紅麹報道を目耳にしない日はありませんが、機能性表示食品に苦言を呈するようなコメンテーターの発言が目立つようになってきました。機能性表示食品制度を理解して話している人がどれほどいるのか甚だギモンです。紅麹事件の原因とは違う次元で機能性表示食品が語られるのは如何なものかとの思いで投稿します。
腎疾患などの基礎疾患を持つ人が食べると健康被害が大きくなる可能性がある・・・などのコメントがありますが、そもそも疾患に罹患している人、未成年者、妊産婦(妊娠を計画している人も)を対象にした機能性のものではないので、該当する方は食べてはダメなのです。パッケージにもその旨が記載されていて、制度の趣旨から言えば、消費者が商品を選択するときの根拠を認識することが大事なのです。とは言え、殆どの消費者はそんなことを理解していないと思えるので(コメンテーターも理解していない)、機能性表示食品がどのような人を対象としてものなのかを、マスメディアはきちんと伝えるべきです。
また、「医薬品と誤認されるおそれがない」ようなパッケージ・広告での表示(表現)が求められています。簡単に言えば、医薬品やトクホは、成分について申請して承認を得た上で、決められたルールの中で表示をしますが、機能性表示食品は、「成分について根拠があるので、その根拠の範囲内でルールに沿って表示します」と届出すれば販売して良いことになります。
ただ、届出しても消費者庁が受理しなければ販売することはできません。届出された内容に不備がないかを消費者庁がチェックしますが、制度が始まった頃は「医薬品と誤認されるおそれがない」のハードルが高くチェックに時間が掛かっていましたが、最近は低くなり「医薬品と誤認されるおそれがない」の解釈が曖昧になった感じがします。コレステヘルプの「LDL(悪玉)コレステロールを下げる機能があることが報告されています。」は、LDL低下薬のような印象を受けるのは私だけでしょうか。
ある新聞では、コレステロールを下げる薬を飲んでいたけど、サプリの方が良いのでは、との思いでコレステヘルプにした、という消費者の方のコメントが載っていました。機能性表示食品が悪いのではなく、制度について情報提供をきちんとして説明することが、機能性表示食品が注目されている今こそ、良い機会だと思います。また、機能性表示食品の機能や安全性などの情報を消費者が自ら知ることができるように消費者庁がデータベースを公開していますが、一般の方には理解できない内容だと思います。これも改善する方が良いと思います。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます