CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

20-161「一度も撃ってません」(日本)

2020年10月02日 23時11分35秒 | 日本映画
夜は酒が連れてくる、朝はしじみが連れてくる
 74歳の市川進は妻の年金で暮らしている売れないハードボイルド作家。
 しかし小説のリアリティにこだわり過ぎるあまり、密かに“殺し”の依頼を受けては、本物のヒットマン・今西に仕事を回し、その仕事ぶりを綿密に取材していた。そしてトレンチコートで夜な夜なバーに繰り出すその姿に、やがて巷では“伝説のヒットマン”の噂が広まっていった。
 しかしついにそのツケが回ってきた。
 妻には浮気を疑われ、いよいよ自らも敵のヒットマンに命を狙われてしまう市川だったが。(「allcinema」より)


 脇役として多数の作品に出演している石橋蓮司が、19年ぶりに主演にあたるというハードボイルド・コメディ。

 かつては純文学作品で名を馳せながら、今は全く売れない作家の市川進。

 ネタ集めのため、夜な夜なトレンチコートを羽織ってバーに繰り出す。
 しかも世間ではプロの殺し屋による連続殺人が発生しており、市川がその犯人である〝伝説のヒットマン〟ではないかと噂が立っている。

 そんな中、その噂のため、市川は本物のヒットマンに狙われるという危機に陥ってしまう。

 果たして、市川はこの危機を脱することが出来るのか。

 
 市川進は74歳。そして中心となっていく人物、石田和行と玉淀ひかるも、それ相応の年齢。
 そして時代遅れと言われているハードボイルドな雰囲気を湛えているが、どことなく市川たちの、ちょっと悪あがきとも言える振る舞いが笑いを誘う。

 実際、市川が出版社に送った原稿は、伝説のヒットマンが行ったと思われる殺人の詳細が記されている。
 そのため、編集長の児玉は、市川が伝説のヒットマンではないかと疑っている。

 伝説のヒットマンへの関わりや、ヒットマンに命を狙われるという展開は、現実にはあまりないことだろうなとは思うが、ユーモラスな雰囲気もあり、楽しめる展開。

 何よりも70歳を越えた者たちが、青春時代を忘れられずに足掻き、日常では起こり得ないことを経験していく様が面白く、個人的には共感を呼ぶ作品であった。

/5 

監督:阪本順治
出演:石橋蓮司、大楠道代、岸部一徳、桃井かおり、佐藤浩市、豊川悦司
   江口洋介、妻夫木聡、新崎人生、井上真央、柄本明、寛一郎
   前田亜季、渋川清彦、小野武彦、柄本佑、濱田マリ、堀部圭亮、原田麻由
於:池袋シネマ・ロサ

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