「春のおどりはヨーイヤサー」で舞台全体に灯が入る定番の幕開け。春のおどりより夏のと言った方がふさわしい暑い昨日大阪松竹座で見てきました。OSK観劇は何年振りだろうか。舞台はトップスターの高世麻央さんのサヨナラ公演とあって本人はもとより盛り立てようとするOSKメンバーの熱気がムンムン伝わってくる素敵な舞台でした。
第1部は「桜ごよみ 夢草紙」という名の西川箕之助構成、演出振り付けの日本物舞踊ショー。華やかな幕開けは平安朝の総踊り、続いて高世麻央さんのおどりを3人の踊り手が同じ振りで踊る趣向、楊貴妃と平安貴族の早変わり見せたり、OSKの名場面から抜粋された高世麻央さんのキャリアーが判る場面が続く。
第2部は名倉佳代子さん作、演出、振り付けの洋物ショー「One step to Tomorrow」。全員が踊る幕開けから白と黒の衣装に帽子を使った小粋なフィナーレの群舞に至るまで息をつかせぬダンスの連続でラテンあり、ジャズあり、ロックありロケットありの盛りだくさんなシーンが1時間の上演時間に詰め込まれたダイナミックなショーでした。
サヨナラにふさわしい高世さんを全員が送る場面に続いてフィナーレ。一旦幕が下り、再度開くと全員が桜色の衣装で小さな傘を開閉しながらOSKの団歌ともいえる恒例「桜咲く国」の大合唱で客席も共に盛り上がり幕が閉じられた。そのあとこの日は特別イベントがあり高世さんと作者の女性に松竹座の副支配人のトーク番組のオマケがついた。高世さんのトークも素晴らしく人柄がにじみでた素敵な締めくくりでした。
OSKは古くは千日前にあった「大劇」で当時のトップスター、秋月恵美子、芦原千津子、勝浦千波さんの舞台を見ました。映画と併演される形式で、当時東京のSKD(松竹歌劇団)や日劇、大阪の北野劇場等が同じ形式でした。宝塚のみずっと舞台一本で公演し、毎月公演しているのは今や宝塚だけ。
TVに圧されて衰退した映画や舞台は苦難の道を辿り、OSKも例外でなく一度は閉鎖。近鉄傘下で遊園地のアトラクションや地方公演で細々と生き永らえてきたが近鉄が手放して解散。しかし団員の熱意や熱心なフアンや応援企業の後押しで自主公演で復活、後に再び松竹の後援で年数回大劇場での公演をするようになっとか。
その苦難の時期を乗り越えてきたのが今の高世さん達世代で、多分次期トップになるだろう二番手の「桐生麻耶」さん達中心団員は皆そうだった。OSK日本歌劇団は現在の団員が52名。養成所を持ち卒業生が舞台を踏むのは宝塚と同じ。昔は歌の宝塚、ダンスのOSKとも言われて、前述の秋月、芦原コンビがダンサーとしても有名でした。
ジジの私見ですがOSKやSKDには娘役だけでなく、女役として巾のある大人のダンサーが多くいて、舞台でもソロで一場面を持ったり見せ場が沢山あり大人の男性フアンも多かったとか。その伝統は今でも残り今回でも勿論主演の高世さんや桐生さんの出場が多いのですが、その間女役さんの活躍できる場面が健在でした。又女役さんも存在感のあるソロで見せられる方がいます。
来年は改装なった南座や大阪松竹座、新橋演舞場での公演も決定とかでまずは目出度し。高世さんの後を継いで益々発展されんことを祈ります。それからフアンの方も熱い方が散見されます。
高世麻央さん
パンフから
裏には全員の顔写真と名前も出ています。