

昨日、大阪に向かうために電車に乗った。
数日前のJR西日本の福知山線が引き起こした大惨事を思い、
電車に乗るのもちょっと勇気がいる。
事故というものは、ちょっとした瞬間にいろいろな偶然が重なって
不運にも発生していまうものだ。
自分は絶対大丈夫なのだとは、到底言い切れず、人ごとでは決してないのだ。
いつものように車内は程々に混んでいて
私は例によってぼんやり景色を眺めながら開閉する扉の脇に立っていた。
すると、とある駅から一人のじいさんが乗ってきて私の側に立った。
そのじいさんは、伸びをしたり、あくびをしたり
電車の中での超リラックス状態!
そんな様子を見るともなく見ていると
今度は何を思ったか、そのじいさん、私に話しかけてくるではないか。
「今日はいい天気やねぇ~!!」
「そうですねぇ・・」といきなり話しかけられ、とまどう私。
「外、歩いとったら、暑いぐらいやで。」
「ほんと、あたたかくなりましたよね」と一応笑顔で応答する。
「そういえば、昨日の野球観たか?」
・・・なんなんだ~この会話! ここは田舎の車内か?
実に親しげに、この知らないじいさんは話しかけてくるのだ。
「いえ、昨日野球は観てなんですよ~。すみません。」と私。
「夕べは、一点差で阪神が負けよってなぁ」とじいさん。
このじいさん、もしかしたら延々とこれから野球談義をするのだろうか??
それに私はずっとつきあわなければならない?
ど~しよう・・と思いながら、車内はし~ん。誰一人会話していない状態。
ちょっとぉ~! 誰か助けてよ!
するとほどなく次の駅に到着した。
「あっ、ここで降りなあかんわ。」「ありがとう!」「がんばってな!」と、
さわやかな笑顔を残して、じいさんはたった一区間で降り去っていった。
なんなんだよ~。
でも、知らないじいさんだったけど、なんだか心がほんわかした。
「ありがとう!」「がんばってな!」という元気いっぱいのメッセージが
いつまでも私の中でこだましていた。
じいさんは、誰かとしゃべりたかったのだろうか?
それとも、JR西日本の列車事故を思い、ちょっぴり憂鬱になっている私を
元気づけてくれたのだろうか?
どちらにしても、ほんの数分の間のはっぴぃなひとときだった。
じいさん、こちらこそサンキュ!あなたも頑張ってね