Counting Blessings

シンガーソングライター Yumiko Beckの
活動やあれこれ。

かぞくのくに

2012年11月08日 | 映画
今朝Facebookにアメリカの義父の投稿がありました。

両親の家は丘の中腹に建っており、
その辺りの数軒の中では一番高い位置にあります。
(眺めは抜群です)

家の裏側は森になっており、山のような上り坂です。
昨日の午後、その森が火事になり、
義父は飼い犬のMダックス二匹と、義母(この順番だったそう)をつかまえ、
急いで避難したそう。

火が収まるまでに二時間かかったようです。
すぐ近所での火事でしたが、
両親の家にも家財にも何の被害もなく、
みんな無事でした。

本当によかったです。
一歩間違えば大惨事でした。

夫はこの頃、公私共にガッカリする事が続き、
毎日気を奮い立たせてはいるもののパッとしない。。。
そんな日が続いていました。

が、この火事騒ぎが、彼に高い視座を与えたようです。

家族が元気で暮らしている事。
それに勝る幸せはないのに、
いつの間にか色々な満たされない要求で心が疲弊する。。。
忘れやすい私たちなのです。


そんな今日、観た映画。

「かぞくのくに」

1950年代から1984年まで、在日朝鮮人の方々が
北朝鮮へと移住して行った帰国事業。

在日朝鮮人の主人公リエは
東京に両親と住んでいます。
リエの兄は25年前、16歳の若さで理想の国と信じて祖国へ渡ります。

そしてそのまま日本には帰れなくなるのですが、
脳腫瘍を患い、その治療の為特別に許可をもらって、
三ヶ月の期限付きで25年ぶりに
日本に住む家族の元に帰って来ます。
その様子を描いた映画でした。
舞台は1997年の日本です。

無口になって、自分の事をしゃべろうとしない兄が、
力を込めてリエに語った言葉が、
心に響きました。

「お前はいっぱい考えて、考えて、納得して生きろ」

考える事を放棄して、誰かに手を引っ張って連れて行ってもらおう、なんてとんでもない事なのだ。
少なくとも考える自由が与えられている私たちは。

それはお上ばかりでなく、
ある時は属する組織であるかもしれないし、
時には宗教的な常識でさえあるかもしれないけれど。

自分はどこへ行くのか、
何をすべきか、
いや、そもそもどう在るべきか。


今やTVがない我が家なので、めっぽう情報が遅いのですが、
この映画はギリギリセーフで観る事が出来ました。

観終わった後は、かなり消耗しました。。。
でも、無理をしてでも行ってよかったです。