,支給金額が確定できる場合は,賞与についても支払が命じられることがあります。

(14) 解雇期間中の中間収入
 解雇された社員に解雇期間中の中間収入(他の事業上で働いて得た収入)がある場合は,その収入があったのと同時期の解雇期間中の賃金のうち,同時期の平均賃金の6割(労基法26条)を超える部分についてのみ控除の対象となる(米軍山田部隊事件最高裁第二小法廷昭和37年7月20日判決,あけぼのタクシー事件最高裁第一小法廷昭和62年4月2日判決)。
 中間収入の額が平均賃金額の4割を超える場合には、更に平均賃金算定の基礎に算入されない賃金(賞与等)の全額を対象として利益額を控除することが許されることになります(あけぼのタクシー事件最高裁第一小法廷昭和62年4月2日判決,いずみ福祉会事件最高裁第三小法廷平成18年3月28日判決)。

(15) 賃金から源泉徴収すべき所得税,控除すべき社会保険料
 賃金から源泉徴収すべき所得税,控除すべき社会保険料については,これらを控除する前の賃金額の支払が命じられ,実際の賃金支払の際,所得税等を控除することになります。

(16) 仮払金の処理
 仮処分で賃金相当額の仮払いが命じられ,仮払いをしていたとしても,判決では仮払金を差し引いてもらえません。
 賃金の支払を命じる判決が確定した場合は,労働者代理人と連絡を取って,既払の仮払金の充当について調整する必要があります。
 他方,賃金請求が認められなかった場合は,仮払金の返還を求めることになりますが,労働者が無資力となっていて,回収が困難なケースもあります。

弁護士 藤田 進太郎

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懲戒解雇において特に注意すべき点には,どのようなものがありますか?

2012-12-10 | 日記
Q213 懲戒解雇において特に注意すべき点には,どのようなものがありますか?


 労働者は,労働契約を締結することにより当然に企業秩序遵守義務を負いますが,フジ興産事件最高裁平成15年10月10日判決が「使用者が労働者を懲戒するには,あらかじめ就業規則において懲戒の種類及び事由を定めておくことを要する」と判示していることもあり,懲戒解雇を行おうとする場合には,その前提として,就業規則に懲戒解雇事由を明確に規定した上で,就業規則を周知(従業員が就業規則の存在や内容を知ろうと思えばいつでも知ることができるようにしておくこと。)させておく必要があります。

弁護士 藤田 進太郎

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トラブルの多い社員が定年退職後の再雇用を求めてくる。

2012-12-10 | 日記
Q22 トラブルの多い社員が定年退職後の再雇用を求めてくる。


(1) 高年齢者雇用確保措置の概要
 高年齢者雇用安定法9条1項は,65歳未満の定年の定めをしている事業主に対し,その雇用する高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するため,
① 定年の引上げ
② 継続雇用制度(現に雇用している高年齢者が希望するときは,当該高年齢者をその定年後も引き続いて雇用する制度をいう。以下同じ。)の導入
③ 定年の定めの廃止
のいずれかの措置(高年齢者雇用確保措置)を講じなければならないとしています。
 そして同条第2項において,過半数組合又は過半数代表者との間の書面による協定により,②継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定めることができる旨規定されています。
※ 平成22年4月1日から平成25年3月31日までは,上記「65歳」を「64歳」と読み替えることになるため(附則4条1項),雇用確保措置が義務付けられているのは64歳までですが,65歳までの雇用確保について「努力」義務が課せられています(附則4条2項)。

(2) 雇用確保措置の内容
 厚生労働省の「今後の高年齢者雇用に関する研究会」が取りまとめた「今後の高年齢者雇用に関する研究会報告書」によると,平成22(2010)年において,雇用確保措置を導入している企業の割合は,全企業の96.6%であり,そのうち,
① 定年の引上げの措置を講じた企業の割合 → 13.9%
② 継続雇用制度を導入した企業の割合    → 83.3%
③ 定年の定めを廃止した企業の割合      → 2.8%
です。

(3) 継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準
 継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準は具体的で客観的なものである必要があり,トラブルが多い社員は継続雇用の対象とはならないといった抽象的な基準を定めたのでは,公共職業安定所において,必要な報告徴収が行われるとともに,助言・指導,勧告の対象となる可能性があります(平成25年4月1日以降は企業名が公表される可能性もあります。)。
 健康状態,出勤率,懲戒処分歴の有無,勤務成績等の客観的基準を定めるべきでしょう。
 「JILPT「高齢者の雇用・採用に関する調査」(2008)」によると,実際の継続雇用制度の基準の内容としては,以下のようなものが多くなっています。
① 健康上支障がないこと(91.1%)
② 働く意思・意欲があること(90.2%)
③ 出勤率,勤務態度(66.5%)
④ 会社が提示する職務内容に合意できること(53.2%)
⑤ 一定の業績評価(50.4%)

(4) 就業規則の変更・届出義務
 常時10人以上の労働者を使用する使用者が,継続雇用制度の対象者に係る基準を労使協定で定めた場合には,就業規則の絶対的必要記載事項である「退職に関する事項」に該当することとなるため,労基法第89条に定めるところにより,労使協定により基準を策定した旨を就業規則に定め,就業規則の変更を管轄の労働基準監督署に届け出る必要があります。

(5) 高年齢者雇用安定法9条の私法的効力
 高年齢者雇用安定法9条には私法的効力がない(民事訴訟で継続雇用を請求する根拠にならない)と一般に考えられていますが,就業規則に継続雇用の条件が定められていればそれが労働契約の内容となり,私法上の効力が生じることになります。
 したがって,就業規則に規定された継続雇用の条件が満たされている場合は,高年齢者は,就業規則に基づき,継続雇用を請求できることになります。
 就業規則に定められた継続雇用の要件を満たしている定年退職者の継続雇用を拒否した場合,会社は損害賠償義務を負う可能性があることに争いはありませんが,裁判例の中には,解雇権濫用法理の類推などにより,継続雇用自体が認められるとするものもあります。

(6) 継続雇用後の雇止め
 高年法9条が65歳までの高年齢者雇用確保措置を講じることを要求している以上,通常は65歳まで有期労働契約が更新されるなどして雇用が継続されることにつき合理的理由があるものと考えられます。
 したがって,契約期間が満了する日までの間に労働者が当該有期労働契約の更新の申込みをした場合又は当該契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをした場合,使用者が当該申込みを拒絶することが,客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上相当であると認められないときは,使用者は,従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなされる可能性が高いものと思われます。
 最高裁第一小法廷平成24年11月29日判決は,定年に達した後引き続き1年間の嘱託雇用契約により雇用されていた労働者の継続雇用に関し,東芝柳町工場事件最高裁判決,日立メディコ事件最高裁判決を引用して,「本件規程所定の継続雇用基準を満たすものであったから,被上告人において嘱託雇用契約の終了後も雇用が継続されるものと期待することには合理的な理由があると認められる一方,上告人において被上告人につき上記の継続雇用基準を満たしていないものとして本件規程に基づく再雇用をすることなく嘱託雇用契約の終期の到来により被上告人の雇用が終了したものとすることは,他にこれをやむを得ないものとみるべき特段の事情もうかがわれない以上,客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上相当であると認められないものといわざるを得ない。したがって,本件の前記事実関係等の下においては,前記の法の趣旨等に鑑み,上告人と被上告人との間に,嘱託雇用契約の終了後も本件規程に基づき再雇用されたのと同様の雇用関係が存続しているものとみるのが相当であり,その期限や賃金,労働時間等の労働条件については本件規程の定めに従うことになるものと解される」と判示しています。

(7) 平成25年4月1日施行予定の改正高年法
 平成25年4月1日施行予定の『高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律』では,
① 継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止
について規定されています。
 平成25年4月1日の改正法施行の際,既にこの基準に基づく制度を設けている会社の選定基準については,平成37年3月31日までの間は,段階的に基準の対象となる年齢が以下のとおり引き上げられるものの,なお効力を有するとされています。
  平成25年4月1日~平成28年3月31日 61歳以上が対象
  平成28年4月1日~平成31年3月31日 62歳以上が対象
  平成31年4月1日~平成34年3月31日 63歳以上が対象
  平成34年4月1日~平成37年3月31日 64歳以上が対象
 平成25年4月1日施行予定の改正法では,その他,
② 継続雇用制度の対象者を雇用する企業の範囲の拡大
③ 義務違反の企業に対する公表制度の導入
④ 高年齢者雇用確保措置の実施及び運用に関する指針の策定
等についても規定されています。

(8) 希望者全員を継続雇用するという選択肢
 トラブルの多い社員が定年退職後の再雇用を求めてくることに対する対策としては,通常は,
① 継続雇用制度を採用した上で,「継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準」を定める
か,
② 再雇用自体は認めた上で,トラブルが生じにくい業務を担当させる(接客やチームワークが必要な仕事から外す等。)ことや,賃金の額を低く抑えること等により不都合が生じないようにすること
が考えられます。
 継続雇用制度を採用した上で,「継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準」を定める方法によりトラブルの多い社員の継続雇用を阻止することができればそれに越したことはありませんが,基準は明確なものでなければならず,就業規則で定める継続雇用の要件を満たす場合には再雇用する私法上の義務も生じます。
 また,基準を適用することによる継続雇用拒否は,紛争を誘発することが多いというのが実情です。
 さらに,平成25年4月1日施行予定の『高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律』では,継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止について規定されています。
 改正法施行の際,既にこの基準に基づく制度を設けている会社の選定基準については,平成37年3月31日までの間は,段階的に基準の対象となる年齢が引き上げられながらもなお効力を有するとされていますが,例外的制度であるという位置づけは否めません。
 高年齢者雇用確保措置が義務付けられた主な趣旨が年金支給開始年齢引き上げに合わせた雇用対策であること,継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みが廃止される方向に向かっていることからすれば,原則どおり,希望者全員を継続雇用するという選択肢もあり得ます。
 統計上も,継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準制度により離職した者が定年到達者全体に占める割合は,わずか2.0%に過ぎません(「今後の高年齢者雇用に関する研究会報告書」)。
 トラブルが多い点については,トラブルが生じにくい業務を担当させる(接客やチームワークが必要な仕事から外す等。)ことや,賃金の額を低く抑えること等により対処することも考えられます。
 改正法では,継続雇用制度の対象者を雇用する企業の範囲の拡大についても規定されているところです。

(9) 継続雇用後の賃金額
 高年法上,再雇用後の賃金等の労働条件については特別の定めがなく,年金支給開始年齢の65歳への引上げに伴う安定した雇用機会の確保という同法の目的,最低賃金法等の強行法規,公序良俗に反しない限り,就業規則,個別労働契約等において自由に定めることができます。
 もっとも,就業規則で再雇用後の賃金等の労働条件を定めて周知させている場合,それが労働条件となりますから,再雇用後の労働条件を,就業規則に定められている労働条件に満たないものにすることはできません。
 また,高年齢者雇用確保措置の主な趣旨が,年金支給開始年齢引上げに合わせた雇用対策,年金支給開始年齢である65歳までの安定した雇用機会の確保である以上,継続雇用後の賃金額に在職老齢年金,高年齢者雇用継続給付等の公的給付を加算した手取額の合計額が,従来であれば高年齢者がもらえたはずの年金額と同額以上になるように配慮すべきだと思います。
 「時給1000円,1日8時間・週3日勤務」程度の賃金額にはしておきたいところです。

(10) 高年齢者による継続雇用の拒絶と高年法の継続雇用制度
 高年法が求めているのは,継続雇用制度の導入であって,事業主に定年退職者の希望に合致した労働条件での雇用を義務付けるものではなく,事業主の合理的な裁量の範囲の条件を提示していれば,労働者と事業主との間で労働条件等についての合意が得られず,結果的に労働者が継続雇用されることを拒否したとしても,高年齢者雇用安定法違反となるものではありません。
 したがって,トラブルの多い社員との間で,再雇用後の労働条件について折り合いがつかず,結果として継続雇用に至らなかったとしても,それが直ちに問題となるわけではありません。

(11) 組合員差別により再雇用の期待を侵害した場合の取締役の責任
 組合員差別により再雇用の期待を侵害したと認定された事案において,代表取締役個人が会社法429条1項の責任を負うとされた裁判例が存在します。

(12) 無期転換権(新労契法18条)行使に対する対処
 平成25年4月1日施行予定の新労契法18条では,同一の使用者との間で有期労働契約が通算で5年を超えて更新された場合には,有期契約労働者による無期転換の申込みにより使用者の同意が擬制され,無期労働契約に転換する制度が新たに規定されています。
 新労契法18条は継続雇用制度の対象となっている有期契約労働者にも適用されるため,5年を超えて有期労働契約が更新されるような制度設計になっている場合(満60歳の誕生日で正社員としては定年退職すると定めつつ,定年後再雇用される嘱託社員としては年度末までの期間雇用とするというように,定年後再雇用の期間が5年を超える場合)には,定年後再雇用された有期契約労働者から無期転換権を行使される可能性がありますので,無期転換後の第二定年についても就業規則に定めておく必要があります。

弁護士 藤田 進太郎

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懲戒解雇が認められるために検討しなければならない事項には,どのようなものがありますか?

2012-12-09 | 日記
Q212 懲戒解雇が認められるために検討しなければならない事項には,どのようなものがありますか?


 懲戒解雇が認められるためには,最低限,①就業規則の懲戒解雇事由に該当し,②懲戒権濫用に当たらないことが必要となります。

弁護士 藤田 進太郎

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懲戒解雇の根拠条文はどれですか?

2012-12-09 | 日記
Q211 懲戒解雇の根拠条文はどれですか?


 懲戒解雇には,普通解雇と異なり,直接の法令上の根拠条文はありません。

弁護士 藤田 進太郎

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四谷麹町法律事務所

2012-12-08 | 日記
 四谷麹町法律事務所所長弁護士藤田進太郎(東京)は,健全な労使関係の構築を望んでいる会社経営者のお手伝いをしたいという強い想いを持っており,使用者・経営者側専門の弁護士として,健全な労使関係を構築して企業の利益・発展につなげる具体的方法のコンサルティング,団体交渉労働審判の対応等の労働問題の予防解決に力を入れています。
 健全な労使関係を構築して企業の利益・発展につなげる具体的方法論や団体交渉・労働審判の対応等の労働問題でお悩みでしたら,弁護士藤田進太郎東京)にご相談下さい。

 近年,競争の激化等により企業に余裕がなくなっていることや労働者の権利意識が高まっていること等を原因として,解雇,退職勧奨,残業代などに関する労使紛争が急増し,使用者側弁護士が労働問題に関する相談を受けることが多くなっています。
 しかし,健全な労使関係の構築方法について十分に検討・実施していない会社,労働問題に対するリスク管理意識が希薄な会社がまだまだ多く,無防備な状態のまま,必要な手順を踏まずに従業員を解雇したり,残業代請求対策を取らないまま残業させていたり,問題社員を放置したままにしていたりするケースが散見され,労働者が加入した合同労組から団体交渉を申し入れられたり,労働者から労働審判を申し立てられたりして初めて弁護士に相談して対応を検討し,目先の労使紛争が解決すると弁護士からのコンサルティングを受けることを止めてしまう会社経営者が多いというのが実情です。
 会社経営者が,健全な労使関係の構築方法について十分に検討・実施していなかったり,労働問題対応のため必要な弁護士のコンサルティングを受けていないために会社経営に大きなダメージを被り,社員に裏切られたとか,詐欺にあったようなものだとか,社員にも裁判官にも経営者の苦労を分かってもらえないだとか,法律が社会の実情に合っていないだとか嘆いてがっかりしている姿を見ていると,本当に残念な気持ちになります。
 せっかく一生懸命育ててきた会社なのですから,労使関係が不健全なものとなった結果発生した労働問題で大きなダメージを被って取り返しがつかない結果になる前に,健全な労使関係を構築する方法論を十分に検討・実施して,企業の利益・発展につなげていかなければなりません。

 四谷麹町法律事務所所長弁護士藤田進太郎(東京)は,健全な労使関係の構築を望んでいる会社経営者のお手伝いをしたいという強い想いを持っており,経営者側専門弁護士の立場から,健全な労使関係を構築して企業の利益・発展につなげる具体的方法のコンサルティング,団体交渉・労働審判の対応等の労働問題の予防解決に力を入れています。
健全な労使関係を構築して企業の利益・発展につなげる具体的方法の検討や団体交渉・労働審判の対応等のため,労働問題の予防解決を中心業務としている経営者側弁護士をお探しでしたら,弁護士藤田進太郎(東京)にご相談下さい。

四谷麹町法律事務所
所長弁護士 藤田 進太郎

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所長ご挨拶

2012-12-08 | 日記
所長ご挨拶

 あなたは労使紛争の当事者になったことがありますか?
 労使紛争の当事者になったことがあるとすれば,それがいかに大きな苦痛となり得るかが実感を持って理解できることと思います。

 会社の売上が低迷する中,社長が一生懸命頑張って社員の給料を支払うためのお金を確保しても,その大変さを理解できる社員は多くありません。
 会社はお金を持っていて,働きさえしていれば,給料日には給料が自分の預金口座に振り込まれて預金が増えるのが当然という感覚の社員が多いのではないでしょうか。
 私自身,勤務弁護士の時は給料日には必ず給料が私の預金口座に振り込まれて預金残高が増えていたものが,自分で事務所を開業してみると,給料日には社員に給料を支払わなければならず,私の事業用預金口座の残高が減るのを見て,経営者にとって給料日はお金が減る日なのだということを,初めて実感を持って理解することができました。
 また,個人事業主や中小企業のオーナー社長は,事業にかかる経費と比較して売上が不足すれば,何百時間働いても,事実上,1円の収入にもならないということになりかねず,それどころか,経営者の個人財産からお金を出して,不足する金額を穴埋めしなければならないこともあるのですから,会社の業績が悪化した結果,収入が減ることはあっても,個人資産を事業継続のために持ち出すことのない一般社員とでは,随分,負担の重さが違うのだということも,よく理解できました。
 このような話は,理屈は簡単で,当たり前のことなのですが,誰でも実感を持って理解できるかというと,なかなか難しいものがあります。
 会社勤めをしている友達に,給料日には会社の預金残高が減るという話をしてみたところ,「そのとおりかもしれないけど,その分,会社はお客さんからお金が入ってきて儲かっているんだから。」という答えが返ってきたことがあります。
 確かに,「お金が入ってきて儲かっている」のであればいいのですが,経営者にとっては,実際にお金が入ってくるかどうかが問題なわけです。
 今,売上が上がっていても,将来,どうなるかは誰にも分かりませんし,下手をすると個人資産を事業につぎ込まなければならなくなることもあるのですから,経営者はいつまで経っても気を緩めることはできません。
 実は,私も,勤務弁護士のときは,理屈では雇う側の大変さを理解していても,その理解には共感が伴っていませんでした。
 所長は実際に仕事をこなしている自分よりたくさんの収入があってうらやましいというくらいの感覚だったというのが正直なところで,雇われている人たちのために頑張ってくれてありがとうございます,などと本気で思ったことがあるかというと,一度もありませんでした。
 自分が経営者の立場になってみて初めて,経営者の大変さを,実感を持って理解することができるようになったのです。

 立場が違えば,感じ方・考え方も違ってきます。
 労使紛争でお互いが感情的になりがちなのは,自分の大変さを相手が理解してくれないことに対する苛立ちのようなものが根底にあるからではないでしょうか。
 労使とも,自分ばかりが不当に我慢させられている,譲歩させられていると感じているわけです。
 このような苛立ちを緩和し,冷静に話し合うことができるようにするためには,労使双方,相手のことを思いやる想像力が必要だと思います。
 社員の置かれた状況を鮮明に想像することができ,社員を思いやることのできる優れた会社であれば,会社を思いやる想像力を持った優れた社員との間で労使紛争が生じるリスクは極めて低くなることでしょう。
 仮に,一部の問題社員との間で労使紛争が生じたとしても,大部分の優れた社員は会社の味方になってくれるでしょうし,裁判に勝てる可能性も高くなります。

 私は,あなたの会社に,労使双方が相手の立場に対して思いやりの気持ちを持ち,強い信頼関係で結ばれている会社になって欲しいと考えています。
 そのためのお手伝いをさせていただけるのであれば,あなたの会社のために全力を尽くすことをお約束します。

四谷麹町法律事務所
所長弁護士 藤田 進太郎

経歴・所属等
•東京大学法学部卒業
•日本弁護士連合会労働法制委員会委員・事務局員・労働審判PTメンバー
•第一東京弁護士会労働法制委員会委員・労働契約法部会副部会長
•東京三会労働訴訟等協議会委員
•経営法曹会議会員
•全国倒産処理弁護士ネットワーク会員



主な講師担当セミナー・講演・著作等

『労務管理における労働法上のグレーゾーンとその対応』(全国青年社会保険労務士連絡協議会,特定非営利活動法人個別労使紛争処理センター,平成24年12月7日)
『解雇・退職の法律実務』(新社会システム総合研究所,東京会場,平成24年11月20日)
『社会保険労務士の紛争解決手続代理業務を行うのに必要な学識及び実務能力に関する研修』ゼミナール講師(東京,平成24年11月9日・10日・17日)
『問題社員対応の実務』(企業研究会,東京会場,平成24年10月4日)
『問題社員対応の実務』(企業研究会,大阪会場,平成24年9月28日)
『問題社員への法的対応の実務』(経営調査会,平成24年9月26日)
『日本航空事件東京地裁平成23年10月31日判決』(経営法曹会議,判例研究会,平成24年7月14日)
『問題社員に対する法的対応の実務』(新社会システム総合研究所,札幌会場,平成24年6月26日)
『有期労働法制が実務に与える影響』(『労働経済春秋』2012|Vol.7,労働調査会)
『現代型問題社員を部下に持った場合の対処法~ケーススタディとQ&A』(長野県経営者協会,第50期長期管理者研修講座,平成24年6月22日)
『労働時間に関する法規制と適正な労働時間管理』(第一東京弁護士会・春期法律実務研修専門講座,平成24年5月11日)
『問題社員に対する法的対応の実務』(新社会システム総合研究所,福岡会場,平成24年4月17日)
『高年齢者雇用安定法と企業の対応』(共著,第一東京弁護士会労働法制委員会編,労働調査会)
『実例 労働審判(第12回) 社会保険料に関する調停条項』(中央労働時報第1143号,2012年3月号)
『問題社員対応の実務』(企業研究会,東京会場,平成24年3月8日)
『労使の信頼を高めて 労使紛争の当事者にならないためのセミナー』(商工会議所中野支部,平成24年3月7日)
『問題社員対応の実務』(企業研究会,大阪会場,平成24年2月29日)
『健康診断実施と事後措置にまつわる法的問題と企業の対応』(『ビジネスガイド』2012年3月号№744)
『問題社員に対する法的対応の実務』(新社会システム総合研究所,名古屋会場,平成24年1月20日)
『問題社員に対する法的対応の実務』(新社会システム総合研究所,大阪会場,平成23年10月31日)
日韓弁護士交流会・国際シンポジウム『日本と韓国における非正規雇用の実態と法的問題』日本側パネリスト(韓国外国語大学法学専門大学院・ソウル弁護士協会コミュニティ主催,平成23年9月23日)
『問題社員対応の実務』(企業研究会,大阪会場,平成23年9月16日)
『マクドの失敗を活かせ!新聞販売店,労使トラブル新時代の対策』(京都新聞販売連合会京都府滋賀県支部主催,パートナーシステム,平成23年9月13日)
『問題社員対応の実務』(企業研究会,東京会場,平成23年9月6日)
『問題社員に対する法的対応の実務』(新社会システム総合研究所,東京会場,平成23年8月30日)
『社員教育の労働時間管理Q&A』(みずほ総合研究所『BUSINESS TOPICS』2011/5)
『問題社員対応の実務』(企業研究会,東京会場,平成23年4月14日)
『改訂版 最新実務労働災害』(共著,三協法規出版)
『労働審判を申し立てられた場合の具体的対処方法』(企業研究会,東京会場,平成22年9月8日)
『もし,自分が気仙沼で教師をしていたら,子供達に何を伝えたいか?』(気仙沼ロータリークラブ創立50周年記念式典,平成22年6月13日)
『文書提出等をめぐる判例の分析と展開』(共著,経済法令研究会)
『明日から使える労働法実務講座』(共同講演,第一東京弁護士会若手会員スキルアップ研修,平成21年11月20日)
『採用時の法律知識』(第373回証券懇話会月例会,平成21年10月27日)
『他人事ではないマクドナルド判決 経営者が知っておくべき労務,雇用の急所』(横浜南法人会経営研修会,平成21年2月24日)
『今,気をつけたい 中小企業の法律問題』(東京商工会議所練馬支部,平成21年3月13日)
『労働法基礎講座』(ニッキン)
『管理職のための労働契約法労働基準法の実務』(共著,第一東京弁護士会労働法制委員会編,清文社)

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懲戒解雇とはどのような解雇のことをいうのですか?

2012-12-07 | 日記
Q210 懲戒解雇とはどのような解雇のことをいうのですか?


 懲戒解雇とは,使用者が有する懲戒権の発動により,一種の制裁罰として,企業秩序に違反した労働者に対し行われる解雇をいいます。

弁護士 藤田 進太郎

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普通解雇が社会通念上相当であるというためには,どういった事情が必要となりますか?

2012-12-06 | 日記
Q209 普通解雇が社会通念上相当であるというためには,どういった事情が必要となりますか?


 普通解雇が社会通念上相当であるというためには,労働者の情状(反省の態度,過去の勤務態度・処分歴,年齢・家族構成等),他の労働者の処分との均衡,使用者側の対応・落ち度等に照らして,解雇がやむを得ないと評価できることが必要となります。

弁護士 藤田 進太郎

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普通解雇に客観的に合理的な理由があるというためには,どのような事情が必要となりますか?

2012-12-06 | 日記
Q208 普通解雇に客観的に合理的な理由があるというためには,どのような事情が必要となりますか?


 普通解雇に客観的に合理的な理由があるというためには,労働契約を終了させなければならないほど能力不足,勤務態度不良,業務命令違反等の程度が甚だしく,業務の遂行や企業秩序の維持に重大な支障が生じていることが必要となります。

弁護士 藤田 進太郎

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普通解雇(狭義)の濫用の有無を判断するにあたっては,どのような要素を検討することになるのですか?

2012-12-05 | 日記
Q207 普通解雇(狭義)の濫用の有無を判断するにあたっては,どのような要素を検討することになるのですか?


 普通解雇(狭義)では,当該労働契約を終了させなければならないほど勤務成績,勤務態度等が不良で職務を行う能力や適格性を欠いているかが問題となり,
① 当該企業の種類,規模
② 職務内容,労働者の採用理由(職務に要求される能力,勤務態度がどの程度か)
③ 勤務成績,勤務態度の不良の程度(企業の業務遂行に支障を生じ,解雇しなければならないほどに高いかどうか)
④ その回数(1回の過誤か,繰り返すものか),改善の余地があるか
⑤ 会社の指導があったか(注意・警告をしたり,反省の機会を与えたりしたか)
⑥ 他の労働者との取扱いに不均衡はないか
などを総合検討することになります。

弁護士 藤田 進太郎

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労働問題FAQ

2012-12-04 | 日記
労働問題FAQ

 解雇退職勧奨残業代等の労働問題に関する弁護士相談(使用者側)においてよくある質問に対する回答集を作成しました。
 労働問題の予防解決のために役に立つ回答内容になるよう心がけましたが,回答内容が個別の事案にそのまま当てはまるとは限りませんし,作成から時間が経っている場合は情報が最新のものではなくなっている可能性があることにご注意下さい。
 解雇退職勧奨残業代請求等の労働問題の具体的対応について,インターネット上の情報以上のものが必要でしたら,弁護士藤田進太郎労働相談をご利用下さい。
 四谷麹町法律事務所所長弁護士藤田進太郎は,使用者・経営者側専門弁護士(経営法曹)の立場から,健全な労使関係を構築して企業の利益・発展につなげる具体的方法の研究や労働問題の予防・解決に力を入れています。

四谷麹町法律事務所
所長弁護士 藤田 進太郎

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普通解雇の効力が争われた場合,中心的な争点となりやすいのはどのようなものですか?

2012-12-04 | 日記
Q206 普通解雇の効力が争われた場合,中心的な争点となりやすいのはどのようなものですか?


 訴訟等で解雇の効力が争われた場合,解雇権を濫用したものとして無効か否かが中心的な争点となることが多いというのが実情です。
 労契法16条は,「解雇は,客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上相当であると認められない場合は,その権利を濫用したものとして,無効とする。」と規定しています。

弁護士 藤田 進太郎

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懲戒解雇事由に該当することを理由として,普通解雇することはできますか?

2012-12-04 | 日記
Q205 懲戒解雇事由に該当することを理由として,普通解雇することはできますか?


 懲戒解雇事由に該当していれば,普通解雇事由が存在すると考えるのが一般的です。

弁護士 藤田 進太郎

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就業規則に規定する解雇事由以外の理由に基づき,普通解雇することはできますか?

2012-12-04 | 日記
Q204 就業規則に規定する解雇事由以外の理由に基づき,普通解雇することはできますか?


 就業規則が存在する会社については,就業規則に規定された解雇事由に基づいてのみ普通解雇できるとする見解と,就業規則に規定されていない解雇事由によっても普通解雇できるとする見解があり,現時点では論争に決着がついていません。
 就業規則に具体的な解雇事由を列挙した上で,「その他,前各号に準じる事由があるとき。」といった包括的な条項を解雇事由として規定しておけば問題とならない論点ですので,無用の論争を避けるためにも,包括的な条項を解雇事由として規定しておくようにして下さい。

弁護士 藤田 進太郎

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