「サニー 永遠の仲間たち」 2011年 韓国
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監督 カン・ヒョンチョル
出演 ユ・ホジョン シム・ウンギョン
チン・ヒギョン カン・ソラ
コ・スヒ キム・ミニョン
ホン・ジニ パク・チンジュ
イ・ヨンギョン ナム・ボラ
キム・ソンギョン キム・ボミ
ミン・ヒョリン
ストーリー
田舎者の転校生・ナミはソウルの流行に追いつこうと必死だった。
そんなナミも42歳になり、今は専業主婦。
素敵なマンションで優しい夫と高校生の娘に恵まれ、何不自由ない日々を送りながらも、どこか物足りなさも感じていた。
ある日、母の見舞いに行った病院で高校時代の親友チュナと再会する。
彼女は、田舎から転校してきたばかりでイジメられそうになっていたナミを助けてくれた恩人。
ナミはチュナがリーダーを務める仲良しグループ“サニー”の7人目のメンバーに迎えられ、永遠の友情を誓い合ったのだった。
美人で強くて、みんなの憧れだったリーダーのチュナは、今は事業家として成功したシングル女性だが、ガンで余命2ヵ月となっていた。
ナミは“死ぬ前にもう一度だけサニーの仲間たちと会いたい”というチュナの願いを聞き入れ、ある事件がきっかけで音信不通となっていた仲間たちの消息を調べるため、輝かしい青春時代を過ごした母校へと向かうのだった。
昔から美意識だけは高いぽっりゃりさん・チャンミと再会する。
今は保険の営業ウーマンで、成績はいまいちだが、夢の二重まぶたは手に入れていた。
チュナのためにナミとチャンミはほかのメンバー、「下品な言葉女王」のジニ、小説家が夢だったクムオク、ミスコリアを目指すポッキ、ティーン雑誌のモデルだったスジの消息を探すが・・・。
寸評
青春時代と現在を行き来しながら、現在の平凡な生活から再び輝きを取り戻すと言うよくあるベタなネタなのだが案外と感動させてくれる。
キラキラと輝いていた少女達は、成人してそれぞれに問題を抱えた生活を送っているのだが、それを暗く描くことはしない。
1980年代の世情や少女時代の出来事や悩みも深刻に描かれはしない。
むしろコミカルで、その明るさが良い。
病魔に苦しむチュナの壮絶なシーンが登場するが、くどい描写は避けられており、さらには昔の制服を着て女子高生をボコボコにする奇想天外なシーンを盛り込んだりしているところなどはその明るい演出に徹した象徴。
ナミが初恋の相手を訪ねるところでは両時代のナミが出会うファンタジックシーンも用意されているが、涙や感動を押し付けてくるような演出が避けられている。
全くイメージの違うメンバーを登場させ「整形のやりすぎ」と、韓国の美容整形世情をギャグするシーンもあって、あくまでも、明るく明るく描き切る演出で統一されている。
学園モノで物語を展開しやすいのは転校生キャラだ。
方言というコンプレックスを抱えていた主人公ナミが、クラスメイトのサンミに絡まれているところをチュナに救われるくだりは、ベタだけど胸がときめく。
しかもチュナが学園屈指の“正義の女番長”だったこともあって、ナミはある程度の安全が確保されたことになる。
チュナに気に入られて一気に友だちができたナミに、良かったなあと単純な僕はスンナリ感情移入できた。
ベタに徹している作品の力だ。
仲が良かったメンバーが全く連絡がとれなくなっているなどは不自然だし、チュナが病院の外で大立ち回りが出来るのも不自然なのだが、でも許せてしまう。
7人がバラバラになる場面は展開をはしょった都合のいい描き方だが、それすらも許せてしまう。
そんな理屈など問題としない映画だ。
高校時代のパートは衝撃的な事件によって幕を閉じて結末へ向かうのだが、それはかなり都合のいい展開だ。
驚きの遺言、楽しいダンスシーン、そして、ラストにはついにあの人物が…と目まぐるしい。
それでも許せてしまう。それが韓国映画だ。
僕の様な年代の者にとっては懐かしいヒット曲が流れるのも素直になれてしまった要因かもしれない。
タック&パティがカバーした「タイム・アフター・タイム」、シンディー・ローパーの「ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン」、ボニーMの「サニー」、リチャード・サンダーソンの「愛のファンタジー」などが懐かしい。
エンディングで再びタック&パティの「タイム・アフター・タイム」をたっぷりと聴かせて幕を閉じ、一人ひとりがスケッチから消えていくのはそれぞれが今は別々の人生を歩んでいることを思わせてしんみりとした感動をもたらせてくれた。
僕には女学生時代のチュナを演じたカン・ソラが魅力的に感じられた。
そして、これは僕のあの頃を思い出させてくれる映画でもあって、ささやかな感動があった。
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監督 カン・ヒョンチョル
出演 ユ・ホジョン シム・ウンギョン
チン・ヒギョン カン・ソラ
コ・スヒ キム・ミニョン
ホン・ジニ パク・チンジュ
イ・ヨンギョン ナム・ボラ
キム・ソンギョン キム・ボミ
ミン・ヒョリン
ストーリー
田舎者の転校生・ナミはソウルの流行に追いつこうと必死だった。
そんなナミも42歳になり、今は専業主婦。
素敵なマンションで優しい夫と高校生の娘に恵まれ、何不自由ない日々を送りながらも、どこか物足りなさも感じていた。
ある日、母の見舞いに行った病院で高校時代の親友チュナと再会する。
彼女は、田舎から転校してきたばかりでイジメられそうになっていたナミを助けてくれた恩人。
ナミはチュナがリーダーを務める仲良しグループ“サニー”の7人目のメンバーに迎えられ、永遠の友情を誓い合ったのだった。
美人で強くて、みんなの憧れだったリーダーのチュナは、今は事業家として成功したシングル女性だが、ガンで余命2ヵ月となっていた。
ナミは“死ぬ前にもう一度だけサニーの仲間たちと会いたい”というチュナの願いを聞き入れ、ある事件がきっかけで音信不通となっていた仲間たちの消息を調べるため、輝かしい青春時代を過ごした母校へと向かうのだった。
昔から美意識だけは高いぽっりゃりさん・チャンミと再会する。
今は保険の営業ウーマンで、成績はいまいちだが、夢の二重まぶたは手に入れていた。
チュナのためにナミとチャンミはほかのメンバー、「下品な言葉女王」のジニ、小説家が夢だったクムオク、ミスコリアを目指すポッキ、ティーン雑誌のモデルだったスジの消息を探すが・・・。
寸評
青春時代と現在を行き来しながら、現在の平凡な生活から再び輝きを取り戻すと言うよくあるベタなネタなのだが案外と感動させてくれる。
キラキラと輝いていた少女達は、成人してそれぞれに問題を抱えた生活を送っているのだが、それを暗く描くことはしない。
1980年代の世情や少女時代の出来事や悩みも深刻に描かれはしない。
むしろコミカルで、その明るさが良い。
病魔に苦しむチュナの壮絶なシーンが登場するが、くどい描写は避けられており、さらには昔の制服を着て女子高生をボコボコにする奇想天外なシーンを盛り込んだりしているところなどはその明るい演出に徹した象徴。
ナミが初恋の相手を訪ねるところでは両時代のナミが出会うファンタジックシーンも用意されているが、涙や感動を押し付けてくるような演出が避けられている。
全くイメージの違うメンバーを登場させ「整形のやりすぎ」と、韓国の美容整形世情をギャグするシーンもあって、あくまでも、明るく明るく描き切る演出で統一されている。
学園モノで物語を展開しやすいのは転校生キャラだ。
方言というコンプレックスを抱えていた主人公ナミが、クラスメイトのサンミに絡まれているところをチュナに救われるくだりは、ベタだけど胸がときめく。
しかもチュナが学園屈指の“正義の女番長”だったこともあって、ナミはある程度の安全が確保されたことになる。
チュナに気に入られて一気に友だちができたナミに、良かったなあと単純な僕はスンナリ感情移入できた。
ベタに徹している作品の力だ。
仲が良かったメンバーが全く連絡がとれなくなっているなどは不自然だし、チュナが病院の外で大立ち回りが出来るのも不自然なのだが、でも許せてしまう。
7人がバラバラになる場面は展開をはしょった都合のいい描き方だが、それすらも許せてしまう。
そんな理屈など問題としない映画だ。
高校時代のパートは衝撃的な事件によって幕を閉じて結末へ向かうのだが、それはかなり都合のいい展開だ。
驚きの遺言、楽しいダンスシーン、そして、ラストにはついにあの人物が…と目まぐるしい。
それでも許せてしまう。それが韓国映画だ。
僕の様な年代の者にとっては懐かしいヒット曲が流れるのも素直になれてしまった要因かもしれない。
タック&パティがカバーした「タイム・アフター・タイム」、シンディー・ローパーの「ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン」、ボニーMの「サニー」、リチャード・サンダーソンの「愛のファンタジー」などが懐かしい。
エンディングで再びタック&パティの「タイム・アフター・タイム」をたっぷりと聴かせて幕を閉じ、一人ひとりがスケッチから消えていくのはそれぞれが今は別々の人生を歩んでいることを思わせてしんみりとした感動をもたらせてくれた。
僕には女学生時代のチュナを演じたカン・ソラが魅力的に感じられた。
そして、これは僕のあの頃を思い出させてくれる映画でもあって、ささやかな感動があった。