
6月26日(土)BS11「未来ビジョン」元気出せ!ニッポン!
渡部昇一(上智大学名誉教授 1930年山形県生まれ 英語学者 評論家)出演
「温故知新」 より 「なぜ今「自助論」なのでしょうか」
6月26日の「未来ビジョン」録画したのを見たら、あの大好きな渡部昇一さんがご出演でした。嬉しくなって、ふむふむと大事なところを書き出してみました。
①
《自宅に、英語学、言語学、歴史関連の洋書を中心に蔵書数15万冊のプライベートライブラリー》
(15万冊ですか・・男として憧れますよねぇ)
・・えぇ・本当はああゆうのを自慢するのは悪趣味なんですよ。しかしねぇ。僕の恩師で昔高級武士だった人がいらっしゃって、その先生が 昔の武士は、いろんなものを自慢しちゃいけないと、でもたった一つ持ち物で自慢して良いものがある。それは刀関係のもの、これは割と贅沢しても心がけが良いと・・これは 武士にとっての刀は、文学部の人間にとっては本じゃないですか。だから僕は自慢するぞと・・ 笑
(プライベートライブラリーの意義は?)
やはり自分の世界を持てるということ。やはりプライベートライブラリーが発達したのは、
西ヨーロッパの一番良い時代からですよ。特にイギリスとかフランスとか先進国で、その前はパブリック・ライブラリーしかないんですよ。アレキサンドリアとか行ってもね。修道院とかライブラリーはありました。それが個人がライブラリーを持てるようになったということは、近世の一番良いところだと思います。
(やはり歴史的名著から学ぶ意義は・・)
僕はねぇ。本から得る知識と、今は情報化社会でインターネットとかものすごく便利なんです。その差はあると思います。
でもね、本というのは例えて言えば食べ物なんですよ。栄養的に言えばサプリメントでいいんですよ。ただサプリメントだけで成長出来るかと言ったら出来ないと思う。子供たちはやはり食べなきゃ駄目ですよ。食べて余計なものは排泄するという、そのプロセスで成長して、足らないものはサプリメントでパッと入れると良いですね。
それから自分の思想を作ったり感受性を磨いたりするのは、本を読み返し読み返し、そのプロセスにおいて出来ると思いますね。そして自分の愛読書が詰まっている空間があるということは、その愛読書を書いた人たちと夜中なんか霊的に交わるんですよ。
おお!
そりゃね。愛読した人たちが現れてきたらオカルトですけどね。 笑 そこまでいかなくてもね、そんな感じになるんですよ。
渡部昇一推薦 時代を読み解く名著
1859年発行 サミュエル・スマイルズ「自助論」 天は自ら助くる者を助く
300人以上の欧米人の成功論を集めたもの 1871年 「西国立志論」中村正直(敬宇)訳で日本でも出版され、100万部以上売り上げた。
(サミュエル・スマイルズのなぜ今「自助論」なのでしょうか。)
それは、日本が明治維新に成功したのはサミュエル・スマイルズの自助論にあるんですよ。それはねぇ。幕府の昌平黌(昌平坂学問所)というお茶の水の学校がありました。
その学校始まって以来の秀才という中村敬宇という秀才がおりました。この人が旗本の秀才を引き連れて幕末に、幕府から留学を命じられてイギリスに行くんです。イギリスに行って中村敬宇が何を驚いたかというと、その富です。
地図を見たって大体同じ大きさでしょ、日本と。緯度を見ても同じ。それで物産っていったら特にないんです。それでこの差はどこから出たであろうか。
工場を見たって、造船を見たって、鉄砲を作るところを見たって○○の戦争の50年後だからすごいですよ。それに夜になっても暗くならない。ガス灯がついているから。
それから両側に高い家が建っている、それが江戸城よりも高い。そしてそこに誰が住んでいるかと言ったら庶民・・ね。この富の差がどこから来たか。滞在して約1年、幕府がつぶれて帰るんですけどね。
滞在しているときはわからなかったです。でも帰るときになって、そこで知り合いになったイギリス人の友達が、「今イギリスで一番売れている本はこれですよ」と言って「自助論」をくれたわけです。
そして自助論を彼は船の中で読みました。そうしてハッとわかったんですよ。
「これだ!」
頭が良いもんだから帰るまでに2,3ヶ月かかるもんだから、この本全部暗記したって言われています。それから帰ってくると、徳川慶喜さんが静岡にいるもんだから、静岡に行ってそこで訳したんですよ。それはどう言うことかというと、彼は幕府の時代から住んでいるのでよく知っている。
それは、武士は沢山いるけど、これはみんな殿様にぶら下がって食っている連中なんです・・ということを把握した訳です。
ところが「自助論」を読みますと「天は自ら助くる者を助く」そして国の栄えるか栄えないかは、自らを助ける努力をする人のパーセンテージが高ければ国が栄え、低ければ衰えるという明快な答えです。
当時志を立てて頑張った人で、これを読まなかった人はなしとと言われるように、明治の知識を拓いたのは福沢諭吉であり、その生き方の道を拓いたのは中村敬宇の「西国立志伝」と言われるぐらい・・。
それが訳された東洋の国は、日本だけだったわけです。
だから日本だけが近代化に成功したんですよ。個々の人が志を立てなければ近代化は起こらない訳ですよ。
それから以後アジアの国は近代化が進んでいますけども、それは日本を見たからなんです。今元気なアジアの国は日本を真似したんです。で日本はイギリスを真似したんです。
自助努力の重要性について
今の本場イギリスでも20世紀のはじめから社会主義が強くなっちゃって、どんどんどんどん落ちて来ちゃった訳です。どこまで落ちるかわからないときに、ようやく止めたのがサッチャーです。(マーガレット・サッチャー英国首相(在任1979年~1990年)
そしてサッチャーさんが振りかざしたのが自助論で、このサッチャーさんのお父さんも何もないところから市長さんぐらいになった人ですが、自助論を愛読していたそうです。
(自助論が、どういったところで今教えてくれるものがある?)
学校でも自らやるんだ・・と盛り立てるところがなくて、どうしたら国からもっと引き出せるかという、要するにぶら下がる方にウエイトがかかっている気がするんですね。この感じが良くないんですよ。雰囲気が。
自分がやる・・という雰囲気がわぁーっと盛り上がるんです。まだ中国なんかは特別な政体ではあるけども、小平以来「儲けたい奴は儲けろ!」 と、その雰囲気で ぅわあっ となるでしょ、短期間に。
明治の頃なんか世界中が目を回しているうちに、あっと言う間に日本が近代国家になった
でしょ。雰囲気として「やるんだぁ!」って人がいたんですよ。
ただね。その場合にものすごく差が出来るんですよ。イギリスの場合、救うために力を入れ過ぎちゃっておかしくなった。中国は今救う方に力を入れないから伸びているんです。
②に続きます