CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

17-295「レジェンダリー」(アイルランド・ベルギー)

2017年10月14日 23時27分42秒 | アイルランド映画
失くしたのは信仰ではない、教会への恐怖だ
 1209年、アイルランド。世界の果てとも呼べる島。修道士の一行は修道院の神聖な聖遺物「マティアの石」をローマに運ぶ巡礼の旅に出る。だがそれは数世紀にもわたり繰り返されてきた部族間の戦争と上陸が活発化する侵略者ノルマン人が横行する危険な旅路であった。
 信仰心の篤い若き修道士ダーマッドと暗い過去を持つ口がきけない助修士らは、盗賊や部族たちに襲われながらも聖遺物を守り、旅を続ける。
 しかし、道中に巡礼を守るべく参加していた護衛の騎士レイモンドは、聖遺物の価値に目がくらみ、マティアの石を奪おうと企んでいた。(「KINENOTE」より)


 「スパイダーマン ホームカミング」のトム・ホランド主演の歴史ソード・アクション。

 13世紀初頭、アイルランド最果ての島からローマへ向けて聖遺物を運ぼうとする修道士の一行。
 しかし、部族間での争いや侵略者であるノルマン人たちが横行する危険な旅路を、若き修道士のダーマッドや言葉を発することができない修道院に仕える男たちは聖遺物を守りながら行かねばならない。


 ダーマットたちの聖遺物を守りながらの旅と戦いが描かれる本作。

 アイルランドという地の気候なのか、話の雰囲気からなのか、全体的には暗い雰囲気の映像で綴られる。

 聖遺物というのは、〝マティアの石〟と呼ばれるもの。
 13番目の使途である聖マティアが石打の刑に処された時に使用された石のことらしい。

 作品中では見た目ただの石であるが、このマティアの石を巡っての争いが繰り広げられ、修道士の中では命を落としてしまう者まで出てしまう。

 そして単純に石の争奪を描くだけでなく、信仰心というものにも焦点を当てたような話になっている。

 教会に対して不穏な気持ちを持っている騎士も登場するが、教会への信仰心が強すぎ、狂気を感じさせる者も現れる。

 何となく教会の傲慢というのも感じさせる内容だったな。

 ダーマットは信仰心はあるものの、ある意味冷静な様子。
 そんなダーマットを護る無口な助修士はかつて騎士だったような様子。

 襲い来る騎士たちに対峙していくが、その正体はハッキリと明かされるところはなかったな。


 全体的に暗い雰囲気で進んでいく中世の物語。
 聖遺物を巡る争いを描きながら、信仰心と教会に対する恐怖心を描いた作品。

 興味深い内容ではあったが、ちょっと重苦しさとスッキリしない気分になる作品でもあったな。

/5

監督:ブレンダン・マルドウニー
出演:トム・ホランド、リチャード・アーミティッジ、ジョン・バーンサル、ジョン・リンチ、スタンレー・ヴェベール
於:ヒューマントラストシネマ渋谷

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