外は真冬かと思うばかりの寒さ、でも大劇場内は平日にもかかわらず熱気むんむんで立ち見まで出る大盛況。新生雪組の船出は順風満帆のようで幸先良しと言う所でしょうか。
最初はミュージカル 「ひかりふる路」。フランス革命の前後、宝塚でも何度も取り上げられた歴史上の事実と創作を上手く交流させた、生田大和先生の骨太でありながら場面転換もスムーズであっと言う間に1時間40分が過ぎました。今回はこの作品の良さがまず第一。それと音楽にフランク・ワイルドホーン氏を迎えた事。更に新トップ望海風斗さん&真彩希帆さん、見事にこの曲を歌いあげお芝居も的確で言う事なし。
梗概はHPをご参照、後は実際に見てのお楽しみ。望海さんでまず感心したのは歌詞が全部はっきり聞き取れる事。真彩さんも初めての大役だろうに歌唱力抜群、透きとおるような歌声で役柄をすべて魅了した。台詞も宝塚娘役特有の甲高い無理した作り声でなく、地声に近い発音で聞きやすく又演技を助けていた。
一番スゴイと思った場面はダントン家を訪れたロベスピエールがダントンと部屋で二人だけで対決し、丁々発止と渡り合う場面。今までで見た中で一番緊迫した場面を作り出していると感じました。とても男性でも及ばないくらいの大迫力で演技した望海さん、と彩風さんに乾杯!
特に彩風さん、2番手に位置づけられ初めての大役ではなかったでしょうか。でもそうは見えず堂々と望海さんと対決できたのは将来が楽しみ。2番手にトップと対決させた生田さんの作劇演出も立派。真彩さんはパリへ出てロベスピエールと知り合ってからの方がよかった。前半の薄いピンクがかった衣装はもう少し短い方がもっと若さが出たと思う。
朝美さんも影のあるいい役処で移籍後の位置が見えてきたような。今後の活躍を期待します。彩凪さん、女役は初めてかな?お綺麗でした。お二人とも遠慮せずもう少し強めに演じられた方がもっと良かったと思うが演出の範囲内なのか。沙央さん最後だから癖のある脇役でなく2の線でしたね。その為印象が少し薄かったような。夏美さん流石の貫禄で適役。
最後の場面も簡潔で良い幕切れでした。ただロベスピエールが革命に成功しながら何故「恐怖政治」に戻ってでも革命が続けられるかと思う当たりの説明が、プログラムの生田さんの説明を見るまで判りずらかった。でも1時間40分内でそこまで求めるのは無理でしょうね。最後まで一息で舞台を見つめ続けたのは久し振りです。1本建てで再演しては如何?
レヴュー・スペクタキュラー 『SUPER VOYAGER!』一番気に入った場面は三井聡さん振り付けのS7「海の見える街」長身の彩風さん中心の若さ溢れる群像を振り付けが生かし切ってスカッとした場面に仕上がった。望海さんの新生雪を意識した場面が多いがそれだけでなくショートしてもよく纏まり爽やかな印象で夏の公演ならもっとピッタリだったと思う。
願わくば歌える望海さんの「コールポーター」の場面で「ビギンザビギン」を原曲のままで絶唱して欲しかった。朝美さん、折角の女役、もっと妖艶にビシッと決めて踊るともっと映えるのでは?でもこの場面いつかどこかで見たような。歌は随分よくなったと思う。永久輝さん目立ってきましたね。キリッした容貌で踊れるし歌がもう少し良くなれば鬼に金棒。同じくS6の綾さん、一昔前湖月わたるさんが似た感じで踊ったがもっと押し出しがよく色気があった。がんばれ!
沙央さん、サヨナラの見せ場もあり永年ご活躍ご苦労様でした。彩凪さん、ショーでは粋でカッコよくダンスも歌もこなして大活躍で流石。綾、縣さんは新戦力ですか。真彩さんダンスはこれからですね。むしろダンス場面は彩風さんと組んだ方が良いのかも。久し振りに見た生雪組、歌唱もダンスも良くなり芝居は元々いいからこれから望海さん中心に色んなジャンルをこなして頂きたいですね。大変2本ともよかった。アリガト。
宝塚公式HPより
ミュージカル 『ひかりふる路(みち) 〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール〜』
作・演出/生田 大和
1791年9月14日。革命が始まって以来の宿願であった憲法が、ルイ16世によってついに承認される。国民議会議員として一大事業を為したロベスピエール達はパリ市民の歓呼の声に迎えられる。しかし憲法の承認は混迷する革命の、まだ序章に過ぎないものであった・・・
志を一つに共に立ち上がった仲間達との絆、運命的なロマンス・・・その青春を賭し、理想に燃えた青年が革命の頂点へと邁進する姿を通し、彼が掲げた「自由・平等・博愛」に込められた思いを紐解き、人類の歩むべき路を問いかける歴史ミュージカルです。なお本公演は雪組新トップコンビ望海風斗と真彩希帆の大劇場お披露目公演となります。
レヴュー・スペクタキュラー 『SUPER VOYAGER!』-希望の海へ- 作・演出/野口 幸作
豪華客船の出航をイメージした躍動感溢れるプロローグに始まり、「望(HOPE)」「海(OCEAN)」「風(WIND)」「斗(BIG DIPPER)」と新トップスターの名前にまつわる場面を中心に、未来への希望に満ちた場面の数々で構成。
望海風斗の男役の美学と新生雪組の魅力の全てを凝縮した究極のエンターテインメントにご期待下さい。
宝塚大劇場 | |
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公演期間 | 2017年11月10日(金)~12月15日(金) |
一般前売 | 2017年10月7日(土) |
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