「マキ、一生懸命生きろよ」
これは私が記憶する父親の最期の言葉である。
勝手に注釈するが、これは「何事も全力を尽くせ」という意味ではない。
「生きることを諦めるな」という意味であり、たまには疲れて休んでもそれはそれでいいと思っている。
父は私の入局3年目の冬に亡くなった。
定年退職の前で、もっと部下と仕事がしたい。退職したら趣味の釣りを毎日したい。妻と軽トラックで日本一周がしたい。そんな願いがある中で癌が見つかり、その年に旅立った。
その後も私はちゃんと生きている。仕事に没頭したり、結婚したり、子どもに恵まれたり、仕事と育児の両立なんかしたりして。
今日は御用納め。
何はともあれ、1年無事に過ごせたことに感謝し、年末年始は心身ともに穏やかに過ごそう。
明日は父の命日。
近況報告を兼ねて、父娘とも大好きなビールを仏前で飲み交わそうか。
(東海 林)