先日のクルマのイベントでスタッフさんと話していた「クルマ離れ」の笑い話。
そして先日からのKDDI通信障害。
それらを見て、ふと思い出したことが一つ。
「そういえば、昔、”パソコン離れ”なんて言葉があったなぁ」
である。
ん?今回のKDDI通信障害に対して、何かないのかって?
昔、私も携帯会社の出入り業者だったんで、良くわかるんですよね。
障害が無いのが当たり前で、障害が出ると大問題になるってことが。。。
そのため、未だに技術者は徹夜しながらシステム更新を、指さし確認で手作業実施。
何故なら、自動化して問題を起こすぐらいなら、人手でゆっくりやった方が確実!という世界。
だから、ちょっとやそっとの問題は「お疲れ様」と言ってしまう。。。まあ、今はわからないけどね。
脱線脱線!「パソコン離れ」の話。
あの当時・・・2010年ぐらいかな?・・・雑誌やらワイドショーやらが、寄ってかかって
「スマホで十分。パソコン不要。だからパソコン離れが進んでいる」
と、こぞって報道してたように思えます。
街角インタビューでも「スマホでなんでもできちゃいます。キャッキャッ」と答えている人も多数。
私は、この時”生暖かい目”で状況を見ていました。
では、本当に「スマホでできるから」が、本当に「パソコン離れ」の理由だったのでしょうか?
私は違うと思っていました。
パソコンはですね、いわゆる「汎用計算機」です。
つまり、なんでもできるのです。できるように進化してきました。ソフトウェアの力を借りて。
そもそも、ここが問題なのです。
パソコンは、一般の人たちにとって「すごい難しい」機械なのです。
「難しい」とは?
ボタンがたくさんある「キーボード」を使わなくてはいけないから?
ファイルとか、フォルダ(ディレクトリ)、立ち上げる、落とすなど、特殊な言葉があるから?
多分違う。
私も良く聞かれました。
「パソコンって何ができるのですか?」
そして答えます
「何でもできますよ。何がしたいのですか?」
これが、難しさの元凶です。
つまり、「やりたいことを、自分で決めないといけない」という事なのです。
やりたいことが”与えられる”というわけではない。
ここが、一番難しいところなんだと思います。
1995年とか1998年とか、インターネット&パソコンブームの時にパソコンを買った人々は、ここで一番困ったのでしょう。
「何をすればいいのだ?」
と。
つまり、やることを決めてもらわないと使えないという事です。
そこに生まれたのが「スマホ」。
この「スマホ」戦略は、大変上手だったと思います。
極力、自分で決めるべきところを上手に隠し、とにかく「やるべきこと」をユーザに与え続けました。
そのため、アプリを無料で与え続け、やれるべきことを絞った。
「やること」を与えられると、人は、それに向かって邁進するものです。
これが「スマホ」の戦略。
「やること」を明確に与えることで、次に訪れるのは「少々のお金を出してね。少額だから大丈夫」というものにも、簡単にお金を出してくれます。
これが「課金」。
本当に”うまい”と思いました。まさに誘導。
この時、一般の人は「やるべきこと」を与えられていることに気が付かず、なんでもできると勘違いして「パソコン離れ」なんて言い出したわけですね。
現に、スマホはパソコンを超えていませんし、スマホのOSやアプリはパソコンで作られています。
目的意識がある人は、パソコンをしっかり使っています。
ただ、スマホの世界がMAXだと思っている人は、パソコンのやれることを理解できませんので「パソコン不要」なんて言い出します。
これが「パソコン離れ」の本質だと思っています。
・・・あくまでも、私の私見ですけどね。
なんで、こんな事を書いたかというと、内容が
「クルマ離れ」
と同じだなと思うわけです。
あぁ、これも私の私見ですけどね。
「魅力的なクルマが無い」が原因と言われますが、本当は「クルマの運転や運用は、すごく難しい」というのが問題なのだろうと。
難しい、だから「やらない」。
これが本質なのだろうと。
難しい、だから挑む。こんな考えになるのは、変わり者なのでしょうかね。
ちなみに、ゲーミングPCは、前述のとおり「パソコンをゲームで使え」という目的を与えられた売り文句。
目的を与えられると、売れてしまうんですね。
このゲーミングPC、性能はすごくよく、AIもすんなり動くし、Excelも広く軽く使えます。
それなのに「ゲームでのみ使え」と目的を決められてしまっています。
もったいないけど、目的を決められた方が売れてしまう事なのでしょう。。。ちょっともったいないね。