CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

23-137「はざまに生きる、春」(日本)

2023年06月09日 21時45分18秒 | 日本映画
この綺麗な光を閉じ込めたくて
 出版社に務める雑誌編集者・小向春は取材のため、「青い絵しか描かない」ことで有名な画家・屋内透と出会う。
 発達障がいを持つ屋内は自分の思ったことをストレートに口にし、感情を隠さず嘘もつけない。人の顔色ばかり見て生きてきた春にとって、そんな彼の姿は新鮮で魅力的に見えた。
 恋人に怪しまれながらも屋内にひかれていく春だったが、相手の気持ちを汲み取ることが苦手な彼に振り回され、思い悩む。(「作品資料」より)


 仕事も恋もうまくいかず、人の顔色ばかり窺ってばかりいる女性編集者の小向春。

 ある日、取材対象として、青色の絵ばかり描く、屋内透という画家と出会う。

 純粋で裏表のないその言動に惹かれていく春であるが、その純粋さには透が発達障害を抱えているという特性もあった。

 透に惹かれ、そのやり取りからお互い心が通じ合ったと感じる春であるが、人の気持ちを汲み取ることの出来ない透に振り回されることとなる。

 果たして、春の気持ちは透に届くのか、そしてこの恋は成就するのか。

 月が欠けているから見せたい、光が綺麗で閉じ込めるところを見せたい。

 そんなことで連絡してくる透の言動は確かに純粋なようで、惹かれていくのも無理はないかなと思う。

 しかし、その透の言動には、発達障害故の純粋さ、そして人の心を汲み取れないというところもあり、必ずしも春に対してそうであるという感じではなかったのかな。

 まあ、そんな言動、普通にされたら好きになってしまうだろうということを、透は何も考えずにしてしまうということ。

 逆に一緒にホラー映画観ながら、春があれだけの大胆な行動を取ってきても、何も感じないというところも障害があるが故なのか。

 屋内透の魅力を雑誌の記事で伝えようとする春であるが、それは自分の気持ちを投影しているようでもある。

 発達障害を持つ相手に心惹かれる女性の苦悩を描いており、この恋がどのような結末を迎えるのか、気になるラブ・ストーリーであった。

/5

監督:葛里華
出演:宮沢氷魚、小西桜子、細田善彦、平井亜門、葉丸あすか、芦那すみれ、田中穂先、鈴木浩文
   タカハシシンノスケ、椎名香織、黒川大聖、斉藤千穂、小倉百代、渡辺潤、ボブ鈴木、戸田昌宏
於:シネ・リーブル池袋

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