24-005「ＮＯＣＥＢＯ ノセボ」（アイルランド・イギリス・フィリピン・アメリカ）

ダイアナが飛んでた

　ファッションデザイナーのクリスティーンは、夫フェリックスや幼い娘ボブスと共にダブリン郊外で順風満帆な生活を送っていた。

　ある日の仕事中、彼女はダニに寄生された犬の幻影に襲われる。8カ月後、クリスティーンは筋肉の痙攣や記憶喪失、幻覚などを引き起こす原因不明の体調不良に悩まされていた。

　そんなクリスティーンの前に、彼女を助けに来たというフィリピン人の乳母ダイアナが訪ねてくる。雇った覚えのないダイアナを不審に思うクリスティーンだったが、ダイアナは伝統的な民間療法で彼女の不調を取り除き信頼を得る。

　クリスティーンは次第に民間療法にのめり込んでいくが、それは想像を絶する恐怖の始まりだった。（「作品資料」より）

 

　順風満帆な生活を送っていたクリスティーンに襲いかかる悲劇と恐怖を描いたサスペンス・ホラー。

　ある事があってから、体調不良を訴えるようになったクリスティーン。

　ある日、雇った覚えのないお手伝いさんのダイアナが現れ、体調不良の記憶障害のせいと思い、住み込みで働いてもらうことにする。

　そんなダイアナが民間療法でクリスティーンの体調不良を癒すことにより、クリスティーンはダイアナの治療にのめり込んでいく。

　登場から怪しさを感じるダイアナであるが、何か思惑があって、クリスティーンの元を訪れたことは判る。

　果たしてそれは、復讐なのか救済なのか、なかなか判別しにくい状況で物語は進んでいく。

　療法の様子とクリスティーンの状態から、どのように話が展開するのか読み辛く、興味深い。

　時折、ダイアナのフィリピンにいた時の過去が描かれ、徐々に彼女の思惑が明らかになっていく。

　ダイアナの娘が関わっていることは判ったが、最終的にクリスティーンとの繋がりも判ってくる。

　不穏な雰囲気で展開する物語で、興味深いホラーであった。

/５

監督：ロルカン・フィネカン

出演：エヴァ・グリーン、マーク・ストロング、チャイ・フォナシエ、ビリー・ガズドン

於：新宿ピカデリー