妖術を操る超人的な伝説が残る修験道の開祖「役小角」とは
役小角は、山伏たちを中心とした山岳信仰「修験道」の開祖とされている飛鳥時代の伝説上の人物である。
生没年が不詳であるため実在したか否かについては意見が分かれているが、『続日本紀』『日本霊異記』といった多くの古文献にその逸話が残っており、妖術を操る呪術者として語られている。
伝説によると、役小角は若いころから山岳修行に明け暮れており、幾十年もの修行の末に妖術を備えた。彼はその妖術によって、人々の厄を取り除いたり農業のために天候をも操ったりしたことから、世間から英雄視されていたという。また彼は、「前鬼・後鬼」という2体の鬼人を従えており、水汲みや薪取りなどに働かせていたが、逆らうと罰としてその身を縛って懲罰を与えたという。
一方、役小角が流刑に処されたという記録も残されている…(続く)