(葬式アーティスト)フュネラルアーティスト

森本由美:欧米で葬儀装飾習得のフュネラル(葬式)アーティスト第一人者。アート葬式はサンケイ大阪賞受賞・商標登録済。

ヴィクトリア時代の黒玉(ジェット)ジュエリー

2005-10-11 | アート
今年、巷では『ヴィクトリア時代』の衣服の感覚を取り入れたファッションが流行らしい。

写真は1861年、彼女の夫であるアルバート王子が亡くなってから、1901年に彼女自身が没するまでの間、着つづけたヴィクトリア女王の喪服姿の現存する写真である。

この写真では見えないが、『ジェット』と呼ばれる、黒玉のジュエリーで出来た亡くなった夫の遺髪を入れたロケットなどを身に付けていたと言う。

一般的にこの時代、例えば1876年、未亡人は夫が亡くなった初年度は1年中黒い喪服を着なくてはならなかったようだ。そして、2年目は最初の3ヶ月間はグレーを、そして、次ぎの6ヶ月間は藤色か白の服のみ着用する事を許されたようだ。

ジュエリーは2年目が来るまで付けることを許されず、2年目から付けたとしても、先に述べた様に、『ジェット』と呼ばれる黒玉の物しか身につける事が許されなかったようだ。

フュネラルアート(葬儀・葬式の装飾)をロンドンで学んでいる私にとっては、今年の黒玉(ジェット)のアクセサリー達の流行がとても嬉しい。と言うのも、私は流行に関係無く、黒薔薇や、黒玉のネックレス、指輪、イヤリング達を日常の様に身に付けているからである。(なんせ、フュネラルアーティスト(葬式アーティスト)なので、、。)

冠婚葬祭用のジュエリーも、この頃は遊び心で、黒玉のネックレスの重ね付けや、デコラティヴな黒のベルベットの薔薇などと合わせて、楽しんでいる人が多い。

そんな今日の黒玉『ジェット』ファッションの流行をヴィクトリア女王は、どう思うだろうか?彼女の喪に、身に付けたジュエリーが時空を超え、今『ヴィクトリア・ファッション』として、流行するなんて、、。
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